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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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54 鳥の国から  UFOを探せ!  1991年4月

鳥の国から  UFOを探せ! すずがも通信67号 1991年4月


 もう15年このかた取り組んでいる謎があります。手がかりはいっぱいあるのに、毎年かならず何度も遭遇しているのに、いまだに解決のめどがたちません。

 春先から初夏にかけ、月の暗い晩に限って、たいていは近くに水があるところで経験しています。3月5日の午後7時すぎ、私は今年もまた遭遇してしまった!そう、UFO! ただし、Unidentified Flying Onsei(未確認飛行音声)。

 空から聞こえてくるのです。せいぜい5~15mくらいの低いところから、ひっぱった高いふるえ声でトゥリー、トゥリーと2声ずつ。飛びながら鳴いていることは間違いないのですが、どうしても姿がわかりません。

 3月はじめと言えば、夏鳥はまだ到着していないころ。これから7月にいたるまで、毎年何度も耳にします。常に単独で、夜しか聞かれません。特別に珍しい鳥のはずはないのです。毎年必ずいる種類、それもおそらく留鳥。とあると捜索範囲はきわめて限られたものになります。可能性のある種類をあげると、バン、オオバン、シロチドリ、カイツブリ、カルガモ、ゴイサギ、コサギ、スズメ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ、カラス類、キジ、キジバト、ドバト、アブラコウモリ、アシナガバチ(うっそー!)などなど。ほとんど目撃例はないけれど、完全な夜行性のオオコノハズクを含めてもよいかもしれません。

 長年住んでいた東京都内では聞いたことがないので、町なかにすむ小鳥類や鳩、カラスなどは除外できるはず。いくら何でもサギ類のしわがれ声とは似ても似つかないし、まあバン、オオバン、シロチドリ、カイツブリ、カルガモあたりが候補になるでしょう。唯一の目撃例ではバンかカイツブリの飛び方だったとのことです。さあ、正体はなんでしょう。ともかく、わからないのです。

 繁殖期、夜、飛翔時に限って出す声。今年こそ正体をつきとめたい。でも、イギリスやアメリカの鳥のハンドブックには出ているかもしれません。たそがれどきに限ってオオバンが出す「ホホ―、ホホ―」という奇妙な、ふだんとはまったく異なった声も、イギリスのハンドブックにちゃんと記載されていました。

 UFOの出現を含め、鳥の様子も、植物も急に春めいてきました。3月7日、アシナガバチかジガバチの仲間(種類はわからず)を見かけました。沈丁花の香りとクビキリギスの声がきかれる春の宵も、もうすぐです。




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