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Eaters Eaters  作者: Athla
訓練と、忘れかけていたことって実は大事なこと
21/52

〜忘れかけていた代償〜

「あ、メイヤーさん。いらっしゃいませ。どうですか、兄さんの方は?

なんで、メイヤーさんがおぶられているんです?!

何かしたのね、ぐったりして!!

申し訳ありません、メイヤーさん!

うちの愚兄は、煮焼きはダメですけど、お仕置きくらいなら … いえ、やっぱり、いっそ制限無しでお気の済む迄、存分にどうぞ」

「落ち着きなって。本当あんたはシーエが何かやらかすと、そう過激に走るねぇ。

リンク酔いだ。地図作成は今まで見たことないくらい詳細だったよ。もっとも、よく知ってるこの村だからってのもあるだろうが。頭痛が酷いらしい」

「薬とかウチには無いですよ。

アズサ、ごめん!頭痛に効くもの何かない?」


二階に向かって叫ぶと、すぐに紅茶色が降りてくる。


「どうした?あぁ、シーエが頭痛か。

私にリンクしたんだ。大概あの後、軽い頭痛が残るんだがそれが無くて。

肩代わりが行われたんだな。それか、体質か。もし前者なら、し ー ー あの方も酷というか、イタズラ好きは変わらずと言うか。後者なら、慣らすしかないぞ。

で、すまない。私の食い物のせいで、うちの部隊は不調と疲れ知らずでな。荷物もかさばるから、薬は持っていかないんだ。

私がそちらも喰えればいいんだが、ダメでな」

「そっか … アズサは悪くないよ。良いことだと思う。疲れてるのにごめん」

「いいさ。頼ってくれて嬉しかった」

「あんたら、ホントいい友達になったねぇ。

それは喜ばしいけど、どうするんだい?」


少女二人が、すぐに目をあちこちにやると、昼寝をしてきた猫が窓から入ってきた。

「ん〜、何だよ、井戸端会議ってやつ?

うわっ、シーエ倒れてんじゃん!?

おいおい、アズサ。お前さ、こいつに厳しすぎね?」

「はぁっ?! 貴様、本当にバカだな! シーエは酷い頭痛で倒れてるだけだ! 大体、昼間のことも説明したぞ! もう忘れたか?」

「忘れてないし! からかっただけだし!

冗談分かんないセンパイこそ、「シャンレイ。それ以上言うなら、本気を出させてもらおうかねぇ?」すいません。

でもさ! 異議あり! アズサ、シーエに甘いんだって! 俺だったら、昼寝で5発くらうぞ?」

「さっき自分が言ったこと、忘れたか?

他の奴にはシーエと同じようにしている。お前は特別だ」

「え?」

「遅刻魔サボり魔、授業出ても寝るばかりのグータラ猫だからな!」

「期待した俺がバカでした!

んでさ、頭痛ならヤナギが効くぜ。ウサギに頼んどいたから、そろそろ来るんじゃね?」

「シャンレイさん、ありがとうございます!! お礼「しなくていいぞ、レイジュ。こいつのカンと悪運は異常だ。

それより、ファリナを見に行かないか? 上で寝ている。可愛いぞ」

「あ、じゃあ、兄さんをお願いします」


「持ってきたわよ!」

「ありがとな! 代はこれでいいんだろ?

メイヤーさん。砕いて水に溶かしてくれません?」

「もうやってる。しかし、ヤナギは何かしら副作用があったんじゃないかい?」

「あー、やっぱりですか。俺、何か忘れちゃって。覚えてます?」

「いや。使ったのは何年も前だからね。ま、この頭痛をどうにかする方が先だろ」

そう言い、銀色が薬草水を飲ませて部屋を出ていく。


いつもなら広いベッドを占領する居候は、床に寝そべった。


そして、翌日。

「痛い痛い痛い痛い痛い!」

「え、あっれ、おかしいなぁ?

頭痛薬ってアレだと思ったのに」

「頭痛は引、いたい! 胃! 」

「胃 … あぁ! 思い出した!!」

「おはよう、兄さん、調子は?

どうされたんです、シャンレイさん?」

「おはよ。シーエは頭は平気だけど、胃がやばいって。

忘れてた。昔の【かがくやくひん】でヤナギは頭痛薬だけど、胃も痛くするから、胃薬と混ぜたんだって。」

「てことは、他の薬にもあるんですね、いいところと悪いところが」

「薬だけじゃない。世界中のものがだ。

ま、シーエ。お前、それで死ぬわけじゃないだろ?」

まぁ、そこまでじゃない、たぶん。

どうにかして頷くと、半分潤む視界の中で、いい顔をした彼は、爆弾を落とした。

「ん。じゃあ、そのまま放置な! 寝ときゃ治る!」


結果として店での僕担当のスペースは、一週間、休みになりました。



その間、お見舞いが来てちょっと得したかも、なんて嬉しく思ってしまったのは、秘密だよ。

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