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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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58 鳥の国から  オカヨシガモのヒナ、受難  1991年8月

鳥の国から  オカヨシガモのヒナ、受難  すずがも通信69号 1991年8月


 干潟にコアジサシの幼鳥がずらっと並ぶようになりました。白い姿にきりっとした黒いベレーの親鳥のスマートさにくらべると、つばさに茶色のぽちぽちがあって、いかにも幼く頼りない様子です。潮に乗って上がってくる小魚をねらって、親鳥は胸のすくようなダイビングをくりかえし、獲物がとれるとまっすぐにヒナのそばに戻ります。きらきら銀色に光る魚をくわえた親鳥のところに、大いそぎでかけ寄るヒナ。翼を半開きにして餌をねだる姿は、いくら見ても見あきません。

 今年は丸浜川でもカルガモのヒナがよく見られますが、いつもぽつんと1羽、他の鳥から離れて餌をとっているカモの子に気づかれたでしょうか。実は、ちょっと悲しいお話があるのです。

 6月、浦安からオカヨシガモと思われるはぐれビナが持ち込まれました。この付近でオカヨシガモが夏に残るようになってからもう4年目。でも確実な繁殖記録は、1988年に保護区でヒナ6羽と雌親が見られたという1例だけです。今年はぐんと越夏個体がふえたので、ヒナの出現を期待していた矢先のことでした。

 カルガモとは成長の様子、餌とりの様子などが違っていて、うまく育てられるかどうか不安でした。ようやく体重が順調にふえはじめてほっとしていたところ、何と禽舎からオカヨシガモのヒナが消えてしまったのです。誰かに誘拐されたらしい。くやしいやら、悲しいやら。ところが10日もたち、すっかりあきらめていたころになって、丸浜川でこのヒナと思われるものが泳いでいるのを見つけました。小さくてかわいいからと持ち出した誰かが、飼いきれなくなって戻しにきたのでしょうか。どうせなら、ちゃんと禽舎に戻して欲しかった!

 そんなわけで、カルガモよりもずっと小柄なヒナが、ひとりぽっちで餌をとることになりました。飛べるようになるまで無事に育ってくれるといいなあ。


 丸浜川でも盛んにカワセミが行き来するようになりました。保護区の新池で4月20日に作った「カワセミ営巣用の崖」には、本当にカワセミが巣を作ってくれました。でも、ヒナがかえったかどうか、どうもよくわかりません。ヒナがいるにしては、親が餌を持って来る回数が少ないのです。来年はもう少し早い時期に、条件のよい崖を作ってやりたいなあ。


 わが新居、いまだに引っ越しの段ボール箱の山があちこち。猫どもの喜ぶまいことか。積んであれば登る、空にすれば入る、畳めば爪をとぐ、時には箱ごと落ちる‥‥。玄関にいつもどれかが寝ているので、置物か敷物がわりにちょうどよいかも。ちなみにうちねこはススム(肥満黒雌)、カスミ(三毛雌)、ケムリ(灰雌)、チョンマ(足長黒雄)の4頭。他は野良さんかよそねこですので、よろしく。


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