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その3 村にて

前回を振り返る


「神ちゃまテキト〜・・・」

「あんた!そんなところで遊んでたら危ないよ!早く降りなさい!」

こっちも居たくて居る訳じゃないので素直に降ります。


先ほど叫んだ畑仕事をしていた中年の女性は注意口調で言う事だけ言うとそのままこっちが話そうとする事も聞く前に畑に戻ってしまった。ってか見ない服装だな、とか言えよ。


オレは次に見つけた老人にこの村について、時間についてなどいろいろ聞いてみた。

ーーー想定通りだった。


あの神ちゃま(ログヌ)の言ってた通り、ゲームの出発地点、ゲーム開始の季節だった。


こうなるとする事は決まっている。

アイツらよりも先にする優先事項はゲーム開始後、村長に会う前にしか行けない場所に存在する宝具の『真空の刀』を手に入れなくてはならない。


村の端の方にあるその場所は崖に囲まれており誰も来る事がないような何もない場所である。

村長に会うとなぜかそこは崖崩れで塞がれてしまい取りにいけなくなるが

それも仕方ないと言うのか、序盤の武器にしては桁違いに強いのである。


名前こそしっくり来るものではないがこの刀は火氷雷土風光闇の7つのうち火、氷、雷、土、風の5属性を扱える代物で

尚且つ使い込むと進化するという凄まじい武器なのだ。


属性を扱うには条件があり、それぞれの属性ダメージか魔力を与えなければならない。しかしそれさえすれば変幻自在という制作者がプレイヤーを甘やかすかのように存在するのである。さらに、代償とかもなしに、だ。


敵を倒す上では現段階上必要になる。もしものときにだってこれさえあれば大半は倒せる。


記憶をたよりに進むとそこには白い石、おそらく石灰石だろう、とおぼしきものの山が築かれていた。


「・・・やるしかないな。」

オレは運がいいはずだ。ならばすぐ見つかる。

なんて考えて適当に石をどかすとすぐに柄らしきものが見えた。

こうして時間はあまりかからずに必要なものその1が手に入った。


ーーーさて、アイツら探しますか。

なんて考えた直後だった。周りから

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

なんて嫌な音が聞こえてきて・・・


「え?」


ガララララゴゴゴガガガズガァン!!!




「なんだぁ?崖でも崩れたかぁ?」


「まぁだいじょぶだべ。そこに人は行くはずねぇしなぁ。」


「「「「「だなだな」」」」」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

え~っと、ここはどこでしょうか?

私こと叶野美羽は4人で都会を歩いていたはずなのに

気がつくと見る限り農家や森や山で織りなされている景色しか見えないところに居ます。


むこうにおばあさんがいますね。話を聞いてみましょう。


「あの~すいません。ここはどこでしょうか?」


「まぁお嬢さん、旅のお方?ここはねぇミリル村だよ。あたしゃはその村長だ。

何か聞きたい事があったらいつでおいで。知ってる範囲内なら何でも教えてあげるから・・・ってお嬢さん?大丈夫かい?」


思考が停止した。正気に戻ると怪訝そうな顔をしたおばあさんが居るので

「大丈夫です、ありがとうございます。」とだけ言うと足早に去った。


―――何で私ゲームの中に居るの!?って、今村長って言ってたからまさか!

直後、それほど遠くない場所から地鳴りが聞こえ何かが崩れる音がした。


収まったのを確認して、音がした場所へ移動を始めた。


「美羽さん!」


突如声をかけられ、見ると真理が居た。


「真理!あなたもいたの!よかった~」


「本当にいいかはわかりませんがとりあえずは安心です。ここはやはり元の世界とは完全に別物ですね。」


「ええ、どうやらここアデキルみたい。さっき村長って人にあったから間違いないようね。」


「そうですか・・・あなたがこっちへ向かっているのは剣の確認ですか?それとも、他の人が来ないか、ですか?」


「う〜ん、両方、かな?ただ剣はもう諦めてるけど。そろそろかな?」



行く手から叫び声があがった。

「かぁたぁなぁがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」


「この声ってさぁ・・・」


「はい、日基君ですね。あのバカはどこまで声が出るんでしょう?」




「日基うるさい!遠くでも十分に聞こえた!」


「だって・・・だって刀がぁ・・・」


「真空の刀がなくたって身は守れます。」


「う、うぅぅぅ・・・」



「現実な目でで見るとひどい有様ですね・・・」


「巻き込まれなくてよかった〜」


「あれ?日基は龍牙と一緒じゃないの?」


「俺は1人で居たけど?もしかしてここって思ったから来てみたけど一足遅かった。」


空気が張りつめた。


「あのさ、龍牙だけこっちきてないとかないよね?」


「それはないだろ。リョーガは俺のすぐ近くにいたぜ?」


再び沈黙。嫌な予感しかしないが、誰も口にしようとはしなかった。


しかしそのとき、崩れた跡から何か光を反射したものが見えた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーー少し前ーー



土や岩や木で埋まってできた山から何か音が聞こえた。


「あっっっっっっっっっぶなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」


それが声だとわかるのは誰もいない。なぜなら誰もいないからである。

龍牙は奇跡的・・・にも折れた木や岩で囲まれた空間に守られたため一命を取り留めていた。

多少は怪我をしているが擦り傷や切り傷程度で済んでいるため支障はないようだ。


「くそっどうやって出る・・・?」


誰に言うでもなく呟くが、当然返事はない。


「・・・・・・・・」


(まてよ?この刀使えば出れるか?)


ザクッザクッザクッガリッスパッ


掘り進む音が聞こえ始めた。


「真空刃っ!」


ガリリリリリッ!


「うおらぁぁぁぁっ!」


ガリリリリリリリリリガガガガガガガガガ!


[真空刃]、それは真空の刀自体が持つ攻撃方法だ。

刀が空を切る際に真空の刃を作り出し少し離れた場所まで攻撃する固有オリジナルである。

それを連続して放ち、上にある邪魔物を切り裂きまくった。

連続して慣れない重いものを振り回したためとても疲れているが、それよりも命の危機のため普段にない力を発揮していた。

そしてとうとう、


ズボッ!


刀が地面から出た感触をえた。

NG編


「真空刃っ!」


キイイイイン!


放たれた灰色の衝撃の刃は見事に阻まれた。


「くっ・・・うおらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


キインキイイインキイイイイイイイイイイン!!


「そ・・・んな・・・」

ガクッ


龍牙は力尽き動けなくなった。

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