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第0章 プロローグ

 世界はいつも通り、平凡で面白みに欠けた時間を送っていた。

 とある高校生、猫宮(ねこみや)封兎(ふうと)もまた同じであった。

 

 否、同じであるハズだった。 


 何故こんなことになってしまったのだろうかと、体が落下していくような嫌な感覚の中、猫宮少年は途方に暮れていた。

 理由は、先程告げられた母親の言葉にあった。



『ふーちゃん、実はね、お母さんとお父さんって魔法使いなの』

 

 電波的なことを言われたその時、嬉々としている母親の頭がついに逝ってしまったのかと少年は心配した。

 ちなみにふーちゃんとは、もちろん猫宮少年のことである。


『それでね、ふーちゃんももう16歳だし、そろそろ話してもいいかなと思ったんだけど…』

 

 この時、猫宮少年は激しく嫌な予感がした。


『継いで貰いたいのよね、魔法使い』

 

 少年の予感はまさしく的中。

 まさかーと思いながらも、冷や汗が頬を伝う。

 ちなみに猫宮少年が16年間生きてきた中で、母親がこんな電波的冗談をしたことが無い。

 というよりもそんなことをするセンスがない。

 それが分かっていた少年は、この話が冗談では無いことを理解していた。

  


『だから修行してきてね』

 

 そう言い終わった直後、指を鳴らす。

 その瞬間、猫宮少年を囲うように無数の魔方陣が現れる。

 少年は半ばパニック状態。

 母親は終始ニコニコ笑顔。

 そして一言、頑張ってね、と。

 

 少年にとって、それはあまりにも無常であった。

 永遠に続くと当たり前に思っていたいつもの生活。

 それが粉々散り散りに砕かれた。

 




 


 ―――こうして、猫宮封兎少年の空前絶後の物語は始まりを迎える。



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