表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
noctiluca。(ノクティルカ)  作者: 音羽
夢見るカラクリ。
14/19

14




「……って感じでさー、結構みんな頑張ってくれたんだよね。」


翔馬は照れながら、その手に握り締められた色とりどりの折り鶴からなる千羽のお守りを父親の前に差し出した。

「先生たちも、その、協力?してくれたから、割と早く出来たってのも、あるけど。」


「ああ…うん、ありがとな。ありがとう。」


 父親は驚き、そして眉を下げて翔馬の頭を撫でた。

本来なら水曜日のこの時間、一旦仕事から帰って早めの夕食を食べた後に見舞いに行くというのが父親の習慣になっているのを翔馬は知っていた。

そこで、部屋へ一瞬引っ込みサプラーイズ!!とばかりに翔馬は千羽鶴をワサワサ言わせながら登場したのだ。


しかし、父親の反応は想像していたものと随分違っている。


「あー、えっと…」


 感激屋で、涙もろい父のこと、号泣して飛びついてくるかと思ったのに。

身構えていた分、肩透かしを食らって翔馬は困惑した。

むしろ、迷惑そうにも見える表情に気持ちが萎んでいく。


「何か…あ、こういうのって、持ってっちゃいけない病室だった?」


翔馬は思いついて言った。

何かのドラマで、ビニールハウスのような部屋の中は消毒済みのものしか持ち込み禁止とかいうのを聞いた気がする。


「いや、そういうわけじゃない……けど…」


父親は、翔馬と千羽鶴、そしてちらりとクロームの顔を見て決心したように頷いた。



「うん、行こう。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ