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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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88 鳥の国から  ヒゲガラ初記録   1995年2月

鳥の国から   ヒゲガラ初記録     すずがも通信90号 1995年2月


 鏡のようになめらかな水面にカンムリカイツブリがすーっと波紋をひいて泳いでいます。2羽、3羽、あれ、もっと遠くにも‥‥‥なんと5羽もいるではありませんか。眺めている間にも次々にもぐっては水面にわずかな波を残し、思いのほか離れたところにぽっかり。沖でさかんに潜水しているふつうのカイツブリは小さくてせわしく、まるでおもちゃのよう。白く長い首、頭上のふさ飾り、ほっそりしたくちばし、なめらかな動作。5羽のカンムリカイツブリは見るからに優美。

 なんとまあ、水面にはほとんど他の鳥がいない!今年も去年と同じく観察舎正面の鈴が浦にはカモがさっぱり見られない日が多いのです。潮がひくとサギ類が出てきているし、丸浜川にはまあまあ手ごろな数のカモが見られるし、餌付けされたセグロカモメはいっぱい。ゴイサギやアオサギも適当に手近なところにいるのだけれど‥‥‥「カモの群れ」はどうなっちゃったのでしょうか。30羽くらいの小群でも入れば「ちょっといるな」、80羽もいれば「まあまあかな」。昔はざっと一望して3000羽くらいだとひどく少ない感じがしたのに。カンムリカイツブリの優雅な波紋なんて、群れに混じっている時には見えるはずがなかった!

 やはり暖冬のためでしょうか。隣の竹藪でウグイスの地鳴きは時々聞くけれど、アオジやジョウビタキをほとんど見かけません。ヒヨドリやムクドリばかり目につきます。ムクドリは久々に竹藪でねぐらをとっています。

 11月20日、北池のアシ原でなんとヒゲガラのきれいな雄が捕獲されました。バンダーさんたちはむろんのこと、見せてもらった私たちも大喜び。黄色い目や嘴、まっ黒なひげ羽と風変りな美しさの小鳥です。ちょうど1カ月後、同じ個体がまた捕獲されました。野外で見てみたいものです。

 12月17日にはコアホウドリが谷津干潟のすぐ近くで保護されて入院。これで4年続けて毎年この時期に1羽ずつ持ち込まれたことになります。とても元気のよい鳥で、今度こそ放してやりたいと海上保安庁にお願いし、巡視船が出る時に持って行っていただく手配ができていたのですが、暮れにあっけなく死んでしまいました。残念です。横浜の野毛山動物園に保護されていたもう1羽のコアホウドリは巡視船に乗せていただくことができたそうです。

 1月8日夕方、観察舎正面にいるクロツラヘラサギの成鳥が見つかりました。8年ぶりくらいでしょうか。10日まで毎日同じ場所にいてくれて、おしゃもじのような嘴で餌を探すところも見られました。しばらく落ちついてくれるといいのですが。

 1月9日、東邦大学の風呂田利夫先生を中心としたダイバーのグループが、保護区で潜水調査をされました。帰化種の大型のカニ、チチュウカイミドリガニがやたら目についたそうですが、マハゼの巣穴もいっぱいだったとのこと。写真やお話が楽しみです。

 ロウバイのかおりのよい花もそろそろ終わり、水仙が咲き始めました。もうすぐ梅の季節です。ぼやぼやしているうちに21世紀を迎えそうな、そんな気がしてちょっと焦っています。



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