表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
49/100

49 鳥の国から  秋がきた  1990年10月

鳥の国から  秋がきた  すずがも通信64号 1990年10月


 かつん、かさっ。

 庭のマテバシイの木から、どんぐりが落ちる音がします。落葉の上だと「かさっ」、小屋の屋根にあたると「かつん」。ころころにふとって、つやつやしたどんぐりは、煎って食べるとこうばしくてなかなかおいしいのです。犬もよく知っていて、時々なまの実をカリカリかじっています。

 いかにも秋らしい音風景だというのに、まあ、いつまでも暑いこと。猫どもも犬どもも、あっち、こっちにどてっと寝ころがって、風とおしのよいところを占領しています。わがパソコン机は南の窓ぎわで、風さえあれば天国のような位置ですが、お昼前後はしっかり日が当たります。日当たりのよいことも天国のような席です。残暑の時期でさえなければ、しあわせいっぱいなのです。ああ、暑い!


 鳥さんたちの方は、もののみごとに秋まっさかり。カモが毎日ふえています。コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ。オカヨシガモは夏中見られたので、渡ってきたというより、そこらで育ったのが集まってきたような感じです。今年もまた、とうとうヒナや卵は見つからなかったのですが、ペアが何組も繁殖期中残っていて、明らかになわばり争いといった行動(つがいで飛ぶ鳥を雄が追いかけて行くところ。一度など空中でかみついた)を見せており、保護区の中でも繁殖したはずだと思います。来年こそは、しっかりオカヨシガモの親子を見たいものです。

 夏鳥のコアジサシは、早々と消えてしまいました。もうニューギニアに到着したものがいるかしら。ツバメはまだ見られますが、見るからに移動の途中といった様子で、ちっとも落ちついていません。モズが高鳴きしています。それでもまだ、餌をしきりにねだるヒヨドリやオナガガよく目につきます。留鳥タイプの鳥たちは、暑さと雨の少ない好天のおかげか、たいへん順調に、その上例年より長期に渡って子育てを続けているようです。


 長い繁殖期のためか、わが野鳥病院は泣きの涙。5月からこっち、ずうっと入院鳥の数が多いまんま。親とはぐれた、窓や電線や車に衝突した、猫にとられた、時には薬物(農薬?)中毒のような症状のものも含めて、旧館2階の野鳥病院は常時ケージが20箱ほど置かれ、足の踏み場に困るほど。ふつうは8月に入ると患者さんがぐっと減るのに、8,9月とも週に7,8羽の入院ペース。受け入れ側は夏バテも手伝って、さすがにグロッキー気味。


猫わるさ


 野外復帰訓練中で外を飛び回っている幼鳥がいるので、わが家の5ひきの猫どもは日中は室内にとじこめ、夜だけ出すたてまえです。夜おそく、足長黒猫のチョンマくんが網戸の外で妙なそぶりを見せているので、いそいで様子を見に行くと、何だかころんとしたものをもてあそんでいるではありませんか。最初はネズミのなま首かと思って、おそるおそる取り上げると、まあ、ちっちゃなイエコウモリ! 見たところは特に外傷はないものの、ショック状態で、きっちり翼をたたみ、目を半眼に開いて、身動きひとつしません。どうなることかと思ったものの、翌日ゆっくり小箱の中で休ませて、夕方出してやったら、幸いに飛び去って行きました。もちろんチョンマくんには反省の色など全くありません。だって、翌晩には水路で放し飼いのはずの飛べないヒドリガモが、新館二階のベランダでかけずりまわっていましたもの。猫が水路でつかまえて、階段を上がってベランダまで持ちあげたに違いない。あーあ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ