~お遊戯会と、消えた布切れの行方~
「いざ、だいまおうをたおしにいかん!!」
聞こえてくる、 幼いながらも凛とした声が、 メイヤーさんに得意気な笑みを浮かべさせる。
「あぁ、 ミリア!! 可愛い、本当に可憐だよ!! さて、だいまおうサマは上手くやってくれるかねぇ?」
「楽しそうですね、メイヤーさん。 大丈夫だと思いますよ。 わりかし直ぐに、 みんなと馴染んでいましたから、 あの人」
笑って返した僕の目線の先には ……
「ハハッ!! お前らのような小さき者に、 我が倒せるか? 」
見馴れない木製の、 踵が高い靴を履いたシャンさんが、いた。
僕が出した降伏条件。 それは、 村への謝罪として、 直近で一番大きなお祭りである、お遊戯会で皆を笑顔にすること。 そして、 僕らの旅に同行の上、指図した人について証言すること。
彼は、少し驚いた顔をしたけど快諾してくれた。
敵も味方も 笑える世界が創れたら良いなぁ、なんて色々と思い出している間に、 そろそろ終演。
だというのに、 レイン君達の不思議そうな声が耳に飛び込んでくる。
「あれ …… これ、レイジュが探してたぬのきれじゃないか? なんで、こんなところに…… ハッ!! だいまおう、 おまえのシワザかー!!」
「はぁっ!? 違う!! 大体、レイジュって人、俺は知らねぇぞ!?」
演技の一環かと、観ている人から大きな笑い声があがる。
けど僕は、最愛の妹の名前を聴いて、舞台に思いっきり上がっていた。
彼女が寝る間も惜しんで織っていた小さな破片を手に取り、地面を見ると、 落ちていた場所から、点々と繋がっていた。 まるで、誰かが道を間違えないよう、わざと落としていったかのように。
視線に足を、続けさせた。




