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科学の極み! (連載版)  作者: 芝高ゆかや
5章 閑話休題 とあるVRMMOプレイヤーの話 ―オレがやりたかったVRMMOとなんか違う―
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40 南の島

 転送ゲートを潜り抜けると、サラサラの砂丘が広がっていた。砂丘を上りきったところ、眼下にオアシスが広がっている。そのオアシスを3重に円を描いて囲うように簡易的な木製の小屋が連なっており、その間の大通りには人がごった返していた。まるで蚤の市の様相だ。


「あそこにある店は、プレイヤー達が自分で育てた農作物や苗とかを自由に売ってるフリーマーケットです」


 運営さんが指で指し示しながらオレに説明してくれた。


「このゲームで一番にぎわっている場所だよ」


 そう言いながら、諷ちゃんはオレ達を置いて勢いよくズザザザーっと砂丘を滑るように下りて行った。


「みんなぁー! 早くしないと砂嵐が来ちゃうよ?」


「そうだった! スイさん、流されるとやっかいなのでサクッと行きましょう」


 諷ちゃんの忠告を聞き、運営さんが婆ちゃんとオレの手を掴むと一気に砂丘を駆け下りた。


「うおぉっ!」


 急に手を引かれたのでバランスを崩しそうになったが、慌てて途中で体勢を立て直す。スゴイ勢いで砂丘を下りたため、途中で止まることなく諷ちゃんの横を運営さんに引きずられるようにしてオレ達3人は通り過ぎ、オアシスの入口まで駆けて行った。


「はぁ……砂嵐に巻き込まれなくて良かったです。巻き込まれたら背負子ジェットで戻るしかないので……」


 入口で立ち止まり、小休憩をとる。運営さんが息を切らしながら説明してくれた。


「スイ兄! 莉朶センパイも! 置いてかないでよー」


 後から追いついた諷ちゃんがムッとした表情で文句を言いながら、駆けてきた。


「ごめんね、スイさん巻き込まれたらヤバイから」


「確かにマズイね」


 2人が頷く。


「対策とか、なんか良い方法あります?」


「ないです、流されたら砂嵐がやむのを待ってから歩いて戻るしかないので、流されてしまうと元の場所に戻るまでにかなり時間がかかります」


 つまり転送ゲートからオアシスの入口までの間に砂嵐に巻き込まれないように注意するしかないってことか、覚えておこう。


「さてと、情報収集いきますか!」


 運営さんの言葉に全員が頷き、店が連なる方へ歩き出した。


*****


 効率よく情報収集するため、オレ達4人は二手に別れた。そして、オレは諷ちゃんと内側の大通りを中心に歩くことになった。

 店を見て回るのは面白い。大通りで他のプレイヤーが話している話題を拾って情報収集するはずが、店で売られている商品にどうしても目がいってしまう。店にはプレイヤー達が思い思いの商品を売っていて、中にはこんなもの本当に売れるのか?と思うようなものまで置いてある。牙の生えた獰猛な食虫植物なんて誰が買うんだよ……と心の中でツッコミを入れるが、もしかしてあの巨大害虫を食べてくれるかもしれないと、すぐに思い直して立ち止まり、いつの間にか真剣に購入の検討をしている自分がいた。


「スイ兄! 売り物に気をとられないで、ちゃんと情報収集して」


 諷ちゃんに注意を受ける始末である。

 諷ちゃんに引っ張られてその店から離れようとしたそのとき――


「そういえばさー、1時間前にデカモスラが飛んでたから空中戦で退治したんだ」


「マジか? いいなぁ、どこに出た?」


「んー、星型ナタデココの木がある島だよ」


「あそこかぁ」


 隣の店でプレイヤー達が巨大害虫の話をしている。


「俺も早く背負子型ジェットで空中戦試してみたいなぁ……そういやぁ、昨日もその隣の島でデカモスラ見かけたって誰かが言ってたから、あの付近の島で張ってれば遭遇する可能性高いんじゃないのか?」


「そうかもな」


 会話を聞き、諷ちゃんがオレに目配せをしてその場から離れた。


「莉朶センパイとそろそろ合流しようかな」


 諷ちゃんとオレは、二手に別れる前に決めた待ち合わせ場所であるオアシスへと向かった。


*****


 オアシスの待ち合わせ場所には、既に運営さんと婆ちゃんがいて、ホログラムの地図を地面に広げて何やら話していた。おそらく情報収集した害虫の出没ポイントについて話しているのだろう。


「ここの島までは3つで……そう来る?」


 オレ達が近くにいることに気づかず、運営さんは真剣に自分達に見立てていると思われる赤と青のポインターを地図上の島にプロットしていた。

 なるほど、複数の経路を想定して議論しているのか……婆ちゃんといえども、VRMMOのNPCだ。シュミレーションもできるぐらいに高性能に違いない。


「あ! いーな、アタシも遊びたーい!」


 諷ちゃんが地図を見るなり、片手を高らかにあげた。


「まだダメだよ……こっちの陣地2つしか取れてない。今、真剣勝負のいいところなんだから」


 ……ん? 勝負?


 気づけば、オレは運営さんと諷ちゃんの頭にチョップをかましていた。


「お・ま・え・ら、仕事しろぉー!!」


「スイ兄! なんでアタシまでっ!? ゲームで遊んでたのはセンパイだよ?」


「遊ぼうとしてただろ? 同罪だ!」


 諷ちゃんが涙目で頭をおさえながらオレに抗議したが、サラリと返したオレの答えに黙りこんだ。


「うぅ……残念です」


 運営さんが名残惜しそうにコンパスとポインターを片付けた。


「ほら、サッサと害虫の目撃情報をプロットするぞ」


「「はーい」」


 オレの言葉に二人が頷いた。


*****


 4人で集めた目撃情報をもとに、場所を地図にプロットしながら目撃時間も書き込んでいった。すると、ゲーム内で早朝にあたる時間帯に南の島の周辺に向かって巨大モスラが飛行していることがわかった。念のため、現在発生している害虫がどういう種類かを確認しておく必要があるため、オレ達4人は現地に向かうことになった。現地に行けば、デカイから蛾の種類は地上からでも簡単に確認することができるだろう。


「……で、今度はどんな農作物を供えるんだ?」


 最初に転送ゲートを開いたときは驚いたが、2回目はもう驚かない。そう思っていた。

 ガサゴソと諷ちゃんがリュックから、再び木箱を取り出した。


「南の島といえば、これでしょ!」


 木箱のフタを開けたとたん、異様な臭いがする。オレは思わず口と鼻を両手で覆った。


「センパイ、急いで! このままだと死者が出るっ!!」


 運営さんが鼻をつまみながら、いかにも嫌そうな顔でフタを開けた木箱を片手で持ち、転送ゲートの祭壇に木箱をひっくり返した。メロンのときより明らかに扱いが雑だ。


「早く! ゲート開けぇー!!」


 早くも運営さんは死にそうになっている。

 祭壇には、サイズは小さくてかわいらしいが、毒々しい赤に白のまだら模様のきれいに開花した花が転がっていた。


 ……ラフレシア

 これは農作物なのか?


 転送ゲートが開きかけたと同時に、臭いに耐え切れず、オレ達4人は滑り込むように駆けて行った。

 転送ゲートを出ると、そこは椰子の木々が周りに生えている場所だった。向こうには白い砂浜とエメラルドグリーンの海が広がっている。リアルで、オレは一度もそういう場所に行ったことがないので新鮮だった。

 オレはコンパクトミラーの形状をしたものをポケットから出した。運営さんから渡されたアイテムだ。鏡面に手をかざすと、さきほど害虫の目撃情報をプロットしたホログラムの地図が目の前に表示された。オレ達が今いる場所を確認すると、運営さんと諷ちゃんもオレの両隣から覗き込んだ。


「うん、いい感じのポイントに出たね」


「ああ、そうだな」


 諷ちゃんの言葉にオレがうなずくと、運営さんが地図上のオレ達のいる場所を示したポイントの隣りを指す。


「巨大モスラの飛行ルートの集中地点は、この隣りの島になってますね」


「……ん? この島の色、なんで他の島と違う色なんだ?」


 運営さんが指で指している島を見て、疑問を口にした。


「ここはプレイヤーさん専用ホームエリアの島だからですね……他は共通エリアになってます」


「プレイヤーの専用ホームエリアに向かって巨大モスラが集まっているのか」


「そういえば、スイ兄のホームエリアもアブラムシに襲われていたよね?」


 諷ちゃんが思い出してそう呟いた言葉に、オレが頷いた。


「ああ、ログインした初日にな」


「襲われるプレイヤーエリアの共通点って何ですかね?」


 運営さんが、眉間にしわを寄せて腕を組みながら考え込んだ。


「……さぁ? とりあえずプレイヤーのホームエリアに行ってみるか?」


 ここで考えても仕方ないので、そう提案してみるが、諷ちゃんが渋る。


「うーん、行けるかな? プレイヤーによっては、他のプレイヤーが入れないようにブロックしてるかもしれないから」


「あーあ、こういうとき開発用インターフェースが使えないのはイタイなぁ……」


 運営さんがぼやきながら頭を抱えた。


「そのプレイヤーとは接触できないのか? この島の周辺にいれば会えそうな気がするけど」


 その島をホームエリアとしているプレイヤーと接触さえできれば、現場に入ることができるはずだ。


「偶然を装って接触ってことですか?」


「たまたまアタシ達3人とNPCが同時にこの辺で迷子になって、たまたま3人とNPCがその島の周辺を漂い、たまたま会ったプレイヤーに救助を求める……ってムリがない? なんか警戒されそうだけど」


「うん、かなりムリがあるな」


 諷ちゃんの指摘に素直に頷くと、オレ達3人はニコニコしている婆ちゃんに視線をやり、黙り込んだ。NPCが迷子とか、ありえない。


「はぁ……他の方法を考えよう、まだ早朝までには時間がある」


 ゲーム内ではリアルよりも短時間で昼夜が訪れる。もう夕暮れになっているので、隣りの島に行くにしても、初めて行く場所に夜中に海を渡ると方向を見失う可能性が高い。今から行動するには遅い。2時間ほど待っていれば夜明けがくるので、オレ達は隣りの島に入る他の方法を検討することにした。


*****


 夜が訪れ、焚き火を囲んで茶を飲みながら話し合った。その結果、とりあえず運営さん1人だけが隣の島に行き、オレと諷ちゃんと婆ちゃんは、隣の島の上陸ポイントのちょうど向かいにて待機しながら、巨大モスラの観察に専念することになった。


 「そろそろ日の出の時間だよ?」


 諷ちゃんが、VRMMO専用の時計を確認した。


「じゃあ、打ち合わせ通りに……」


 オレの言葉にみんなが頷き、隣の島の上陸ポイントが見える位置へと移動した。


「では、行ってきまーす!」


 運営さんが背負子ジェットをセットし、キュイーンとジェット音を響かせた。


「センパイ! 警戒されないように、あくまでも自然に……かつ、偶然を装ってくださいね? このプレイヤーさん、3日前に始めたばかりでアタシ達と面識ないんですから」


 諷ちゃんが心配そうだ。そんなに不安なら諷ちゃんが行けばいいと思うのだが、「ズバズバと物事を初対面のヒトにも遠慮なく言ってしまうから、アタシには向かない」と辞退した。まぁ、ヒトには向き不向きがあるから、こればかりは仕方ない。


「うん、わかってますよ! そっちは任せたからヨロシクね?」


 運営さんはニッコリ微笑むと、海に向かってダッシュし、勢いよく地面を蹴り上げて、空を飛んで行った。


「スイさん、あっちから何か来とるねぇ……」


 運営さんを見送って間もなく、婆ちゃんが巨大モスラの襲来を教えてくれた。その言葉を聞くと、諷ちゃんも背負子ジェットを装着し始める。


「スイ兄が、モスラの形態を確認後、アタシが対象を抹殺する……ってことでオーケー?」


「あぁ、頼む」


 諷ちゃんの確認に頷いた。


「もうすぐ来なさるよ」


 婆ちゃんが指し示す方向に目を向けた。バサバサと羽音が近づいてくる。諷ちゃんがチャキっと両手に鎌を持って構えた。オレは少しでも距離を稼ぐため、目を凝らして空を見つめた。


「複数の品種が混ざってるな……」


 形態から次々と蛾の種類を確定していく。


「……オーケー、全部、雄だ! いいぞ、諷ちゃん」


 オレがゴーサインを出したその時―――


「たすけてっ!!」


 ショートカットの髪型、あどけない顔の可愛らしい女の子が、涙目で椰子の木々の方からこちらに駆けてきた。

 女の子がオレ達の前までやってきたので、目線を合わせるため膝をついた。女の子が少しホッとした様子で悲壮感漂う表情を和らげた。


「あの……ワタシ、あの島がホームになってるんですけど……このゲーム、こんなに怖いとは思わなくて……初めてログインした日は……大丈夫だったのに……朝になると」


 相当、怖かったらしく、言葉が途切れ途切れだ。


「あぁ、あの巨大モスラの大群が朝になると君のホームに来ちゃうんだね?」


 オレが言いたいことを要約すると、女の子が頷いた。


「来ないときもあるんですけど、来るときが多いです……」


 おそらく「来ないとき」というのは、他のプレイヤーが飛来ルートの途中で抹殺してるからだ。


「スイ兄……このままだと、あの島が荒らされちゃうから、とりあえず行ってくるね? センパイは入れ違いになっちゃったけど、後回しってことで!」


「あぁ、そうだな」


 オレは頷くと、諷ちゃんはジェットを起動し、空中に舞い上がった。


「あの……お姉さんはどこに?」


「あれを退治するためだよ?」


 椰子の森の真上を飛んでいる巨大モスラを指した。女の子が青ざめて固まっている。


「とりあえず、ここにいれば大丈夫だよ」


 オレは、「安心していい」と女の子の頭にポンと手をおくと、立ち上がった。


「さてと、運営さんを呼び戻すか……」


 オレは再びホログラムの地図を広げ、隣の島を旋回中の運営さんの位置を示すスポットにポインターを重ね、通信で一足先にこちらで接触したことを伝えた。

 運営さんは戻ってくるなり、「(ふう)の援護に行きます!」と椰子の森へと向かおうとした。


「運営さん! あいつらの飛び方、渡り蝶の『アサギマダラ』と似てる。今、気流を使って旋回してるから、それを利用して向かい風の方向から一気にかたをつけるといい」


 オレが咄嗟に駆けていこうとする運営さんの背中に向かって言うと、オレの方を一瞬振り向き、「了解!」と手を軽く振った。地面を蹴り上げ、再び空を飛ぶ。


「あ、スイさん! 私のこと、莉朶(りた)って呼んでくださいね?」


 オレ達の頭上をグルッと一周しながら、そう言って、オレの返事を待たずに旋回中の巨大モスラ達の上空へと飛んでいった。

 そういえばそうだった。今は運営ではなくプレイヤーとしてログインしている。チラッと横にいる女の子を見たが気にしていないようだった。おそらく仲間内でプレイヤー名とは別にそう呼ばれてると思ったのかもしれない。


 莉朶さんは、鎖のついた鎌とジェットの推進力を使って、旋回中の巨大モスラの大群を一気に切り裂いて霧散させていく。一匹ずつ倒していた諷ちゃんと合流したようだ。


「すごい……、いなくなっちゃった」


 さっきまで不安そうだった女の子が、莉朶さんの無双プレイに驚きの声をあげた。


「とりあえず、次の朝まではこれで大丈夫だ」


「……そうですね。やっぱり、また来ちゃうのかなぁ?」


 一瞬、安堵したようだったが、すぐに女の子は落ち込んだ。


「わからないけど、そうなる可能性は高い。そうなる原因に心当たりはある?」


 オレの言葉に首を横に振って押し黙ってしまった。ヒントになりそうな情報はないようだ。


「……良かったら、オレ達で調べようか?」


「いいですかっ!? ありがとうございます……あの、ワタシ、アオイです」 


 女の子のプレイヤー名がわかったところで、オレは婆ちゃんに他のプレイヤーのホームに入る方法を聞いた。やはり、アオイちゃんは他のプレイヤーが入れないようにブロックしていたようで、そういうエリアに入るためには自分のホームエリアの刻印があるメダルを交換する必要があると説明を受けた。


「それで、スイさんの刻印はどうするかね?」


 婆ちゃんに聞かれ、なんのことか分からずにいると、アオイちゃんがフォローしてくれた。


「自分のマークをデザインするんです。ワタシは、これです。」


 アオイちゃんが、ポケットから取り出し、薔薇と星が刻印されたメダルを見せてくれた。


「へぇ……もうアオイちゃんは、メダル持ってるんだ」


 メダルを手に取り、眺めるとアオイちゃんの手にメダルを返した。


「はい、まだ誰とも交換してないんですけどね……あの島から出るときに、セバスチャンに言われて作りました」


「……セバスチャンとは?」


「ワタシのNPCにつけた名前です」


「そっか」


 ツッコミを入れたい衝動を抑え、ここはサラッと流すことにした。今やるべきことは、自分のメダルのデザインを考えることだ。


「婆ちゃん、メダルを作る」


「はいな」


 婆ちゃんが懐紙と筆ペンを取り出した。


「なぜ、筆ペン?」


 婆ちゃんの方を見たが、ニコニコした表情で何も言わない。

 オレはため息をつきながら、頭をかき、砂浜に座りこんで懐紙に考えたデザインを描いた。


「じゃあ、これで」


 オレは、筆ペンとメダルのデザインを描いた懐紙を婆ちゃんに渡した。


「はいな、ちょっと待っときーな」


 婆ちゃんは、オレが描いた懐紙を宙に投げると、筆ペンでサラサラと光のような速さで、その上から字を書く。

 「メダル召喚!」と達筆な字で書かれているのが一瞬見え、ポンッという小さな爆発音がした後、オレがデザインしたメダルが現れた。


「スイさん、できたよ」


 婆ちゃんに、メダルを手に取るよう促された。

 宙に浮かんでいるメダルを手に取り、じっくり眺める。

 二重丸の中に『粋』と刻印されている。自分でデザインしたものが、こういう形になるのは嬉しい。


「スイさん……」


「あぁ、ごめん! メダルの交換だよね?」


 アオイちゃんとメダルを交換したところで、諷ちゃんと莉朶さんが戻ってきた。


「あぁーっ! いーなっ、アタシもメダル交換したい!!」


 着地するなり、諷ちゃんが声をあげた。


「私もお願いします」


 背負子ジェットを片付けながら、莉朶さんも便乗する。


「はい! ぜひっ!!」


 アオイちゃんは、子どもらしい笑顔を浮かべた。


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