〜三人の盗賊と小さな三銃士たち〜
ビート・ウェーバーは途方に暮れていた。 彼の兄貴分が何も言わない故に、皆動けない。 濃霧と雨で何もわからず、自分は粉塵爆発の衝撃波を喰って病気が怖く、あまり役に立たない。
「敵の攻撃もあれから来ていない。どうする?あと、ミスティ。エミッション出すの止めろよ」
「無理よ! キートが危ないんだから! さっきまでカラカラだったのよ !?」
「ミスティさん、僕なら雨も降って来たので大丈夫で ー ー 後ろ !!」
慌てた新入りの声が、最期を告げた。
「どう、れいん!?」
「うまくいった! シャンさんも、ネコに気ぃ取られてる。あいつらは三人まとめて、いちもーだじん、だな、ミリア!」
えへへ、とはしゃぐチビの頭を撫でる。
こいつのエミッション、こえぇなぁ。キラキラした雪みたいなやつ。それに、攻撃とかいろんなものが、ひきつけられる。細かく砕いて、降ってきた雨に紛れ込ませた後、レーグに矢を撃たせまくった。結果、大成功!!
ただ、盗賊のねーちゃんが出してた霧が止まってる。今しかねぇな。
「おまえの邪魔者はいねぇ!!
やっちまえ、レーグ!!」
大地が、揺れた。




