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Eaters Eaters  作者: Athla
はじまりは泥棒退治から
6/52

〜鬼教官な案内人と、猫かぶりのおまわりさん〜

「ありがとうございました! 明日、レーグ君と一緒にお越しくださいね!」

元気よく挨拶をするレイジュの横で、ファリナちゃんは可愛らしく手を振っている。

「ごめん。仕事任せて。

もしかして、また遊戯会の服かい?」

「気にしないでよ、兄さん。

えぇ。この時期は稼ぎ時。

シャンレイさん、準備は出来ましたか? 少しお疲れのようですけど。あ、ファリナちゃん、頑張ってましたよ! ご褒美にメイヤーさんからフルーツジュースもらっちゃって!」

「鍛えてるから平気。でも、学院で一夜漬けする奴らが試験中に寝る気が分かった。何、この鬼教官」

「あんなの一回見たら憶えれるだろ! 君が悪い。にしても、フルーツジュースって、貴重だよ。メイヤーさん、なんで?」

「昔の仕事仲間がくれたって。昔は下っぱだったのに、偉くなったって苦笑いしてたわ」

「自分より弱かった奴に追い越されると、複雑だろ。あとシーエ。お前のアタマがどうかしてる。別に悪口じゃねぇよ。さ、行こうぜ。なぁ、何か持つものは?」

「いえ、巻き尺ぐらいです。あと兄さん、記録用紙をお願い」

「持ってきてるよ」

そう言って、少しホコリは被ってるけど大きめのロール紙を掲げて見せると、彼が呆れたような目でこっちみた。

「そんなデカいの、子供の採寸にはいらねぇだろ? 切れよ」

「向こうで切る。行こう。場所、忘れてないよね?」

「モチロンであります、案内人殿。寄り道は?」

却下、と返しながらドアを開けた。



「二人ともよく来たね! うちのお姫さまならこちらさ。あぁ、さっきのお手伝いのお嬢さんと…お兄さんは?」

「シャンレイです。ここの出のギアル先輩には学院で世話になっていまして。ここで事件が起きたそうなので代わりに頼むと。先輩、師範の手伝いを指名されてしまいましたので。可愛い姪っ子と美人な叔母上によろしくと。先ほどは相棒に貴重なものをくださったようで、ありがとうございます」

「あら、そう! こちらこそ、甥が世話になってる。キラキラ泥棒の調査にかー! 都市からご足労なことで」

こいつ、猫かぶるの上手いな! 詐欺師にだけはなるなよ。これで軍属とか、都会は大丈夫かな?

兄妹一緒に入ると、すぐに元気な声が迎えてくれた。

「しーえ! れーじゅ! いらっしゃい! きらきらは?」

「今日はありません、ミリアちゃん! ごめんねー。きれいなお洋服、創りたいからミリアちゃんがどれくらい大きくなったか、レイジュに測らせてくれるかな?」

「むー、まま、たくさんくれるのに!

きれいなふく!! ん、いーよ!」

「ありがとう、いい子さんだねー! 兄さん、入って来たら」「分かってる。そんな趣味はない」

妹を怒らせるなんて趣味は。

二人を見送って、紙を壁に立てかけながら、メイヤーさんの方を見る。

「ん、そーかい。にしても、キレイな髪してるねぇ、ファリナも、シャンレイも!」

「俺も、ですか?」

「あぁ。手入れさえすりゃ。やってやろっか? 昔は会社の部下の面倒、よく見てたから」

「さすが、先輩の血筋ですね! あ、しまった!」

ファリナちゃんの頭に紙についてたホコリが盛大に落とされた。

「お前な、何して! メイヤーさん、すいません!」

「いーよ。そういう話になってたんだ。早いけど、髪、綺麗にさせてくれよ。いいかい、ファリナ?」

その声に、ファリナちゃんは、気のせいかもしれないけど少し嬉しげに首を縦にふった。

二人がお風呂場でのに消えるのを見送って、彼を振り返る。

「わざとだろ」

「バレた? あいつ、お前の考えた通りだ。怪しいよ」

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