プロローグ「無敵!最強のロボット登場」
やあ(´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
セクサーロボ!以来シリアス続きだったから思い切りふざけようって思ったんだ。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
そもそも、この作者に高尚だとか熱い展開だとか心に訴えかける作品は作れないんだ。
脳天から爪先までおふざけで出来てるような人間だしね。
でも、この作品タイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
………まあ、ほぼタイトル詐欺なのは置いておくとして。
読者以外からも悪意を持った文句が飛んでくる今の世の中で、「こんな作品があってもいいんだ」という気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この作品を書いたんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。
………………
時に、平成50年。
我々の歴史とは、別の道を歩んだ世界。
新型ウイルスによるバイオハザードも起こらず、それなりの平和とそれなりの停滞の続く、日本社会。
だが、平和は長続きしなかった。
「オーッホホホホ!醜く汚い地球人の男は、私達の前に塵と化しなさい!」
女の高笑いと共に、町が破壊されてゆく。
シャンデリアを思わせる円盤から降り立つ、天使や騎士を思わせる巨大ロボット達が、町を蹂躙しているのだ。
彼等………否「彼女等」が、この世界における人類の敵。
名を「宇宙女学院キマシティウス」。
「お姉さま」と呼ばれる最高権力者によって支配される、女だけの侵略勢力だ。
自分達の価値観で「美しくない」と感じた物を滅ぼし、自分達の価値観に合う物に作り替える、恐ろしい侵略者。
彼女等の操る「リリィナイト」と呼ばれる自立型ロボット兵器は、地球のあらゆる兵器でも倒せない。
ちなみに、今暴れているのは量産タイプの「メイディーン」。
町が、人々の暮らしが破壊されてゆく。
人々は求めた、救世主を。
この世界を救ってくれる、正義のヒーローを。
『そこまでだ!キマシティウス!!』
ズシン。
大地に響く、重く力強い一歩。
「あれを見ろ!」
「巨人か!?」
「宇宙人か!?」
人々が指差す先で、それは近づくに連れて、その姿がはっきりと見えてくる。
そうだ、ヒーローはいた。
キマシティウスの暴虐に立ち向かう、正義のヒーロー。
「違う!スーパーロボットだ!!」
そう、スーパーロボット!
悪の侵略者から地球を守る、鋼鉄の肉体に正義の頭脳を持った、鋼の救世主!
スーパーロボットが、今大地に降り立った!
降り立った………のだが。
「………んん?」
その様を前に、人々の頭には「?」マークが浮かぶ。
たしかに、そのスーパーロボットは形状や意匠からしても、少なくともキマシティウスのロボットではない事は解る。
解る、のだが。
「………あれ、本当に正義のロボットか?」
町の人々は、それが純粋な正義のロボットだと信じる事は、出来なかった。
簡単な理由だ。
それは、正義のロボットと呼ぶにはあまりにも異形だった。
牙の並んだ口。
三本指の手足。
太い尻尾。
そのシルエットは、大昔の肉食恐竜の復元図………もっと言えば、ある種の「怪獣」にも似た姿をしていた。
GAEEEEEEEEEN!!!
大気を震わせ、その怪獣型ロボットは咆哮する。
そして激突する、メイディーンと怪獣型ロボット。
端から見れば、怪獣と戦う巨大ヒーローである。
人々は、どちらが正義でどちらが悪なのか、判別できなかった。