表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

イケメン勇者の大冒険?!

続・イケメン勇者の大冒険?! ~ある意味完結…かも?!~

作者: 霧月 神





続・イケメン勇者の大冒険?! ~ある意味完結…かも?!~

















勇者が居なくなった…

勇者は魔王に殺された…








そんな噂が世界中に広がり始めた頃のお話。












暗い話が大陸に溢れ…鬱々とした空気が漂う…そんな中のとある日に、

一人の女戦士が、精霊を連れて魔王の城に乗り込んで来たのだ!!










「…貴女のお陰で案外簡単に着いたわね。」

『えぇ、魔族と私達は、一応同盟組んでますから。…ま、半分以上は貴女の斧のサビになってますけどね…。』








血塗られた七色の斧を片手に微笑む戦士の傍で、


透明の羽根を音も無く羽ばたかせる小さなソレは、

周囲の魔族ににっこりとほほ笑んだ。









『魔王様はどこ?…彼女が用があるって言うんだけど…』










ヒソヒソ…








獣の形の魔族達は怪訝そうな顔をした後…

ギロリと女戦士を睨みつけて、戦闘態勢に入った!!!








「…う~ん…やっぱり私と一緒だと巧く行かないものねぇ」

『…ま、そうね。…私の時みたいに、実力行使しかないみたいよ?』







ヒラリと後方に下がった精霊も、なかなかに頭が回る様だ(笑)










…そして…










「うりゃぁぁぁぁぁっっっ!!!」

「ガゥゥゥゥゥッッッ!!!」








ドゴッ!!!

ザシュッッッ!!!








『きゃいんっっ!!!』









…勝負は、あっけなく着いた。







『流石貴女ねっ!!』

「当然★」








返り血を浴び、血塗られた斧を担ぎ直すその姿はまるで……








『鬼女……否、あれは…魔神……だ…』







グフッ……







獣型の魔族が息を引き取る間際に残した言葉を…







「魔神だって!!!…上等じゃないの…」








不敵な笑みで受ける女戦士でありました。











『てか、魔王様は何してるのかしら?…騒ぎになってる筈なのに……』







騒ぎを起こしても、一向に変わらない魔王の城……





門下の魔族達すら、動く気配は無い。

…きっと魔王の命令が無い為動かないのだろう。









「……もしかして…魔王の部屋まで来いって事?上等じゃないの!!!行ってやるわよっ!!!…魔族達を皆、なぎ倒してねっ!!!!!」

『…違う気がするし、貴女の方が魔王っぽい発言だわよ、ソレ;』









…呆れ顔の精霊と共に、魔王の城へいざ突入!!!!












『きゃうん!!』

『グフッ!!!』







言葉通り、階段の魔族をなぎ払い…

道を切り開いて行く女戦士…。








「魔王はどこぉ~?」







座った目で、倒した魔族に問いかける。







『Σヒィッ!!!最上階のっ!!一番左!!!…勇者の寝室に居るぅ~!!!!』






傷付いた魔族は今にも泣きそうな声で、目の前の魔神に教えました。








「Σは?勇者の寝室?!」

『…勇者様?…なんでこの城に居るの?』










二人、顔を合わせて首を傾げる。








…そう、勇者は行方知れずだと噂されているのだから。










「ま、とにかく魔王と逢いたいわ。」

『…行きましょう。』









魔王の城・二階への階段を昇って行くのだった。





















血塗られた七色の斧で雑魚共をなぎ払い、薄笑みを浮かべる女戦士のLVは…

ずば抜けて高かった。






雑魚達の唱える魔法の殆んどを無効化し、

火・水・氷・雷・魔・聖の属性を半減する鎧を纏い、

回復役の精霊が受けた傷を塞いでいく。







「…魔王は、あっちよねぇ?」

『ヒィ……魔王様は、今取り込み中でっ……行かない方が良…グェッ!!』







最上階は人の形の魔族達で溢れていた。

…無論、変化しているに過ぎないのだが……







『この階は、おかしいわ?』

「…流石に斬り難いわ~!!!人に化けてる奴ばっか!!!…何か意図があるのかしら?」








逃げ惑う人の姿を目の当たりにし、眉間にシワを寄せる女戦士…






…歩みを止める訳にもいかず、

斧片手に威嚇しながら前へ進んで行くしかないのであった。
























~一方その頃~






「ん……ア…も…キス…しっ…ンッ!!」

『今日は誘惑、です☆……僕がいつもより愛しくなったでしょ?』







白いベッドの中で、自ら進んで魔王へ口付けをせがむのは…






軽い誘惑魔法で蕩けた勇者。

魔王の首に絡み付き、不器用にその衣服を剥ぎ取ろうとしている様子。







『ダメ。今日は君だけ。…脱いで?…恥ずかしいところも全部見せて…』

「…は…い…。」







勇者は、恥ずかしそうに軽装を脱ぎ捨て…

魔王の前で引き締まった裸体を晒す。






「…恥ずか…し」

『へぇ…期待してもぅ興奮してるんだ…』







いやらしく目を細めた魔王……





勇者に触れようとしたその瞬間!!!!











「ちょっと魔王~!!ここに居るんでしょ~開けなさいよ~!!」

『…開かなかったらこの人、破壊しますから~!!開けた方が身のためですよ。』








と、ドンドンと扉を叩く音が響き渡る!!!








返事は無い。

ただの屍のよ…








「…破壊するわよッ!!!」

『あー…知~らな~い…( ̄▽ ̄;)』


















ドゴッ!!!

メキメキ…




バキッ!!








女戦士の怪力により、扉が粉々に砕け散った!!!









「Σヒァッ!!!」

『…はぁ…折角のお楽しみを、邪魔されてしまいましたね…』







誘惑魔法にかけられていた勇者は、全裸のまま魔王の後ろに隠れ、

一方の魔王は、冷静なふりをしていたが…






…その纏う空気は邪悪な黒いものであった……。








「魔王~!!いるなら返事位しなさいよね~!!」

『あ…』







ズカズカと室内に入り込んできた女戦士と妖精。







その場の状況を目の当たりにし……

場の空気を読み取ったのは、妖精の方だった。









女戦士の耳元で、ヒソヒソ話…







『姫様…えっと…あの、彼…』

「ん?何よ…え?あ、あれ、裸?!人間?」


『多分、勇者様…だと思うのよ…で……多分……あの…魔王様の…ゴニョゴニョ…』













それを見ていた魔王が、シーツで勇者の体を包みながら、








『…貴女方は、僕と勇者の愛の営みを邪魔しに来たんだね?』







真っ黒な笑みを浮かべた魔王の魔力が上昇していく!!!







『Σ違っ!!結果としてそうなっただけでッ!!…とっ…取り敢えず落ち着いてっ!私達は、邪魔しに来た訳じゃ……ね?』









ひきつりながら、またもや女戦士の後ろに隠れる妖精。

…相変わらず要領が良い奴です。







「あー…見てないわよ、そんなに…ってか、魔王!!…私、邪魔しに来た訳でも、戦いにきた訳でも無いしっ!!」






「見られた…」と、魔王の後ろでプルプル震える勇者に気をとられつつも、

取り敢えず本題を忘れてはいけないと、女戦士は魔王に語りかける。







「本当に…戦いに来た訳じゃ…無いのよ…」








魔物達の返り血を浴び、

血塗られた斧を手に微笑む彼女は……







『…その姿を見て信じろと言うのはどうかと思うけど?』

『…確かに…』







怒りを露にし、黒い羽根を目一杯広げる魔王。

その一言に頭を抱えつつ頷く素直な妖精。







「…人間だからって、魔物が話を聞かず襲ってきたから仕方ないじゃないの~。…つーかアンタもその口?」

『…だとしたら?』









緊迫した空気が、周囲を包み……










『やめ…』









妖精が止めようとした瞬間!!!









「うっ……うぅっ…で…出て行ってくれ…一人にしてくれよっ!!!」






『…勇者』

『勇者様…』

「…はぁ…男の裸を見る趣味は無いわ…。」







慈しむ様な魔王と、

哀れみを浮かべた妖精と、

やれやれ…と肩を竦めた女戦士は、






ぞろぞろと勇者の部屋を出て行った。











……色々な意味で心に傷を負った可哀想な勇者に同情して…




















『で?…あんた、そんな血塗れになってまで…何しに来たんです?』








魔王の王座に深く座り、大きな溜息を吐く魔王様。








…因みにここは魔王の城の中心・魔王の玉座の間でございます。








「良かった。やっと戦わずに話合い出来るわ~!!」

『だよね☆』










手持ちの斧を取り敢えずしまってから、

精霊と安堵の顔を合わせる女戦士。










『…手短にせぬと…殺すよ?』









不機嫌極まりない魔王は、

相変わらずの黒い微笑みで二人を見下ろしていた。







『Σ恐っっ!!』

「…んとね。確かめたい事があって…ね。…人間界と魔族の世界の和平条約を破ったのって…もしかして、うちのオヤジだったりする?」







少し悪びれた顔で、上目使いをした女戦士…。









『…あんたのオヤジが誰だか知らんが…和平条約を破り、魔族の地を侵略しようとしたのは…人間の王だよ?』

「Σやっぱりっっ!!あんの腐れデブッ!!!!!私を城に監禁して何か企んでたと思ったらやっぱりっっ!!!」

















と、言う事は…?









『このお方は、人間界の王様の娘…即ちお姫様なのよっ!!…この姿じゃにわかには信じられないけどね;』









そう。






この鬼女の様な女戦士!!!

何を隠そう実は、この大陸の人間界・唯一無二のお姫様だったのですっっっ!!!










…返り血を浴びた姿からはとても想像できませんけどね;










『へぇ…。じゃあ何?あのメタボの娘さんなんだぁ…。魔族の地を侵略し、後々には精霊界もその手に納めようとしていたあの腐れメタボの娘なんだぁ…?』

『Σっ!?』

「…あのデブ…そんな事までっっ?!…許せないわ…」



『そうだよ?…僕は監視の為、人間界に魔族を派遣させていたのにさ。姿見ただけで向こうから喧嘩吹っ掛けられちゃ~部下だって応戦するでしょ?…そりゃ…多少暴走した雑魚も居たけどさ。』

「…暴走させないでよ…って、元をたどればオヤジの所為か…。ごめんなさい、あのクソジジイが…」










そう。





姫様が城に監禁されていた間に、

父である王が何か企んでいたのまでは突きとめ、城を抜け出した姫であったが…










『まさかこんな事に…』

「えぇ…もうこれは、うちだけの問題じゃないわね。…あのジジイ、息の根止めておかないと…」











Σ!!!!







ギリッ…と唇を噛んで、また鬼の形相をする魔神…否、姫様!!!

その殺気に精霊がビクリとする。











と。








『親殺しとか、恐いなぁ…お姫様?…そのメタボの所までさっくり案内してくれるなら…僕が殺ってあげようか?』








ちょうど虫の居所が悪いし…と付け足してから、

にっこりと微笑む。








…それは本当に本当に、

怖い暗い綺麗な黒い笑みでした…。









「ええ、それじゃお願…」

『あっ、そのかわり…勇者は僕が貰うから☆』

『Σ!!!!!』


「お…OK…ヘタレ勇者乙…」










そんなこんなで契約終了!!!













その日の夜に、メタボ…

否、大陸の人間界の王様は魔族の王に殺されたのですが…。

















さてさて。













その後、人々に語り継がれる伝説…







王様は魔族の王に倒された、

までは同じなのですが…






消えていたと思われた勇者が現れ、姫と共に魔王との熾烈なバトルの末、

魔族の王は魔族の地へと帰された…





魔王の最後の呪い魔法の攻撃で、勇者は魔王と共に魔族の地へと閉じ込められた…





…美しい姫を庇って……。











と言う美談の変わっていたとかいないとかww























「あ…ンンッッ!!!」

『ふふ…今日は精霊からの頂き物の媚薬ですよ?…もうトロトロに蕩けてますねぇ…』







半開きの口でふるふると頭を振る勇者に…







『あ、そうそう。後程姫様からの素敵な物語を教えてあげますよ。…勇者の裸を見ちゃったお詫びに、尾鰭付けておいたからって。』

「ふぁ…?…ひゃぁッッ!!!」




『ふふ…もぅ届いてませんね…だから、やめられません♪』










そうそう。

相変わらずこんな感じで.







勇者は生涯魔王の元で過ごしていくのでした。










おしま…










「ちょっと!!私の話はどうしたのよっ!!!幼い頃からの武勇伝とか!!魔王城までの武勇伝とかっ!!!」









あ・・・姫さますみません。









申し訳ございませんが、お話がちょっと長くなりすぎたので、

これにておしまい!!!










「ちょっとぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!」










おしまい☆






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ