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恋のキューピッド、あの人を撃ちまくれ  作者: はっとりおきな
最終章 好き
43/63

第43話 夢魔王・の・愛撫

「……大丈夫。大丈夫だよ、むーくん。君は一人じゃない。もう一人じゃないんだよ」



 ふうはもう一度、夢生むうを強く抱きしめた。


◆    ◆


「――アタシは夢生むうを銃で撃てた。アタシに魅了(チャーム)をかけてきた術者を傷付けることができた。アタシはまだ恋堕れんだに操られてなんかいない」

「……まだ(・・)、ね。操られそうな自覚はあるんだな」

「それにね――悪いけどアタシ、どうもむーにれてるくさいの、どうしようもないくらい。だからね――今更あいつがどんな罪背負ってようが関係ないワケ。天使とかそんなん置いても、アタシも一緒にいくらでも背負ってやるわ。ま、友達少ないあいつのヤバい罪を背負ってやれるヤツなんて、アタシとかくらいのモンだし」

「…………」

「つかお前。油断しすぎ」



 レピアが目を光らせて笑い――極光きょっこう片翼かたよくを生成していく。



「アタシにれることすらできないと分かった時点で逃げるべきだったね。アタシの『神性しんせい』の前じゃ、お前程度(ていど)なんて話に――」

「ナメ過ぎてるのはお前だよ」



 レピアの目が夢魔王むまおう、ヨハインの笑う口元をとらえた時。



 黒い杭(・・・)が、レピアの腹部にさった。



「ッ、、、ぐ――ッ!?」



 不意ふいのズシリと重い一撃に小さくうめくレピア。

 くいの黒が体にしみこんでいくような感覚。



 彼女は目にする。



(――アタシの翼が、また消えてく(・・・・・・)……!!)



「時間稼ぎはお互い様だ。まだお前の力を『不活性化(・・・・)』させる程度ていど精々(せいぜい)だが――今はそれで十分だ。この距離きょりなら防ぎようもない」

不活性化ふかっせいか……お前、まさかこの魔法まほう……――うぁッッ!?」



 下半身に熱(・・・・・)



 思いもよらぬ場所――スカートを貫通かんつうし閉じていた太ももの肉を押しのけ、下着の布にギリギリれる所に同じくやみくいを打ち込まれ、レピアは思わず腹部に力を込めつまさきちし、なんとかくいまたに触れないように立った。



「お前、何のつもりで……あっ!!?」

「そらこしれろ。力抜いたらそれだけやみがお前を焼くぞ」



 ヨハインが人差し指をレピアに向ける。



 途端とたん、彼女の両腕が勝手に背中へ回り――まるで後ろ手にしばられたように動かなくなった。



 自然しぜん背をそらし、胸を張るような体勢になり――ただでさえ大きい胸が、ボタンを弾け飛ばさんばかりに主張を始める。



(くそ……今度は拘束こうそく魔法まほうッ、)

「おーおー。出してほしそうに(・・・・・・・・)してるな」

「フザけ――ッッ!!!」



 ヨハインが、レピアの制服に指をかけ――――一息に引きちぎる。



 ボタンがほとんど弾け飛び――真っ赤な下着を着けたこぼれんばかりの胸が、ぶるんとヨハインの目の前へ飛び出した。



「ヤバ。最高にキレイだぞ、レピア」

「……クソが……!」

「あ? なんだ。言いたいことがあるなら目を見て(・・・・)言えよ」

「誰がそんな見え見えのウソに……!」

「ハハ。確かに俺はお前には触れない。だが祝福しゅくふくされているわけでもない布切ぬのきれには当然お前の『神性しんせい』など宿らん。そして魔法を防ぐ手段も持たず、つばさをもがれ魔力まりょくによる身体強化しんたいきょうかも使えない天使などもはや人間も同然。増援ぞうえんもない。ここまで条件が整っていればいくらでもやりようはある――――その『神性』をお前から引きはがし、俺のかわいい性奴隷(・・・)にする方法はな」

「せ――ッ!!?」

「忘れたかレピア。今お前の目の前にいるのは夢魔むまの、」

「ッッ――!!?」

「王なんだよ」



 レピアが目をく。



 ヨハインが下着越しに、レピアの胸を指先でいじくり始めた(・・・・・・・・・・)のだ。



「ほら、乳首みーっけ。もしかしてもう勃起ぼっきさせてんの?」

「…………つめが当たって痛いのよ。血ィ出る前にやめてくれる? ヘタクソ」

「乳首見付けられたのは否定しないんだ。可愛いな。もっといじめてやるよ」

(このッ……!!!)

強情ごうじょうなメスは嫌いじゃない――ちた時の情けない姿が一番ソソるからな」

「バァーカ。何が『ちる』だキショい。レイプで感じる女なんて男のイタい妄想よ? 好きでもないヤツ相手に感じるワケないでしょ」

「だがお前はさっきよりも感情を乱してる」

「!」

「ハハハ。わかってないのはお前の方だメス。お前の感情を大なり小なり乱せてる時点で――お前はこの愛撫に感じ(・・・・・・・・・・)てるんだよ(・・・・・)

「ッッッ!?」



 ヨハインが空いた手でスカートの中に手を入れ――レピアの秘所ひしょをも布の上から指でまわし始めた。



「なんだその反応。実は案外気持ちいいのか?」

「……これが気持ちよさそうに見えるワケ?」

「見えるな。極上の顔だよ。もっとよく見せろ」

「誰がッ……」

「それで? 『感じる』を知ってるってことは何だ? もしかして処女しょじょじゃないのか、レピア。誰に初めてをくれてやった?」

「最ッ低――」

「それとも、一人でなぐさめてたのか? 夢生むうのことを想って?」

「ぅぁ……っ!!?」



 ――夢生のことに言及した、瞬間。



 ヨハインはレピアの上下の突起(・・・・・)一際ひときわ強く引っかき、刺激しげきを止めた。



「いい声で鳴くじゃん」

「…………殺すッッ」

「ハァ。さてと……そうさな。下等種かとうしゅである人間ならいざ知らず、『神性』で俺達に耐性たいせいを持ち、かつ魔眼まがんも見てない天使が、好きでもないヤツになびくことはないだろうな」

「当然……」

「じゃあ。好きな相手ならどうだ(・・・・・・・・・・)?」

「……何を、言って……」



 レピアは気付く。



 この男に夢生への気持ちを打ち明けてしまったのは、とんでもない失敗であったということに。


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