いつもの夜に。
小説を書き終え、時計を見ると深夜の3時を超えていることに気がついた。
パジャマだけだと冷えるため、冬用の厚着のパーカーに冷え性予防の靴下を履いていた私は、急いで寝る支度を始める。
といいながらも、気分はいつもより弾んでいて鼻歌を口ずさみたくなる夜だった。
深夜の3時。さっきまでヘッドホンを付けながら何度も同じ曲をリピートして聴いていたため、一段と夜の静けさを感じた。
隣の部屋では付けっぱなしになったテレビの音が少々。親はもうとっくに夢の中で、この部屋には今私だけがまだ目を開けていることに不思議とドキドキする。
窓の向こうでは深夜にも関わらずバイクの音や誰かの話し声が聞こえて、今頃私が働いているバイト先には深夜の和田さんが眠そうにあくびをしながら働いているだろうと思うと、どうしてか安心してしまう。そして、この時間に起きている人たちに『お疲れ様です。お仕事頑張ってください』と応援してしまうぐらい親近感が湧いてきて、深夜乗り越えよう同好会。なんて名前をつけてこの夜を乗り切りましょうよ!なんて、私はふとおかしなことを考えてしまって笑いそうになった。
夜はいつもの私の存在を強く強くしてくれるから好きだ。ギシギシと鳴る歩く音や、椅子の引く音、自分の呼吸の音や、衣服が擦れる音、私が動いた一つ一つの音が主張している。まるで、自分がここにいるのだと証明しているみたいだな。と思う。
多分、今私が透明になってしまっても、誰かが私のことに気がついてくれるだろう。
私はパーカーと靴下を脱いで親が大の字に寝ているのを笑いをこらえながら跨いで、布団に潜り込んだ。まだ夜は長い。
おやすみなさい。
また明日。




