We Come From The Water
「かつては、自分が人類のパリだと思っていた。でも体の成長とともに、ドラゴンが実在しないことも、馬に乗れないことも、一眼レフカメラが使えないこともわかってきた。あ、あそこによってもいい?ここのチョコレートアイスがうまいよ」
「バイパス道路の上にいるよ、あそこに入るには、次の出口で出られないと…人類らはあんたを研究のためにラボラトリーに入れるべきだ。」
「人生は今のままでいいと考える人もいる。でも私は、大気圏を出たい!」
この小さいガイドが案内してくれたのは、Permy Mallという名前のショッピングモールだった。
「僕は5時間飛行機に乗って、ショッピングモールを見学しにきたわけじゃないんだ」
香港人からすれば、駐車場も遠いし。
「それよりも、ショッピングカートダービーは如何?」
「今は何歳だ?他の人に悪いだろう?」
「聞こえなーい」
よそから見たら、賢くてお茶目でみんなから愛される性格だったかもしれないが、僕にとって厄介なやつだった。
ショッピングカートをキックボード代わりと走っている彼女を追いかけて数分、シャッターがを下ろした状態が目立つ数軒の店舗の前についた。
彼女がシャッターを上げるのに手慣れているのね。
店の中には、カウンターや商品棚がなく、サーバーが目立つ。
「あなたのサイトのデータをここを仮置き場として使いなさい」
彼女は僕に対した顔色を変えた。
「なぜあなたの言うことに従わなければならない?たったの高校生のくせに」
「サイチョウ3310のメンバーだから?」
僕は驚いてぼんやりしてしまった。
サイチョウ3310、それは度々ニュースで話題になったハッカー組織だった。けど、それはどの国かの情報機関が裏で活動しやすいためにつくった殻か、それともネット掲示板で捏造された都市伝説だったか、今だに誰も証言できない。
「あなたのサイトにあるマンガの画像が、第三次世界大戦に繋がりかねない隠しファイルがたくさん含まれている。ウクライナのサーバーが危険だ。あそこは1年か2年で廃墟になるのだろう」
「どうやって知った?」
「既に私の権限を越えているから、入手経路が詳しくわからないが、概ねロシアの中央情報庁からパケットキャプチャしたようだ」
「君…君の組織はどうやって僕がこの街に飛んでくるって予知してた?」
「コンテンツ連動型広告から人の潜在意識を操るのは普通なことだよ」
ああ、これって僕の人生がスパイ映画のように波乱万丈となっていくのか?
「信じがたいけど、わかった…パソコンを持っている?そのサイトの管理用アドレスにログインしてみたい…」
「それより、ランチのハッピーセットが付随するおもちゃはシャチだ!早くいかないと在庫切れしてしまうんだ。あなたの使命は決めてったから、早く行きなさいよ」
彼女はファイト・バック・トゥ・スクールのようなアンダーカバー高校生でなくて、ほっとした。