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鳥の国から  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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10 前段その1 1980年2月~1984年2月 

「すずがも通信」に「鳥の国から」が連載されるようになったのは1986年から。その前にも、断片的に鳥や観察舎の様子などが書かれています。そのうちのいくつかを拾って行きます。

10 前段 その1


「すずがも通信」1号(1980年2月) 新館オープンから1ヶ月


 野鳥観察舎新館がオープンして、ちょうど1ヶ月。楽しいことがいくつか重なりました。

 その中から、まずその一。開館式(1979年12月26日)以来、1980年1月25日までの利用者合計が9910名。1万人目のお客様に記念品(図鑑とバッジ)をさしあげることにして、利用者名簿とにらめっこしていました。午後2時15分、浦安町の小学6年生、伊東正久君が、ちょうと1万人目の署名をしてくれました。さっそく館内放送でみなさんにお知らせし、一緒に来られたお友達と記念撮影をして、1万人目のお祝いをしました。

 その二。とっぷり日が暮れて、まっ暗になった水路から、ギャアーッ、グワァッと、すさまじい声がひびいてきます。餌台の魚のあらをねらって、ゴイサギばかりか、大型のアオサギまで来ているようです。星がきれいに出て、明日も天気が良さそうです。



「すずがも通信」16号(1982年12月) スズガモの異変


 今年(1982年)もスズガモの季節がやってきました。水面は大群でまっ黒・・・・・・と言いたいところですが、1982年11月30日・7000羽、12月1日・3000羽→1万羽、12月2日・3~5万羽と日によってまちまち。おまけに日の出前に入って、日没後に出ていくという規則正しい生活がどうもあやしげになり、時には10時すぎに大群が入ってきたり、まだ明るい14時頃、ぞくぞく出ていったり。運がよければ大群が空に舞うすばらしい姿が見られますが、運が悪いと沖合に2000~3000羽程度。でもヒドリガモやセグロカモメをはじめ、やはり冬鳥の季節は見ごたえある眺めです。スズガモの異変の理由は何なのでしょう。暖冬? のりの全滅によるのり舟の動きとも関係ありそうです。



「すずがも通信」23号(1984年2月) 冬鳥動向


 昨シーズンと同じく、スズガモ君はさっぱり落ちついてくれません。1983年12月11日から消えて、何度か群れが入ったものの12月30日までほとんどゼロから数千羽程度。ところが31日から1984年1月10日までは、数万羽の群れが見られました。

 おかげで元旦の初日の出の会は最高! でも11日以降は、まただめ‥‥‥1979年11月にスズガモたちの餌場である塩浜岸壁沖の東京湾が銃猟禁止区域に指定されたことが、じわじわとカモたちにもわかってきたようです。きびしい狩猟圧が緩和されたため、スズガモ君たちは保護区の外でお食事中と、よい方に解釈して下さい。


 谷津干潟やつひがた小櫃川おびつがわ等あちこちでハクチョウが見られているようですが、こちらにはまだ来ていません。

 年末来、セイタカシギが餌場に来るようになりました。

 一昨年(1982年)12月末に脚環をつけたセグロカモメ8羽のうち、4羽までが今冬見られています。

 カワウが不忍池しのばずのいけ工事の影響でどっさり(数百羽)来ていて、タ方3時~4時頃帰っていく姿が見られます。

 カモメ公園(市川市福栄4丁目)で、タ方5時過ぎ、コミミズクが飛ぶのがよく見られるようです。

 1984年1月22日、タゲリが2羽本土にいるのが見られました。

 観察舎芝生横のトウネズミモチの並木に1週間ほどツグミの大群が来ていました。1月17日には60羽以上が集まり、まっ黒なフンがあちこちに。でも18日以降はほとんど来ていません。すっかり食べつくしてしまったのでしょう。

 大雪の中の小鳥たちのために、餌を出してやりました。スズメ、ツグミ、キジバト、ハクセキレイなどが集まっていました。



追記

 1983年度の冬は、都内でも行徳でも「根雪」が見られました。降った雪が溶けないうちに次の降雪で、観察舎に赴任される前は市川市建設課で土木業者さんにコネがある三次館長が、懇意の業者さんにブルドーザーを出してもらって通路の除雪をしていただいたことも。

 1983年生まれの捨て子犬、白地に茶ぶちのきれいなめす。せっかちでおせっかいなことから名前は「せっちゃん」。本当は「残雪号」なのですけれど。兄弟3匹がもらわれた後もしばらくわが家にいて、後にご近所の小森家の飼犬になりました。賢くて活発で、70~80センチくらいの高さの窓枠や堤防にひらり、と飛び乗るほど、犬とは思えないくらい身軽な子でした。


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