13 前段 その4 1984年10月
13 前段 その4
「すずがも通信」28号(1984年10月)
【雨が欲しい】
涼しくなりましたね。ススキの穂が光り、セイタカアワダチソウの花が日ごとに黄金色にかわってきました。青空を飛ぶアキアカネ、9月27日は空一面のいわし雲、これで雨さえ降ってくれれば・・・・。
さて、鳥さんたちの近況。
【次々と珍客来来】
1984年8月31日の夕方、クロトキ若鳥2羽!足につけられたカラーリングから多摩動物公園で放飼中のものとわかりました。しかも、同じ日のうちに多摩動物公園と行徳を往復したとのこと。すごい!
9月1日の昼前、ウミネコやシギが大さわぎ。見ると何と2羽のタカ。チュウヒと違い翼を水平に保ち、ゆうゆうと飛んでいます。やっとのことで望遠鏡の視野にとらえたタカには眉斑がくっきり。オオタカの若鳥でした。オオタカ2羽というのは初めて。おまけに1羽がウラギク湿地におりて、じっくりと姿を見せてくれました。このオオタカ君、丸々と太っていて、少々風格に欠ける感じでした。この日は他に、チュウヒ、トビ、ハヤブサ、ミサゴが見られたので計5種となり、まだ暑い盛りの時期としては信じられないようなタカ類の総出演でした。
9月17日午後、ショウドウツバメが何羽も上空を飛びました。あいにく手がふさがって十分に見られなかったのですが、褐色がかった背面、短尾がはっきりと見えました。その時飛んでいたツバメは十数羽以上、ただしちゃんとショウドウツバメと確かめたのは2羽。
【カモの初認】
コガモ 8月26日 4羽
ヒドリガモ 9月7日 6羽
ヨシガモ 9月27日 1羽
スズガモ 9月7日頃から 40羽以上(越夏群は30羽ぐらい)
【ボツリヌス中毒か?】
1984年9月24日の夜、保護区内の淡水池に水質調査のため入ったところ、カルガモ数羽、コガモ20羽以上が死んでいました。この日、観察舎からもスズガモの死体2のほか、コガモの古い死体が何羽か見られました。病死と思われますが、死因不明・・・・。ボツリヌス中毒?
【干草は日の照るうちに】
さわやかな好天続き、暇さえあれば干草かきに精を出しています。11月~5月の禽舎の敷草確保のため。干草には雨は禁物。でも旧淡水池、新淡水池とも干上がる寸前で、本格的な雨がどうしても欲しい! この矛盾解決のためには、大急ぎで干草をとり込んで、きちんとしまって、それから雨乞いしなくっちゃ。ああ、体が3つ欲しいよー!
註:旧淡水池、新淡水池=保護区造成当初からある旧淡水池と、1982年に作られた新淡水池(田の字池)のこと。ともに水源は雨水のみだった。
ボツリヌス中毒=酸素がない環境で増殖するボツリヌス菌が出す毒素による中毒症状。神経系統を侵され死亡する場合が多い。




