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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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59 水車ニュース  丸浜川の生きものたち  1991年8月

水車ニュース  丸浜川の生きものたち  すずがも通信69号 1991年8月


 「あのね、この川にニシキゴイなんているかしら?オレンジ色で30㎝くらいのが、つつつーって泳いで行ったの。目がおかしいんじゃない、って言われるんだけど」

 「3尾はいたってさ。でもあんまりうれしそうじゃなかったよ。ゆったり泳いでいるんじゃなくて、すごい勢いで突っ走ってたから。水を下げた後は見てないねえ」


 「カルガモのヒナ、7羽いたよ」

 「8羽のと、4羽のと、2組はまちがいないはずだ」

 「ちっちゃいヒナを1羽だけ連れてる親がいるのよね。親鳥はみずかきが黒っぽいから、まだ若いんでしょ。他のヒナは死んじゃったのじゃないかしら。4羽の親子の方はずいぶん大きく育ってるけど」

 結局、何組のカルガモのヒナがいるのかよくわからないのですが、今年は複数の親子が丸浜川で暮らしていることはたしかです。4~5組いるのかもしれません。もう親とあまり変わらないくらいに育ったヒナもいます。


 「せせらぎⅠ号のところで、水が下がった時に泥底をみたら、小さな巻貝がどっさりいたわよ。右巻だったから、ヒメモノアラガイの方だと思う。ミジンコの赤い塊もあったし。」


 「それにしても、やっぱりずいぶん汚れた水ですね。この先、水源はどのようにしたいと思われるんですか。それができるんでしょうか。いつまでも市民団体の手でやるべきことなのかなあ。僕にはそこのところがどうもわからんのですよ」-取材にこられた記者の方のお話―


 車の下に、ごそごそっとクロベンケイガニが逃げ込みました。タイヤのかげに隠れそうになるのを、どうにかU字溝に追い込みました。


 岸で小さな茶色のカエルを見ました。3㎝くらいのヒキガエルの子どもです。どっしりとしたおなかは、いかにもヒキガエルらしい貫禄を見せていました。元気でね。


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