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           :第4話

「・・・・・」


「・・・・・」

 


 沈黙に包まれる封兎とシリル。

 封兎の額には大量の脂汗が浮かんでいて、対するシリルは引きつった笑みを浮かべていた。

 勿論、その顔の目は笑っていない。

 全身にビンビンと感じる何か。


 …こ、ここ殺される!?

 

 自分が見るも無残な姿に成り果てているそんな未来を、野性的感覚で封兎は予知した。 

  


(なんでこんなことになるんだぁぁーー!!)



 封兎が剣を構える真似をしたあの瞬間、手にあの大剣が現れた。

 馬鹿でかさ故に、その剣を取り回す事は難しい。

 特に狭い通路や部屋等では、その自慢の刀身を振るうことさえできない。

 そんな3メートルは越える規格外のモンスターソードは当然の如く――

 


 ――天井を突き破っていた。

 まるで「どうだ、すごいだろう」と誇らしげに見えるのは気のせいなのだろうか。

 どうかそうであって欲しいと切実に願う封兎であった。

 


「………あの、剣ありましたね。はは」



 恐る恐るといった様子で口を開く。

 乾いた笑い声しか出ない自分がなんとも情けない。

 というか笑っている場合ではない。



「……まぁ屋根はいいさ。すぐに直せるしな。それよりも……」



 封兎の心配は杞憂に終わる。

 シリルはそれなりに寛大な人物であった。

 今はもう封兎が感じていた何かも無くなり、表情も元に戻っていた。

 


「今どうやって出した?」


「どうやってって……?んー…強いて言うなら想像(イマジン)?よく分からないけど」


「…なるほど……意志の力(ヴォリューション)、といった所だな」


 

 少しの間があった後、シリルが言う。

 当然のように、封兎の顔に疑問の色が浮かぶ。



「意志の力?」


「そ。意志の力は、魔力に命令するモノ、といえば簡単だな」



 シリル曰く、魔力というのは力そのものであって、意志の力によって初めてそれを使うことができる、ということらしい。

 どちらか片方しかなくても意味は無い。

 魔力と意志の力、その両方あってこそ力を発揮できる。



「じゃあ、今のも魔力と意志の力を使った、ってこと?」


「…いいや、おそらく違うな」


「だったらさっき言った事と矛盾しない?」


「何もそれだけが絶対的なルールとは言ってないだろ?何事にもどこかに抜け道がある。代表的なのが魔具だ」


 

 お前の剣もおそらくそれ、とシリルは言う。

 へー、と気の無い返事をする封兎。

 自分の剣をしげしげと見つめるが、何の変わりの無いように見える。

 この黒くて馬鹿でかいだけの剣がそんな代物だというのはあまり信じられない。

 しかしその馬鹿でかさにある筈の重量がまったく無い、というのが引っかかる。

 何しろまるで棒切れを振り回す感覚なのだから。

 封兎はやはり信じる事にした。 



「魔具には魔力や意思の力が宿っていたりする、という説があるが定かではない。結構珍しいからな、魔具は」


「じゃあこの剣にもなんかあったりするのか?」


「さあな、私にはわからん。まあ使っていく内にわかるだろ」


「…それもそうだな。やることが山積みだ」



 封兎がそう言った瞬間、シリルが何か思いついたような顔をした。

 まるで頭上に電球マークが浮かんばかりだ。



「だったら早いとこ行っておかないとな」


「…どこに?」


「学校に決まってるだろ?魔法全般その他諸々を学ぶ為の」



 そう言い、にやりと笑うシリル。

 その姿はやはり頼もしく見えた。




「修行するんだろ?」

 

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