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内戦の地

--- 国境都市 ベルナール 付近


タニア連合王国は、その名の通り、多くの領主の集合体であり、各地域の貴族に統治されていた。 しかし、現王がその行き過ぎた力を抑止すべく、武力行動を自国民に対して行使している。


この国境都市ベルナールは、辺境伯スキュリアル家の領土になる。 辺境伯だけあってその戦力は別格であり、ノクティス・ラビントス軍も攻略に手こずっているいるようである。


事実、ラビントス軍は、幾多の兵站をことごとく撃破され、その役割を外部委託する羽目になっている。


そんな最悪の最前線に向かうヒルベルト一行は、戦線を越えるための準備をしている。 カーゴのコンテナトップにセントリーガンを設置している。


「これで良しっと」

鄭がセッティングの対応をしている。


社長(ダイゴ)。 かなりの音がでますが、試し撃ちはどうします? 」

「やってくれ」


周辺に転がっている端材を車両の前に投擲すると大きな音と共に弾丸により破壊される。


「問題なしです」

「了解だ」


「ベルナールねーガチで強い都市のようだな」

「辺境伯として長年マリネリスの断崖を守って来た領主だ。 戦力もそれなりにあるようだ。 ここへの投入はまさに“貧乏くじ”そのものだな」


ダイゴがバイザーメットを被る。


≪通信チェック。 各員武装のチェックは? ≫

≪問題なし≫

≪問題ありません≫

≪OKだ≫


各員が緊張の中、内戦地域に足を踏み入れる。


                   ・

                   ・

                   ・


内戦地域は、想像通りに荒れ果てている。郊外では、多くの建物が廃墟となっており、人の気配は感じられない。 そして建物の一部はその骨格を覗かせている。


砲撃がミサイルの爆風かそれでも砲撃の直撃か壁面が破壊され中が見える。 そこには、持ち出されなかった家具が顔を覗かせ在りし日の生活が垣間見られる。


「……」

「……」

「……」


運手石の3名には見慣れた光景になる。


≪また、こんな風景ですか≫

≪とにかく、まずはラビリントス軍に合流して安全を確保するとこからだ≫


≪司令部の場所が、秘匿されているっているのがつらいところだな≫

≪この程度。 行先不明の届け先なんてよくあっただろう≫


≪ああ。ことごとく厄介毎に巻きまれたがな≫

≪最初からわかっている分、気持ちの整理は付くだろ≫


その直後、迫撃砲がカーゴを襲ってくる。

セントリーガンにより空中で撃破され、破片がカーゴのフールに降り注ぐ。


≪だが、内戦地帯の配送は初めてだ! ≫

≪アリエフ! 速度を上げろ! ≫


≪了解! ≫

カーゴの速度が上がる。


周辺からカーゴを狙った銃撃が行われる。室内には着弾音が響く。


≪頑丈だな! ≫

≪頑丈なのを選んだんだ! 進め! ≫


まずは、最初に示された位置に車両を進めるしかない。 そこで新たな指示があるとのことらしい。


バトルタンクが、カーゴの前に現れる。

砲塔がこちらを向く。


≪アリエフ!≫ 

≪了解! ≫


大きな車体が傾き脇の通りに入る。 そのまま倒れそうになるが、カーゴのコンテナを脇の建物にぶつけて強制的に転倒を防止する。 もちろん建物壁が削れていく。


突如コンテナにつけたセントリーガンの発砲音が聞こえる。屋根上からの強襲があるようだ。


≪俺が出る。 バスティス! 車両指揮を頼んだぞ! ≫

≪ダイゴ! 何をするんだ! ≫


サンルーフを開けて外に出る。 高速で走っている車両だが、コンバットスーツの電磁吸着機能で体を車体に固定する。


≪聞こえるか! ≫

≪お前! 無茶するな! ≫


≪俺が周囲の状況と敵を排除する! ≫

≪頼みましたよ! 社長(ダイゴ)

アリエフ(操舵士)からの通信が入る。


ダイゴがさっそく発砲している。


≪社長。 自ら前線に立つとは、多少やる気が戻ってきましたか? ≫

≪くっそ! 死んだら誰から給与をもらえばいいんだよ≫


≪そこの角を右だ! 前方から上空にガンシップだ≫

≪了解! ≫


車体が大きく左に傾く。 ガンシップからみれば脇道に入り、一瞬消息が消える。


≪ガンシップかよ! 冗談きついぜ≫

≪バルティス! ロケット砲だ≫


≪あいよ! アリエフ。速度を落とせ! ≫


車両の速度が落ち、サンルーフが開き大きな筒が出てくる。

それを受け取り、迎撃の準備をする。


≪速度を上げろ! ≫

ダイゴからの指示が飛ぶ。徐々にガンシップの音が聞こえてくる。


≪来たか……≫


ロケット砲は、最新鋭の追尾機能付きで、一発50万(5000万円)リドルの超高級品である。


徐々に大きくなるローター音。 ダイゴの心拍数も上昇する。


路地の上空にガンシップが突如現れ、大量の弾幕がこちらに打ち出される。周囲の地面は抉れ、セントリーガンも被弾する。


≪優位性に気持ちよくなってんじゃねーよ! ≫


ダイゴの叫びと共にロケット砲が射出される。 地上を走っているため近距離のガンシップの正面に飛んでいく。


相手も予期せぬロケット砲に慌てて機種の上昇を試みるが、時すでに遅し巨大な爆発音とともにダイゴ達の視界から消えていく。


≪ナイスショット! ≫

≪セントリーガンが、被弾! こちらの弾幕が薄くなる! 急げ! ≫


≪了解≫

セレン(シップマスター)聞こえるか! ≫


≪聞こえています≫

≪周囲の敵はどうなっている! ≫


≪こちらからでは、土煙が多く地上への索敵が困難な状況です。 加えてベルナール軍とラビリントス軍の判別はここからではできません ≫


≪それでいい。 俺達意外に動くものを検知してくれ、最後の判断はこちらでする≫

≪了解≫


≪バルティス! ラビリントス軍からの情報はまだか! ≫

≪まだ、引っ掛からない。それに車載無線だぞ! 5kmが精々だ! ≫


≪5kmも通信できるなら、十分、通話範囲内だろ! ≫

そんな怒号が飛び交う中、カーゴの車載無線に連絡はいる。


           *** ☎ 無線回線 開始 ***


≪こちらラビリントス軍ベルナール前線司令所。 ヒルベルト商会か≫

≪ああ! 特急宅配便だ! ≫


≪積み荷は? ≫

≪無事だ! 場所は何処に行けばいい! ≫


≪ベルナール中央ストリートを東に真っすぐ進め。車両の特徴を教えろ≫

≪カーゴの外見にコンテナ側にセントリーガンと、人を乗せている≫


≪屋外にか? ≫

≪その通りだ! ≫


≪了解。味方に指示を出しておく≫


            *** ☎ 無線回線 終了 ***


≪ダイゴ! つながった! ストリート東に真っすぐだ! 通り故弾幕発生の可能性あり! ≫


ストリートとなるとなると、見通しがいいが、遮るものがない。 まさに的になるような場所である。


≪了解だ! ライオットシールド2枚だ≫

サンルーフが開き、ライオットシールドが出て来る。


それらを受け取り、両サイドを固める。 路地からベルナール中央ストリートに出る。 想像通りの開けた通りになる。


ここを走れば的まっしぐらになるのは、明確である。 しかし、ここを進まねば、目的地はつかない。 イバラの道ではなく、銃弾の道を突っ切るヒルベルト一行。


当然のごとく銃弾の雨が降り注ぐ。 壊れかけのセントリーガンの牽制、ライオットシールドの防御もボロボロになっていく。


道には大破した車両があり、アリエフのドライビングテクニックで左右に揺れながら突破していく。 車両高所に陣取っているダイゴは、正面にバリゲードらしきものを確認する。


≪バルティス! 遠方にバリゲード確認。 ロケット砲で破壊しろ≫


≪おうよ! ≫


カーゴのサンルーフが開き、バルティスがロケット砲を取り出す。 銃弾の雨の中、ロケット砲を構える。 間が抜けた音共に、ロケット弾が射出され、バリゲードを破壊する。


≪どうだ! ≫

気勢を上げるバルティスだが、その間にも弾幕の雨は降り注いでいる。


更に速度を上げ、一行がストリートを駆け抜ける。


その間、わずか十分足らずであるが、まさに死地と言ってもいいほどの濃密な殺意の中を通過していく。


一定の距離を走り終えると徐々に弾幕が少なくなる。ライオットシールドは、既に原型がなく、ダイゴのコンバットスーツの破損をしている。 


カーゴ車両もかなりの弾幕を受けている為凹みが多い。 徐々に銃弾の雨も少なってくると同時に遠方に大きなコンクリート製の門扉と見張り台が見える。


≪バルティス! 見張り台だ≫

≪了解! ≫


カーゴは、徐々に速度を落とす。 相手からの攻撃が無いところを見るとこちらを認識しているようだ。



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