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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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91 鳥の国から  ニセアカシア満開・卵と花と   1995年6月

鳥の国から  ニセアカシア満開・卵と花と   すずがも通信92号 1995年6月


 らせん階段の上から見渡すと、あちこちのニセアカシアの木が満開の花で白くなっているのが見えます。こんなに花つきのよい年はこれまでになかったのじゃないかしら。いつもは若葉の間であまり目立たない黄白色の花が、今年は桜のあとを受けてお花見でもしたくなるような見事さです。強い風が吹いたあと、道路が落ちた花でまっ白。蜂蜜のような甘いかおりで、ニセアカシアをあらためて見直してしまいました。

 ゴールデンウィークといえば、半袖でも汗ばむような日があって、ぐずぐずとしまいかねているこたつをえいっと片づけるのがふつうでした。今年はだめ。夕食のあとうたたねをするくせがついたせいもあるのですが、窓を全部開け放して風を入れたくなるような陽気になかなかなりません。それでも、いい声でしきりにさえずっていたアオジが姿を消し、夏鳥のオオヨシキリがふえてきました。気温がどうだろうと、天気がよくても悪くても、季節の歩みは着実なものです。

 3月から時々姿を見せていたセイタカシギは、4月末になって完全に姿を消しました。今年は葛西の野鳥公園に集まっているようです。ここ何年かはカラスのために繁殖失敗が続いていたので、無理もないのですが、やはりちょっとさみしい。新浜鴨場のサギはまあまあ。他の鳥の繁殖状況はよくわかりません。カラス(ハシブト・ハシボソ両方)が何組かいすわっているのにくらべて、バンがひどく少ないのが気がかり。

 8日の月曜、UFO島の岸からカワセミが2羽飛び立ったのを見ました。先日台風なみの「大みなみ」が吹き荒れて、東京湾奥はふだんよりも何十㎝か水位が上がりました。その時に波に洗われた岸の土がくずれ、ちょうどよいオーバーハングした土の崖ができているのです。穴もいくつか開いていますが、カニや木の根のためかもしれません。

 それにしても、いちばん高い位置の穴でも満潮時の海面から50㎝くらいしか離れていません。大丈夫なのでしょうか。もっとも、卵を暖めているなら1羽は巣穴でじっとしているはずで、2羽が飛び出したというのは下見か巣づくりの最中ということなのかも知れません。翌週が楽しみです。

 卵といえば、野鳥病院の「大部屋」で正体不明の卵が見つかりました。ちょうど鶏卵くらい。全体が褐色で、もっと濃い褐色の斑が一面に入っています。大部屋の鳥の種類と大きさなどを考えあわせると、ウミネコのものにまちがいないと思うのですが、まわりにいるウミネコはどれも知らん顔。図鑑に出ているウミネコの卵よりも色が濃いのと、少しこぶりなのが気になります。でも、いくらなんでもユリカモメの卵じゃないよね。ちなみにユリカモメも知らん顔です。6日に1個目、11日に2個目を見つけました。

 黄色い菜の花、ナガミヒナゲシの赤、風雅な江戸紫の色をしたジャーマンアイリス、くっきりとあざやかな色のサツキ―どこを見渡しても花がいっぱいです。香りの高い白い花を片端からあげると、スイカズラ、ノイバラ、トベラ、スズラン、ジャスミン、ニセアカシア、(香りはないけど)シャリンバイ、タチバナモドキ、etc、etc。

花にみとれて、このところうっかりミスの多いこと。用を一つ済ませると二つ忘れる始末で、先が思いやられます。どうしよう。



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