石の刑と149ドル
この一週間でどんどん忙しくなり、仕事から地下鉄出口でのすれ違いまで、多くの人と関わっているように見えるが、同時に冷たくなり、静かになっているような気がする。
人間は常に、精神と物質の豊かなさを求める天秤に、バランスを求めている。
言いたいことは山ほどあるのに、心の奥底に沈んでしまって誰も何も言わない。
今、またそのパソコンに向けて、Torブラウザを開く。
遠方の友よ、ご機嫌いかか?
電子掲示板のメッセージボックスに1つのリンクがある以外、特に変わったところがなかった。プチ・ユセフが最後にログインしたのは五日前だった。
リンクをクリックしたら、スマートフォンで撮影された動画のへアクセスしたようだ。
冒頭部分で機械翻訳した痕跡で「女の子が処刑場に連れて行かれる。」という字幕があった。
次に急に現れた、処刑場への道で野次馬たちは、女の子の肉と血をむさぼり食おうとする貪欲な飢えた狼のように、手に持った石を叩いた。スローガンとか何かを大声で叫びながら、彼らは彼女の手をロープで縛って、彼女の下半身を掘った穴に埋めた。男たちが止むことなく女の子に石を投げつけ続けた。女の子が目を大きく開けたまま息が止まった数分後、一人の男が女の子の頭を切断するのに6回も刀も切りつけ、現場は血の海ようになった。
僕はあっという間に自分でも気づかなかった涙を拭いて、動画が終わったあとに、自動的にまた別のリンクを開いた。
書いた内容が、たったの数分で消えてしまうが一押しポイントのサイトのようだ。
「お姉ちゃんがあなたのマンガを翻訳してに若者たちに配布している。この国は男女を問わず自由を求めるが、捕まると石打ちの刑による死(この国では "浄化 "と呼ばれている)しか行く末がない。大人は先祖からの教えを平気で犯している彼女にお仕置きしただけと言っていた。」
何とも馬鹿げたルールだ。
「誰もが狂ったように、かわいそうな女が無実かどうかなんて誰も気にしなかった。彼女の死が彼らの麻薬となり、彼らは自分たちが正義の代表であり、公正な裁判官であると思っていた。」
ふざけんな!この世界の片隅にこんなことが日常茶飯事と起きているのに、僕が何でもできない。いえ、
最初から彼女にマンガを送らなければよかった…
「でも、悲しがないで。お姉ちゃんが、あなたは彼女を別の世界に繋いだ案内人だ。いままでありがとう、見知らぬ人よ」
向こう側は彼女の弟だったのか?彼女が普段、どんな人だったのか、っと聞きたいが、送信することができないサイトだった。
電子掲示板に戻ったら、無効なアカウントからのメッセージが一通あった。ウクライナのサーバーに繋ぐ、管理用のユーザー名とパスワードのそうだ。
そのサイトを開いたら、アラビア語と翻訳されたマンガだらけだった。僕が最後、彼女に送ったマンガが、まだ12ページしかアップロードされていない。
サイトの一番下に、英語で書かれたスローガンのような言葉があった。
Across the wall we can reach every corner in the world.
管理用のユーザー名とパスワードをメモ帳に保存して、僕は一般のブラウザでサーバーの運営会社のサイトを開く。サーバー代は、年間149ドル?高く感じた僕は、止めることなく、クレジットカードを出して、数字を見つめた。
R.I.P、見知らぬ人よ。ヒバリは朝鳴き、ナイチンゲールは夜通し鳴く。これは、僕も参入を決めた、リレー戦争だ。