ガンダム哲学 ニュータイプ論 基本編
NTって何?
ファンネルが使える人の事。
……ゲーム的な知識だと、ほぼこういう解答になるだろう。
別に大きく間違ってないのも確かだ。
ガンダムマウントおじさんに
「いや、ファンネルを動かせないレベルのNTガー」
「そんな簡単な理念ではなく人類の宇宙進出ガー」
とか言われる、可能性はあるが。
そこで筆者なりにNTについて、説明や考察をしてみようと思う。
なので必然的に筆者の独自研究も混ざる。
直接的に設定から読み取れない内容は、全部独自研究だ。
●サイコミュの仕組み、NT=糸電話
そもそもファンネルは、どういう理屈で操作できるのか。
その根幹技術たる、サイコミュについて説明する。
そもそもUCシリーズには、ミノフスキー粒子があり。
これにより電波が乱反射され、通常の通信手段が無効化された。
それを限定的に克服できるのが、サイコミュ技術だ。
一部の人間の脳が放つ、強い感応波はミノフスキー粒子を揺らす。
この性質を利用して、機械的に感応波を増幅して。
この揺れを遠方まで伝播させるという、通信技術の一種で。
この強い感応波を出せるのが、他ならぬNTの事だ。
粒子に働き掛けられるなら。
作用・反作用の法則により。
粒子からのフィードバックもある。
ミノフスキー粒子を使った、糸電話と。
原理モデル的には、説明できる。
●糸電話で説明するNT現象
NTは超能力めいた現象を、暫し巻き起こすが。
ミノフスキー糸電話の原理で、現象の多くは。
科学的かつ整合的に、その理屈を説明できる。
高レベルのNTが行う、テレパス的会話は。
正に糸電話の理屈そのままだ。
このプレッシャーは?
というアレも、ただの受話・受電と置き換えられる。
独特のNT音がなって、敵の動きを察知するのも。
同様に粒子を経由して、敵の意思そのものを把握できるからだ。
シロッコのジ・Oが、カミーユに操縦を乗っ取られ。
ユニコーンがファンネルをジャックし。
ローゼン・ズールがNT−Dを停止させるのも。
そもそもサイコミュ自体が、感応波のレシーバーなので。
より強力な感応波を当てる等して、本来のパイロットの感応波を遮れば。
動作不良・停止するのは道理だ。
●NTの負荷
ただし、 脳を非常に酷使する事になるので。
相当に高い適性を持たなければ、実用できない。
サイコミュへ働きかける事自体、常人には不可能な領域だが。
それ以上の応用的な使い方は、更に一握りの上澄みに限られる。
この理屈は綱引きに例えれば、分かりやすいかもしれない。
例えば網を、互いに握り合ったとして。
引っ張って動かす事はできるし。
引っ張られた事を感じる事もできるだろうが。
どんな引っ張り方をされたか、詳細に把握するのは困難だし。
相手を遥か上回る力で引っ張るなんて、文字通りの力技だ。
そしてそれだけ集中・力を発揮すれば、疲れるのは道理だろう。
そもそも縄自体が常人には持ち上げられない、という前提すらあるのだから尚更だ。
そしてそもそも例えに使った様な、1対1の状態とは限らない。
戦場にはオールドタイプ含め、無数の綱引き相手がいるのだから。
NTがどこかナイーブなのは、こういう疲れからかもしれない。
●NTと悲劇性
実はミノフスキー粒子を動かす為の、感応波自体は。
オールドタイプも出さない訳では、なかったりする。
しかしこの感応波は、他の思念波に埋もれやすいらしく。
サイコミュを動かせる程の強度に、殆どの場合達しないのだ。
そしてNTには、ある共通性がある。
アムロのララァとの死別。
カミーユのフォウとの死別。
ジュドーの妹の行方不明。
ララァも過酷な出生を示唆され。
※ジークアクスで確定
クェスも家庭環境から非行に走っていた。
強いストレスを受ける事が、NT覚醒と深い関わりを持つ。
そうして通常と脳の活動が変わる事で、思念波が抑えられ。
NT的感応波の強度が上がる、という理屈らしい。
●強化人間の理屈
ここに着目したのが強化人間だ。
即ちストレスを与える事で、人為的にNTを作り出すというアプローチだ。
※逆説的に、強化人間のアプローチが明らかにストレスである為、NTの萌芽と密接に関係していると言える。もし関係ないなら、強化人間の描写全般が全くの非合理となる
これは一定の成功を収め、所定の成果を上げている。
それなら何故、主流にならないのか。
兵士が皆NTになれたら、無敵の軍隊だ。
と思うかもしれないが、もちろん問題があった。
フォウならコロニー落としの光景を、目撃したトラウマを利用し。
エゥーゴこそが、コロニー落としの犯人だと刷り込む事で。
精神に指向性を持たせて、都合よく利用する訳だが。
実際の記憶や経験と乖離するので、認知に齟齬が発生してしまう。
そして発生した齟齬を、更に強い洗脳・投薬で上書きする為。
最終的に強化人間は、記憶混濁・前後不覚状態に陥り。
兵士としてどころか人間としての、合理的判断能力を失う事になる。
技術の進歩や事例の集積により、程度は変わるが。
時代がどれだけ進んでも、本質的には同様の問題を抱える。
皆大好きカテジナさんも、スーパーサイコ研究所(※設定まま)で処置され。
最終話では廃人となった上、失明までしている。
とにかくそれ位の負荷を掛けないと、効果は見込めないが。
それだけ強い負荷だと早く消耗し、兵士として不安定になる。
そんな致命的な矛盾を、抱えた技術だといえる。
●NT=適性✕媒体の質✕量
Vのラストより。
3万人のサイキッカー(NT)の感応波を。
エンジェルハイロウという、巨大サイコミュで増幅。
戦場全域に放射する事で、あらゆる人間を戦闘不能にする最終兵器だ。
NT的感応波の性質について、この設定と描写から分かる事は多い。
1つは、適性が絶対ではなく、補う手段があるという事。
ララァやハマーン様は、優れたNTに間違いないが。
こんなだいそれた現象は、引き起こしてない。
媒体をサイコフレームという、より高品質なものにしたり。
或いは単純に量を集める事で、より効果的な運用や増幅ができる。
更に複数人のNTが集えば、単純に感応波の量が増える。
アナログでアナクロな方法で、強度の克服が可能である示唆だ。
イマイチ感覚的に見え、掴みどころがない様に思えるが。
性質そのものはむしろ、単純と言っていいのかもしれない。
1つは、NT的感応波は、適性の低い人間にも作用する事。
NT的な感応波が、NTだけのものなら。
エンジェルハイロウの被害は、非常に限定的な筈だ。
しかし無差別的に、多くの人間に効果を発揮していた以上。
強度さえ十分なら、オールドタイプにも作用する事が分かる。
初代ラストでアムロが、クルーとテレパスしていたのも。
クルーにも少なからず、適性はあっただろうが。
クルー同士では、テレパスできない様なので、やはりアムロの賜物だろう。
設定的にオールドタイプにも、同じ感応波を出せるので。
NTと同種の器官や部位自体は、脳内に存在しているが。
NT程は発達してないので、余程に強い力しか感じられない。
逆に余程に強い力なら、オールドタイプでも感じられる。
まずはほんの序の口。
知ってる人からすれば、ほぼおさらいレベル。
NT覚醒のトリガーと、オールドタイプもNT現象と無関係ではない。
この記事の中で、特に注目するのは、それぐらいだろう。




