インフルエンザと山崎
友人初登場!
「うぇっ……げほっごほっ」
「「ゆっきー大丈夫!?」」
「大丈夫だ、から……二人して叫ぶな……
頭に響くっ……」
突然だが、現在俺はインフルエンザで寝込んでいる。
頭と関節は痛いし
体はだるいし
熱はあるしで、散々だ。
「……こんだけ騒いでたら、お前の両親に気づかれそうなもんだけど……」
と、黙って様子を見ていたリセットンが口を開いた。
……そういえば、精霊って風邪引くんだろうか。伝染らなきゃいいけど。
「母さんと父さんは……けほっ、デート行くって出てった……」
「……なんというか、自由な親だな」
本当にな。
寝込んでる一人息子置いてデート行くか?普通。
あのバカ夫婦。
……駄目だ、頭痛い。
「……寝よう」
「私が添い寝してあげよっか?」
「いい。大人しくしてろよ……頼むから」
俺は溜息交じりに言って、目を閉じた。
流石に、リセットンもファブもリーブも
いつもよりは騒がしくなくて
非常に助かる。
急激に襲ってきた眠気に意識を委ね
本格的に眠ろうとしたーーーー
その時。
ぱたん。
「ゆっきー、大丈夫かー」
唐突に開いたドア。
顔を出した友人、山崎龍太郎と目が合って。
時間が止まったかのような錯覚を覚える。
だって、今、この部屋には
イケメン(顔だけは良い)
美少年(同じく)
美少女(以下同文)
が、居座っているのだから。
めんどくさい事情を知らない奴なら
誰だってこう思うだろう。
『あ、なんかヤバイ』と。
その証拠に、俺の友人山崎は
「失礼しましたあああああああ!!」
勢いよくドアを閉めて、逃げ出した。
……って、言ってる場合じゃねぇ!
「ちょっと待て!変な誤解すんな、!っげほげほ、ごほ」
「……大丈夫かお前」
「ちょ、誰か、あいつ止めて来い、殴っていいから、」
「わかった」
うぅ、喉痛い。
叫んだせいで、咳が止まらない。
ごほごほと盛大にむせ返っていると
ファブが俺の背中をさすってくれて
リセットンは山崎を仕留めに行ってくれた。
心配そうに覗き込むリーブの顔も見える。
……なんか、少しだけ、精霊に愛着がわいた瞬間だった。