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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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90 みなと新池 現在進行   棚田を10枚に仕切る・ヒシの発芽  1995年4月・6月

みなと新池 現在進行   棚田を10枚に仕切る  すずがも通信91号 1995年4月


 みんなして、ただひたすらスコップを使いました。やりましたよ!棚田の全面耕耘をついに終えました。4枚目の棚田から耕しはじめた時には、この1枚が終わるかどうかとたいへん心細い状況だったのですが、2月に入ってから日本獣医畜産大学の獣医の卵さんたちがアルバイトに来てくれて、仕事がめきめきはかどりました。実は、まだアシの地下茎とりがいやというほど残っているので、ひまをみては作業を続ける予定です。ももまでくる特長をはいて踏み込んで、10歩も歩かないうちにずるずると転んでしまった犠牲者さんもいるのですけれど、それなりに面白い作業です。暖かくなれば水遊びにもなるし‥‥‥

 目下、中央に畔をたてて5枚の棚田を半分ずつに仕切り、10枚にする作業をしています。畔づくりがものすごく上手だったのは、元馬術部の助っ人さん。「汚れた寝わらをきっちり四角に積めって言われるんですよ。どうもそれが役に立ったみたい」 彼女の作った畔はひとめでそれとわかるほどみごと。

 2月22日から24日にかけて、市川の北にある大町自然公園の湧水による池の浚渫泥が4枚目の棚田に入れられました。ずっととめていたポンプ揚水も22日から少量を入れはじめ、25日の夕方からは全開にしたので、ほとんど底を見せていた池本体も7日ほどでいっぱいいなり、満々と水をたたえています。来週にはいったん用水をとめて、畔と用水路を仕上げてしまうつもりです。

 アシの地下茎とり、畔の手入れ、そのうちに田植え。作業はまだいくらでもあります。助っ人さんやーい、大歓迎!




みなと新池 現在進行   ヒシの発芽   すずがも通信92号 1995年6月


 このところ、みなと新池に行くのがとても楽しみです。3月中に畔と溝つくりが終わり、棚田は10枚になりました。1枚目に入った水がちょろちょろと気持ちよい水音をたてながら順ぐりに10枚の田をめぐり、一枚ごとにぐんぐんきれいになっている様子を見るだけでもなかなかのものです。池本体の水は、底がくっきり見えるほど澄んでいます。

 楽しみはそれだけではありません。昨年あちこちから移植してきた水草が、おおむねしっかりと芽を出しています。ガマ、コガマ、マコモ、ミクリ、トチカガミ、オオカナダモ、ヒシ。水に浮くトチカガミやヒシは、なんとなく最初から水面に浮いているような気がしていたのですが、水底から芽を出して伸びあがってくるのですね。水面から30㎝ほどのところに小さなヒシの芽が群がっているのを見つけたときのうれしかったこと。

 これでカエルの声がすれば申し分ないのですが、冬にほとんど干上げてしまった影響もあって、動物の姿は今一つ。こればかりは残念。

 冬から春先にかけて、耕したり地下茎を拾ったりしたかいがあって、棚田の中のアシは昨年に比べたら百分の一以下。稲でもなんでも植えることができます。近くの食品スーパーで芽のあるところを選んで、特売のハスを買ってきました。試しに植えてみるつもり。田植えは月末ごろになるかな。

 草刈りをはじめ、水草の移植、全面耕耘、畔づくり、溝切り、アシの根とり、そのほかもろもろを一緒にやってくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。今年もよろしくね


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