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ヒカリサスチカニ  作者: ミック・ソレイユ
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自宅にて

 思いのほか疲れていたようだ。帰ってすぐにベッドに潜り込んでいたからだ。


 よく寝たはずなのだが、疲れはあまり取れていない。無闇に叩きまくるドラムのような頭痛。憂鬱な悪夢にうなされて、眠りが浅かったのかもしれない。


 天井近くにある小さな窓の隙間から、一筋の光がぼくの顔に射している。


 街灯? 太陽光? それとも、名も知れぬ誰かが光を当ててくれているのだろうか?


 眠い目をこすりながら外を眺めてみる。早朝の静けさの中、黒褐色の大きな複眼がこちらを監視している。が、一瞬で消えた。キリギリスの姿をとった幻覚か?


 さまざまな思考が、テニスのラリーのように頭の中を駆け巡る。そしてようやく、ぼくは自分が一匹のアリであることに気が付いた。


 この世界は複雑かつ非合理な迷宮で、脱出する方法を探すのは正解のないゲームだ。


 相変わらずこれからも、このアンツヴィル60に住み続けるだろうし、会社に通って辺野さんのもとで働き続けることだろう。


 でもいつか、迷宮のゴールを駆け抜けることができたなら、恩寵の光がぼくらを明るく照らし出し、暖かい日射しのように祝福してくれることだろう。


 朝の準備を手早く済ませ、今日は早めに出勤することにした。

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