彼のうまれと、 伝説のイーター
「ほぅ。 じゃあ嬢ちゃんは都市に住んでるんだ」
シャンさんがメアリさんと楽しげに喋っている。 声も明るいので仲良しの兄妹に見えなくもないけれど。 けれど、 ね?
「あの野郎、 傍目からだとナンパにも見えるねぇ……」
どこか生温く、 冷たい視線 ー主にメイヤーさんのものだー を浴びながらメアリさんが答える。
「はい。 従兄が学院で教官をしていて、 そのツテで。
あの、 ライアットさんは、 何処から来られたんですか?」
何気ない問いに、 少し辛そうに顔を歪めるシャンさん。 たっぷりと間が空けられてからやっと、 答えは絞り出すように返された。
「悪いが、 その呼び方は馴れてなくてな。 コイツらみたいに、 シャンでいい。
東方だよ。大陸の一番東にあるちっぽけな国だ。 同郷のやつらは名前が特徴的だからな、 直ぐ分かるさ」
「そういや、 あんた。 なんでそんな遠い国から来たんだい?」
今更だけど、と言い添えて問いかけるメイヤーさん。
「いろいろあるんだよ。 お前もそうじゃねぇか?
ところで、 昔聞いたことがあるんだが、西には凄まじい燃料を生み出せるイーターがいるって噂。 メアリちゃん、あれ、どうなったんだい?」
最初、 彼は、 どこか寂しげに笑っていた。その顔が気になったけど、噂話に今は興味がむかう。
皆でメアリさんを観ると、少し考え込んでいた彼女は気づいて、照れくさそうに笑った。
「えっと、 その…… もしかして、コア・イーターのことですか?よくご存知なんですね!! 今じゃ、機関者界隈でもあまり語られていないのに。
コア・イーターというのは、 私達、イーターズが造り出されたばかりの頃、 存在していたイーターだそうなんです。 人間にとって邪魔なものと化していた、とある燃料の廃棄物を喰らい、 エミッションとして、無限の燃料を産み出すそうです。今では、生きているのかも怪しいですから、すっかり伝説のようになっているんです」
興味深く話を聞いていると、ドアが鳴った。




