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ピエール瀧氏へ想いを馳せて

 先日、ピエール瀧氏が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。その際、氏が出演していた映画やドラマなどの映像作品の販売が停止となった。また、氏が所属する「電気グルーヴ」の音楽作品の販売も自主停止となった。

 このように、芸能人が不祥事を起こすと、その人が作った作品を回収することが行われる。いわゆる自粛というものだ。それはあたかも、世間の汚点を拭い去るかのようだ。それに対して、私は疑問に思う。何故そこまでする必要があるのか、と。

 先述した行為がもたらすものは、つまるところ人間否定に繋がるのではないか。

 芸術作品というものには作り手の思いが込められている。それはまさに、作り手の生きた痕跡と言ってもいいほどにだ。込められる思いが強ければ強いほど、それを受け取った人の心は大きく動かされる。現に、「電気グルーヴ」には多くのファンが存在する。電気グルーヴの作品が回収される件に対して、六万人を超える人が反対の署名を募ったという。それだけ、電気グルーヴの音楽には力があるのだ。

 それにも関わらず、彼らの音楽を世間から無くしてしまおうとするのは如何なものか。

 確かに犯罪を犯した人の作ったものに対して嫌悪感を抱く人もいるだろう。中には非合法の薬物に強い恨みを持つ人だっているかもしれない。しかし、その作品は作り手の生きた痕跡なのだ。それを否定することは作り手自身を否定することに等しい。その権利が一体誰にあるというのか。

 「電気グルーヴ」に所属する石野卓球氏は、ツイッターにて「早く瀧に会いたいなー」と呟いている。また、それ以外の投稿からも窺えるように、石野氏はピエール氏の罪を咎めることなく、むしろ寛容に受け入れようとしている。一連のツイートを見たピエール氏は、石野氏へ感謝の言葉を告げたという。ここから二人の強い絆が垣間見えるだろう。この二人の友情に水を差すことは無粋ではないだろうか。

 願わくば、ピエール氏が自らの罪を清算して、再び「電気グルーヴ」の活動や自身の俳優活動を行なっていってほしい。一度の過ちによって、その人の生きた痕跡が消されてしまうのはあまりにも悲しいことだから。

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