第2章 始まる学園生活!? :第1話
「いくらなんでもでか過ぎるだろ…コレ」
封兎が呟くその目の前……というよりも頭上と表現した方がいいのだろうか。
そこには巨大な門があった。
でんっ、という効果音を立てているようなこの門は最早馬鹿でか過ぎて、首を精一杯上げなければ上の方が見えない。
強いて言うならば凱旋門だが、それでもまだまだ言葉が足りないぐらいであった。
「何ぼさっとしてんの?置いてくよ」
そんなことをいい、マジで置いていこうとするシリル。
遅れないようにシリルの後ろを着いていく。
門を通過している間、なんとなく蟻の気持ちが分かったような気がする。
…いや分かりたくもないけどさ。
そんな取り留めない事を思っている間に門を抜ける。
が、そこで俺は驚愕…いや、呆れる事になる。
門を抜けたそこには、これまた表門に相応しい馬鹿でかい城があった。
城というより、要塞。
天空の城もびっくり仰天のレベルだ。
もう馬鹿かと、阿保かと、限度を知らんのかと。
知らず知らずの内に、自分の口からため息が漏れた。
嗚呼、幸せがまた1つ逃げてしまった…
そしてシリルに着いて行く事数分。
なんかよく分からない場所へと連れて来られた。
どうやら病院での受付のようなそこ。
奥の方は真っ暗でよく分からない。
そこでシリルは受付の窓をこんこんと叩いた。
待つこと数秒。
ぬっ、といきなり黒尽くめの人らしき物体が現れる。
よく見ると、とんがり帽子にローブを纏っていた。
闇に紛れる様な漆黒色だったので、目を凝らさないと分からないだろう。
そして、目があるところに赤い光が灯っている。
まるで幽霊の様で全体的に不気味だ。
「これはこれはシリル様、何の御用でございましょうか?」
どうやらシリルとは知り合いらしい。
シリルが経営しているらしい店が関係あるのだろうか?
「編入試験を受ける」
「…そちらの方で宜しいですよね?でしたら少々お待ちください」
そういい、闇と一体化するように消えていく真っ黒黒助(命名俺)
足音もしないし、歩いている様でもない。
まるでスーッと地面を滑るかの様だった。
本当に幽霊なのではないのか?
そんな疑問を抱いている内に、既に真っ黒黒助が音も無く元の場所にいた。
「すぐに試験を始めますが準備はよろしいですか?」
どうなんだ、と俺に問いかけるシリルの瞳。
俺はその挑戦的な瞳に自信満々に答える。
「勿論だ」
▼
試験会場へと向かう途中、俺は口を開いた。
「で、試験は具体的にどんな内容なんだ?」
「…呆れたな。内容も知らずにあの自信?」
そうして右手で顔を覆うシリル。
本当に大丈夫なのかと心配しているのだが、封兎は露知らず。
封兎は本当に自信があった。
試験への自信では無く、自分への自信が。
「ああ、そんなのはどうにでもなる」
「……まあいい。内容は簡単。この学園の生徒との一騎打ちだ」
「はん、勝てばいい訳か?」
「いや、勝敗は絶対というほど関係ないよ。実力や素質があるのが分かればそれでいい」
「……ふーん。まあ、好きなようにやればいいだろ」
「お前がそうしたいならそうしろ。合否は保障しないよ」
「別にいい。勝てばいいんだ」
そうして封兎は不敵に笑う。
そんな封兎にシリルはまたも呆れていた。
やっとこさ学園編。
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手加減はいりませぬ;;
次回ヒロイン登場予定〜