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Eaters Eaters  作者: Athla
衝撃の事実と、初陣
29/52

〜詐欺師にだけはしたくないネコの演説と、聖日〜

「ま、演説ネタのある日に攻め込んで来てくれたのは、ありがたいこった。」

ぼやきながら、広場を見る黒猫が一人。

なんかあったっけ?こいつ、なんでか旧世界のこと、詳しいんだよなぁ。

格好は見慣れない軍服。赤は変わらず、生地が上等になっただけなのに、雰囲気変わるんだ。ただ、首の辺りがすごい窮屈ですって顔に出てる。そこは、この友人らしくて、少し笑えた。

少し、観劇と洒落込んでみようかな。


「えー、この度は集まりいただきありがとうございます。・・・って、やっぱこの口調慣れないな。普通に戻していい?

誰だよ、笑ったの!?あー、レーグの親父さんかぁ!んー、前の小物の整理、ボランティアじゃなくて有料で!」

また、笑い声が響いた。おーい、君の役目は士気を上げることだよ?

「さて、笑える時間は終わり。

今回集まってもらったのは、あなた方の、リイン村に、山賊が下から襲いに来るらしい。上の山から来ないのは、まぁ、色々の山賊事情があるんだろ。

で、今回、俺らは手伝わない。

村の人達だけに退治してもらう。」

ざわざわ、ガタガタ。揺れる群れ。

「確かに、俺たちがするなら、あんたらは安全だ。今だけな。

俺とファリナ、アズサ先輩はとてもよくしてもらっている。でも、所詮は余所者だ。ずっといる訳じゃない。分かるか?

ここじゃ一番の戦力になるだろう軍師と付加師の兄妹も、女用心棒も、雪が解けたら、外に出ていく。帰ってくる保証はないさ。何事にも、絶対はない。だろ?

だから、アズサが鍛えた。

正直、都市の出入り検査官、都市内でも雑魚レベルになればまぁいいと思ってたんだが、すいません。見くびってました。

貴方達は、とても強くなった。俺らでも、都市軍術学院首席と十番代でも、総出になって攻め込まれたら、持ちこたえられるか怪しい。


今日は、旧世界じゃ聖日だ。あるお偉いさんが若い兵士の恋人づくりを禁止したご時世に、逆にそれを奨励した人が始まりだって言われてる。

俺さ、その人すごいってか正しいと思う。

だってさ、恋人だったり、家族だったり、守るやついた方が士気上がるに決まってるし。

男の中には、若いしか取り柄ない奴もいるんだから。 はいはい、俺がその筆頭でいいよ。

あんたら、守るやつが真後ろにいるんだよ。だから、誰よりも強い。

山賊くらい蹴散らせるよなぁ!?」


彼の煽りに、人々が大歓声で応える。

やれやれ、大した詐欺師だよ。






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