その8 初陣
前回を振り返る
「死、死にそうだ!」
「うおわぁ!?」
出口に入った瞬間、不思議な力によって上へと引っ張られた。
「ってことは~?」
「「「だっしゅつ~!!!」」」
「おわった~つかれた~」
「「「!!!???」」」
「あ」
「真理が敬語使ってないの初めて見た・・・」
「すみません。思わず素になってしまいました」
「いや、別に悪い訳じゃないけどさぁ・・・」
「たしかに。でも確かに俺も初めて聞いた」
「皆さんの前ではどうしてもこうなるんですよ。実際家とかでは素で話してますし」
「ってかのんびり系だったんだ・・・」
「いや、もう素でもいいじゃん?」
「気が抜けない限り無理です」
「「「やれやれ」」」
「おおぅ!無事に戻ってこれたか!いやーよかったよかった!」
「それにしてもボスのランクが明らかに違いすぎるんですが・・・?」
「そ、そりゃあ、もう、サービスの一環に決まってるじゃん!?」
「はいそうーですか」
「さ、練習は以上じゃ!死なないようにがんばれよ~!」
「「縁起悪っ!」」
かくして、俺らは村へ戻った。せめて盗賊が来る前にアレを手に入れないとな。
「ところでさぁ、レベルどれくらい上がったかなぁ?」
「知らん」
「わかるとでも?」
「え~っと、スライムとゴブリンが・・・」
「計算しなくていいから!」
村に倉庫は数カ所しかなく、ゲームの記憶をたよりに怪しいところからつぶしていった。
「そういえばこの倉庫さ、最初から村の中に目立つようにあるのに何もなかったよな~」
というのも、村長の居る場所の近くにある高床倉庫だった。
確実に目に着くが、調べても何もなかったのである。
「よし、あけよう」
そして、扉を開けるとーーー
中には宝箱型の石が入っていた。
「いかにも怪しい雰囲気放ってんじゃん」
「あ、紙切れ置いてあるよ~」
「とりあえず触れる前に読んでおこう」
目線の高さにある紙切れを手に取って読み始めた。
『見つけれたおぬしらにプレゼント!
なんとこの石、通称「ミミックストーン」というもので
これを敵に向かって高く掲げると持ち主のの認識で敵だと思うものを
眼前から消し去っちゃいます☆すこいでしょ~
さらにさらに!これに触れた者が・・・
そしてスキルも揚げちゃいます☆
ただし、この石を使うことができるのはたった3回までなので
使用するタイミングをよくよく考えること!
以上、ログヌでした~』
(((すっごいこのテンションむかつく・・・)))
(相変わらずこの変わり様むかつく・・・揚げるって何?)
「と、とりあえずオレから触れるぞ?いい?」
3人は首肯した。そして触れた瞬間ーー
「? 何か変わったのか?」
とくにわからなかった。
後ろを振り返るとさっきと同じく3人が居るが、
「うおっ!レベルが表示されている!」
「えっ!?マジで!?俺何レベル!?」
「めんどくさいから言いたくねぇ」
「ひでぇなおい。まぁいっか。俺も」
と次は虎次が触れた。虎次が俺を見て言う。
「おまえ・・・レベル上がりすぎじゃね?ってかゲームと同じレベルじゃん?」
「! 石に触れた瞬間にレベルが上がっただと・・・?」
「は?何言ってんだ?ん?にしても叶野と夢路のレベル低すぎね?」
「あれ?ホントになんも起こんなかった気がする」
美羽が石に触れると一桁だったレベルが二桁へと変化した。
「本当にレベル上がったんだな・・・」
「だろ?」
「なるほど、プレゼントってゲームと同じレベルにされることと情報確認のスキルがもらえることだったのか」
今視界に映っている情報は名前だけにしてある。多少変えることはできるようだ。
「すげぇな最初の方でこのレベルってさぁ・・・」
「うん。そこに居る強そうな村人ですら15だよ?」
リューガ LV68 ミウ LV65 トラジ LV67 マリ LV70
「あ〜・・・ストーリー進めたい」
「経験値稼ぎの必要性がないっていう」
「あ、スキルレベルが上がってないようです」
「「はぁ!?」」
「嘘だろ・・・めんどくせぇ通り越してもうだるい・・・」
「あ、金入れる感じの袋4つ置いてあるよ〜」
「ここで手に入れられるなんてなぁ」
「金額結構あんじゃん。これもだいたいゲームと同じくらい?」
「そこまで覚えている訳あるか!」
「ちょうど良かった〜着替えとか買いたかったんだよね〜」
「旅道具とかもそろえておきたいし、いいか。よし、イベントがやってくるまで買い物ということで」
「「「おー」」」
そんなことで着替えを行い、それぞれ動きやすい服装となった。
こんな町でそろえれる装備など大した物はないが、それでも十分ましだろう。
そして何より怪しまれないようにいかにもという冒険者パーティーの服装だった。鎧などではなく布の服などではあるが。
さて、迎撃準備万端だ。
「オレが思うに、如何に防御力が高くても急所系を攻撃されたら流石にダメージは大きいと思う。だからそこは絶対に守るように」
「ところで防御ってどう宿ってんだかわからんのだが?」
「オレも知らん」
「攻撃喰らったらわかると思いますよ」
「嫌だなぁ切り傷とか長引くじゃん」
そして話している間に叫び声が響いた。
「おらぁぁぁぁ!!!!!ここにある財宝とか全部出しやがれぇぇ!!!」
「あ、おでましだ」
「さくっと倒しに行こーよ」
「実験開始だ・・・」
「高嶺君?何故にやついてるんですか?」
「え?あ、ああ。ちょっとうれしかったから?」
「リョーガは時々意味わかんないからそこ無視していいよ」
「うん、ボス1人に強そうなの2人で雑魚ども8人だな」
「私と真理はペアでいい?」
「いいよ。じゃ、誰がどれ引き受ける?」
「はい!俺ボス!」
「私たちは2人の方を受けたいです」
「虎次ぃ・・・ボスは俺が倒す」
「だったら行くぞ!じゃんけんホイ!」
「よし、オレの勝ちだ」
「チッ雑魚ども一掃するか」
「あ、日基ちょっと待って『ウィンド・コーテ』」
「お、サンキュ」
11人の賊が好き勝手に蹂躙する前に、たった4人の少年少女が立ちはだかった。
「何だぁ?ガキども。ここはテメェらが来る場所じゃねぇんだよ!さっさと家に帰って宝物でも出す用意をしてやがれ!」
「女なら貰ってってやるぜ?」
「その武器とかもおもちゃか?そんなんでオレらを倒す気で居んのか?」
「馬鹿らしすぎて笑えるぜ」
「「「「「「「「「「「ギャハハハハハハ!!!!!!!」」」」」」」」」」」
「君たち!危ないから下がりなさい!ワシらが食い止めるからその間に逃げるんじゃ!」
「・・・・・・」
(あ、龍牙かなり怒ってる)
「・・・お前ら、オレらを倒してみてからその口きけよな」
凶盗賊 LV15 凶賊 LV12、13 山賊、盗賊 LV5、6、6、7、7、7、8、8
(やはりこの程度か・・・)
「あ”あ”!?てめぇ・・・一撃でつぶしてやんよ!」
LV5の下っ端が斧で真っ先に斬り掛かってきた。
しかし、その刃届かず、
斬ッ
「うぐぁぁぁ!」
龍牙に一瞬にして斬られた。
「行くぞ!」
予定通りの相手の位置に着いて戦闘用意をした。
「クックックたった1人でこの7人を相手する気か!?」
「まとめてかかってこいよ雑魚ども」
「吐かせぇ!ぶっつぶしてやる!」
虎次は今度は斧を構えた。
「ハッ!嬢ちゃんたちが俺らと戦うってのか?せめて少しは持ちこたえてくれよ?」
「2対2だからって勝てる気になっちゃだめってことを教えてやるよ!」
「そっちこそ少しは持ちこたえてくださいね。あっさりやられてしまうと面白みがないので」
「真理ちゃん何をする気なの・・・?」
「ほぉう・・・てめぇが俺様と殺り合うってのか。いい度胸してんなぁ。リーダー格のてめぇさえ倒せば後はどうせそれ以下だろうしよ!」
「あ〜一つ言っとく。オレはこのチームの中で一番弱い。勝手に仕切っているだけだ。格下相手に用はねぇ。実験台になってもらおうか!」
ウオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!!!!!!!
叫び声が響き渡り、初陣戦が行われた。そして、後のことだが村人が驚くほどの結果に終わることになる。
NG編
龍牙たちが扉を開けると宝箱の形をした石の下に手紙がはさまっていた。
「ん?何が書かれているんだ?」
『ざんね〜ん!はっずれ〜!』
ビリッ!バリッ!