オコ姫とピンキー。
落書きが思わぬ結果を・・。
<<デルタ軍事技術研究所>>
食堂を後にしたアーレイは諜報部に立ち寄り、変装キットを借りて設計に勤しむマドックの元を訪れることになるが、奴の机の上には空のレーションが散乱していた。昼メシをこれで済ませたらしく声を掛けると、ソフトパックの水をチューチューと吸いながら振り向く。
「それにしても分解して運ぶとよく思いついたな」
「面白い情報ありがとうございます。流石に船体を割るとバレますから」
先に送った資料にカルネが配備、欠陥、魔改造のキーワードを付け加えただけで、獣人の馬鹿力を使う事を考えつく辺りは中々優秀だ。アーレイが難題を提示すると当初は難しい顔をしていたが、最近はもっぱら目を輝かせ楽しんでいるようにみえる。
「カルネに送る技官の選定は任せる。君も行くつもりなら変装しないとね(笑」
「是非とも行きたいところですが、出荷前調整があるので無理ですね(汗」
手に持っているウサ耳セットを是非とも取り付けてカルネに行って欲しかったが、悪戯を察知したらしくジト目で返されてしまう。仕方ないのでアーレイは試作品の事を尋ねる事にした。
「お待たせしました、これがシールド無効化弾用の試作品になります」
「おお遂に出来たんだね、ありがとう」
シールド無効化弾を星団内で1番浴びているアーレイは回収した弾丸と、撃たれた際のログを元に対作品を技研に頼んでいた。ケースから取り出したのは500円玉の大きさの厚さ5ミリ程の金属板だ。首に下げることが前提なのかチェーンが取り付けてあり、その事から保護範囲が限られているとわかる。
「それがですねブラックボックスの解析が難航していまして・・」
未使用の弾丸も入手出来たことから開発は順調に済むと思われたが、説明するマドックの表情がイマイチ優れず、完成したらしいが問題が山積しているらしい・・。
「首掛けということは上半身しか守れないの?」
「範囲調整が難しいのと、ペインキャンセルまでは至っていません」
言い淀む理由はストッピングパワーの軽減率が悪く、弾丸自体は受け止められるものの衝撃が体に伝わり、更にシールドを発生させる素子素材がとても高価になってしまうと、凄く済まなそうな顔して語っていた。もう痛い思いをしたくないアーレイは是非とも実用化に漕ぎつけたく、その事について聞いてみるとケースの中から透き通る深紅の粒を見せてくれた。
「特定の周波数を取り除くためにルビーが必要になるのですが、その大きさと個数が問題でして(汗」
試作品アルアルでとりあえず有用な素材を検討したら、あら超高価なお品だったって事らしい。マドックは技研の予算ではこれ以上の開発は無理ですと語り、悔しそうな顔をして肩を落とす。
「金に糸目を付けなくていいから好きに作ってくれないか、請求先はアーレイワークスでお願い」
結果を出したとはいえ高価な宝石を大量に使うとなればこの時点で研究が止まる可能性がある。作ったとしても精々VIP用だろう。アーレイは製品化が成功した後にデルタが作りたいと言えば研究費を請求すればいいと考え、私財を投入して早急に形にするつもりだ。
「承知しました、製品化出来たらパテントは買取ですよね(汗」
「もちろんだよ、金になりそうだからね(笑」
パネル砲やその他諸々で稼ぐアーレイワークスは技術者をヘッドハントして自前の研究所を構えるまでに大きくなっている。このシールドを完成させれば将来的に儲けがでると考え、実用化を目指すのは当然の流れだろう。まだ試作段階だがゲルベルトと共同開発する高性能モジュールを近いうちに発表する構えだ。
「とりあえず今日中には完成する見込みです(笑」
デルタでは技術者育成の為に特許の個人所有を認めているので、マドックが形にした試作品が認められればそれなりの金額が懐に入る。なのでアーレイの支援を受けつつ試作品を完成させるつもりだ。
「装飾品のようにしてくれても構わんぞ、それじゃ頼んだ(笑」
余裕の表情で制作を依頼したアーレイだったが、暗殺命令が出ているフローレンスにいち早く装備させたいので、心の中では「出来るだけ急いでくれ」と叫んでいたりする。惚れたとかでは無く巻き込まれたことに関して責任を感じていた。
ーー
<<作戦本部・アーレイの執務室>>
「フローレンス戻ったよ」
「お帰りなさいませ。。」
技研を出てその足で執務室に入るとフローレンスがそそくさと出迎えをしてくれる。立ち上がることはあるが普段そのような事はしないので思わず視線を合わせたら、途端にソワソワとしながら伏目がちになり落ち着きのない様子だ。
うーん間違いない、何かやらかしたみたいだな、しかし思い当たらないな・・。
よく考えても思い当たる節がなく、王族特権を使い勝手に婚姻届けを出したのかなと邪推するが、態度を見る限り1ミリも嬉しさを感じられない。強権乱用する娘ではないので少し様子を見る事にする。
話すのは今しかないけど・・ああもう早く気付いてよ。
怒られるのを最小限にしたい訳ではなく、ベクスターは超高額で並の貴族なら所有すらできない特別な物だと理解している。なので尚更自分からは切り出し辛いのだろう。切羽詰まる表情を見たアーレイはなんとなく気がつくと「何か不安があるのであれば話してみれば」と助け舟を出してくれた。
「ごめんなさい!私の不注意でご迷惑をおかけします」
「それで何をやらかしたのかな(笑」
先に謝罪の言葉を並べるという事は言い訳をするつもりがないし、とんでもない事が起きたと簡単に想像できる。なのでアーレイとしては素直に話してもらうには笑うしか無かった・・。
「あのですね・・」
そして顛末を聞く事になるがアーレイは話が進むにつれ笑い始め、最後に「君には責任はないよ」と宥めるように優しく声を掛けた。許しを得たフローレンスは安堵したのか、短くふぅと溜息を漏らすもののまだ顔が強張っている。
「落書きしたこの塗料ご存知ですか」
「うわぁ!まさかの侵食系塗料ですか(汗」
恐る恐る注文表を渡され性能評価表を見たアーレイは思わず顔が引き攣る。だが起きてしまった事は仕方ないと諦め、次にどんな落書きをしたのか気になりフローレンスの顔を伺おうとしたら、途端に横に逸らし今にも泣きそうな顔に変わってしまう。
「本当にごめんなさい、王宮に送れないので格納庫宛に送ったばっかりに・・」
「ピンキーが勝手にやったことだから、フローレンスは気にしないくていいよ」
平身低頭で謝り続ける姿を見て怒る気になれなくなったアーレイは、逆にどんな落書きをしたのか興味が沸き始め思わず笑みを溢す。しかしその程度では許されないと感じるフローレンスの緊張は解け無いままだ。
「でも、アーレイ様の大切なベクスターが!」
「そんなに凄くなったの?」
「はい、一言で表現すれば前衛芸術です!」
つい数時間前に乗った時は暗闇で気が付かなかったが凄い事になっているらしい。朝、オートパイロットで格納庫に戻したベクスターを確認したくなったアーレイは「ちょっとみて来るわ」といって部屋を出る。
「アーレイ様本当にごめんなさい、私もお供します」
告白した事で胸のつっかえが取れたフローレンスはチョットだけ胸がすくような感覚に見舞われ、去り行くアーレイの背中を追うのだった・・。
<<ベクスターの格納庫>>
「悲観しても仕方ないし、本当に気にしないくていいからね」
「はい・・」
緊急事態では無いので作戦本部にリモートで呼び寄せる事が出来ず、直接自分の目で確かめるために格納庫へと向かう。アーレイは意を決してシャッター開閉のボタンを押すと、我が目を疑うような光景が飛び込んできた。
「こ、これ、確かに凄いね、なんとかして消せないかな(大汗」
「まさかあの子が芸術に目覚めるなんて思いもよらなかったです」
機体には痛い文言が並び、主翼に浮かぶ前衛的な作品を見たアーレイは呆気に取られ、怒りは霧散していった・・。
うわぁ〜上書きも出来ないんだ・・。
再度仕様書に目を通すと、この塗料は上書きしても先に塗った塗料が弾くと明記してあり、重ね塗りすれば良いやと考えていたが目論見が完全に外れ、軽い目眩が起きてしまう。
「あはは天真爛漫のドロイドだからね笑うしか無いよ、さてそろそろ呼び出すとしようか」
「あ゛あんなところにいた!きっとまた落書きしてる」
次は犯人のピンキーを呼び出し真意を問う事になるが、指差した辺りを見ると尾翼の向こう側にゆらゆらとアンテナが見え隠れしている。きっと追加で何か描いているのだろう。やれやれと頭をかきながらアーレイは近づき、フローレンスは止めようと小走りで駆け出してゆく。
「ピンキー、あなたもう描いちゃダメって言ったでしょ(オコ」
「きいてない、クーンのえをかいてた。これどう?」
船籍をクーンに変更した事を知っているらしく尾翼には王族の紋章である二匹の妖精と2本の剣が描かれていた。それよりも驚いたのは白色だったピンキーの装甲が、ブラックを基調にメタリックグレーで塗り分けられ、それをキャンバスに見立てたのか、濃い赤で細かく霞草みたいな模様が緻密に綺麗に描かれている。
「コリャたまげたわ、軍への再編入は完全に諦めだね」
「アーレイ様、あのですね昨日より更に進化しています」
昨日、格納庫を出た時にはまだ装甲に白色が多く残っていたし、それ以上描くなと釘を刺していた。にも関わらず目の前のピンキーは悪びれる様子も無く、綺麗に塗ったでしょと言わんばかりに堂々としている。
「もうこれは芸術と言っても過言じゃないし、この事象はドロイドの進化かもしれない」
「本当にそう思って頂けるのですなら、許しをもらえた気がします」
落書きを見ても激怒せず悪戯を受け入れる発言を聞き、許されたと感じたフローレンスはやっと笑みを溢す。今回の事で責任感が強く変に言い訳しない潔さを持つ事がわかり、アーレイ的に好感度が上がったのは内緒よ。
しかしあいつの芸術性は何処から湧いたのだろう謎だな。
頭を悩ますアーレイはまだ気が付いてないが、今回の騒動はもちろんピンキーのAiに精霊達が干渉した事が1番の原因だ。そんな事は知る由もないので、とりあえず何故その様な衝動に走ったのか聞くとフローレンスが手に持つ1冊の本を指さす。
「あのねーひめが見てたこのホンをミテー、かきたくなったの」
「アーレイ様、この冊子を見て感銘を受けたみたいです」
もちろんそれはデルタ・セセッション・ミュージアム特別展示品目録だ。フローレンスは説明する為に持ってきていたのたのだろう。手に取ったアーレイはピンキーが興味を示したとされる前衛芸術特集のページをパラパラと捲ると、思わず苦笑いをしてしまう。
「サイケデリックだね〜これ見てピンときたんだ。子供の悪戯にしてもレベル高いし(笑」
「あは、あはは・・(汗」
もう笑うしかないアーレイは怒ると言うより呆れ、フローレンスは見せたのが間違いだったと自責の念でいっぱいだ。当の本人は悪びれる様子も無く、空の塗料缶をクルクルと回して遊んでいたよ。
「これイイよね〜けどトリョーがなくなったよひめ」
「ピンキーもう買いません!!」
「オコ姫!」
「キー!!」
空気読めないドロイド、責任を感じプンスカと怒るフローレンスとのやり取りは見てて飽きがこない。アーレイは生暖かな目で2人を見つつ塗料面を軽く叩いてみると、制振ゴムを張ったようなボンボンと鈍い音が響いた。
「なんじゃこれは振動吸収加工しているみたいな音がするぞ、フローレンスこれは新たな発見かもしれない」
超硬度の素材をふんだんに使っているベクスターの外装を軽く叩けばコンコンと高音が響く。しかしこの塗料を塗った範囲だけ鈍い音が響き、これはもしや電波吸収に使えるかもしれないと閃いたアーレイは、言い争いを続けているフローレンスを止めに入る。
「本当ですか良かった〜お役に立てたのですね(喜」
「落書きしたからこそヒントを得られたと思うよ、結果オーライだから気にしないでね」
災いを転じて福となすでは無いけれど、新たな可能性を発見したとの言葉を聞き、失点をカバーできたと感じたのか抜群の笑みを溢しつつ「優しいねアーレイさま♡」と心の中で囁き、顔を赤らめながら寄り添うのだった・・。
<<その後・・>>
事務員「変更に手数料は不要です」
アーレイ「助かったよ」
落書きされたベクスターはカラーリングの変更届を出さなければならず、最悪型式認証の取り直しになれば大枚を叩く事になり、戦々恐々としていたが、登録変更のみと言われアーレイは安堵していた・・。
クリス「アーレイ奴は使えないから払い下げしていいってさ、となれば格安護衛になるな(笑」
ピンキー「ピンキー安くないもん」
アーレイ「ピンキーはバイトでもしてろ」
ピンキーは基本骨格までペイントしてしまい作り直す訳にもいかず、デルタ軍管轄から個人所有へと変更を余儀なくされる。因みにジェフが報告を聞くと笑いながら「責任とってあいつが飼えばいい」と発言したおかげで無料になった。褒美を貰わないアーレイに対し施しのつもりだろう。
マドック「電波吸収素材を混ぜたところ、とんでもない性能を発揮しました」
塗装面を叩いて閃いたアーレイは技研に塗料を持ち込み、マドックにテストを依頼したところ想像以上の結果が出てしまい、結局その製品は軍の管理下に置かれる事が決定されてしまう。
「これで業火級のメンテ問題が解決したな」
「そうですね、ステルス塗料が剝がれやすい外殻でしたのでメンテが楽になります」
ダイヤモンド並みの剛性を持つ業火級の外殻は、その特性からステルス塗料の密着度が低い。剥がれやすい性質からメンテナンスの頻度が多く課題だったが、ピンキーの悪戯から始まった今回の騒動がカギとなり、良き方向へと動き出した。
ーー
<<翌朝・アーレイの私室>>
<おはようございますアーレイ様、午後から王宮外での来客対応がありまして、申し訳ありませんが本日は出勤致しません>
出勤前の時間を計ったかのようにフローレンスから連絡が入り、今日は公務を優先すると言われる。彼女には暗殺命令が出ているので王宮外の仕事はアイシャが肩代わりしていたが、今回は商業連合のヴィニー副会頭が再任挨拶の為に訪れ、ジェフとの謁見後のエスコート役として出席せざる得なくなってしまう。
「おはようフローレンス、公務との両立は大変だね、護衛は普段より多めに配置して貰えよ」
<はい!陛下にも同じ事を言われました。心配してくださるのですね(喜>
「そりゃ死なれちゃ困るよ、大切な部下だし」
<そこは、大事な人って言うのですよ!(笑>
暗殺に関しては責任を感じているのでそれに沿った発言をすると、何とかして距離を詰めたいフローレンスは隙あれば言葉を引っ掛けて来る。とはいえ重い女は演じたくないのか、明るく振る舞い屈託のない笑顔を見せていた。
「そうですねーとてもだいじですよー(棒」
<もう!意地悪よアーレイ様>
気になる言葉を言わないように意地悪だけど棒読みで対応すると、プッと頬を膨らませるフローレンスは抜群に可愛らしい。前向きな彼女を見たアーレイは迷惑掛けてすまないと思わずにはいられなかった。
「大丈夫だと思うけど、気合い入れて頑張れよ」
<はい!頑張ってきます>
フラグを立てないように慎重に言葉を選びエールを送ると、すごくいい笑顔で返しつつ、キリッとした王女の顔に変わり画面から消えていった。
ーー
<<迎賓館・昼食会場>>
訪問した商業連合のVIP達は商談も兼ねているので参加者が数十名と多く、その為昼食会場はセキュリティーと質を考慮して王宮から少し離れた迎賓館で開催される。御一考様とフローレンスは王宮の地下と繋がっている秘密の通路を使い、狙撃を未然に防ぐ算段になっていた・・。
<<雑居ビルの非常階段>>
「思った以上に警備が凄いな、これじゃ安易に近づけないぞ」
「暗殺情報が流れたから警備を厳重にしたのだろう。見ろ設置型のシールド発生装置だ」
迎賓館から遠く離れた雑居ビルの非常階段の一角には二つの人影が見え、頬に傷がある黒ずくめの男は懐から取り出したスコープを覗き、サポート役なのか白髪が混じる金髪の初老の男は、デジタル双眼鏡を使い警備状況を確認中だ。
「あちゃーありゃ戦艦級の発生装置じゃないか、流石に正面は無理だな」
「まぁそれは想定内だから観測班に任せるとしよう」
もうお分かりだと思うがこの2人はディスティアが雇った傭兵で、スコープを覗くのはもちろん狙撃手、もう1人はアシスト兼取り纏め役だ。確実に成功させるため子飼いの5人からなるチームを潜入させていた。
「そちらの様子はどうだ、抜けるか」
<渡り廊下のシールドだけが強化されてないが、かなり遠距離だぞ>
「そちらに移動する」
5人で構成されている今回のチームはシールド無効化弾が通過できる場所を探し回り、超遠距離だが狙撃ポイントを見つけたらしい。非常階段に潜んでいた男達は短く返答すると忽然と姿を消すのだった・・。
<<とあるビルの屋上>>
「ボス、渡り廊下だけが可変式ではないので多分通ると思われます」
「ご苦労だったな、しかし遠いな・・」
当然だが迎賓館が見渡せる近くのビルには警備兵が配置され近寄ることすらできない。先ほど2人がいた雑居ビルは距離にして3キロほどあり、この距離からピンポイント狙撃するには、漫画に出てくるような超凄腕スナイパーでなければ到底無理だろう。別班が見つけたポイントもそれなりに遠方で、ボスと呼ばれる男は双眼鏡を覗きつつ厳しい表情を見せた。
狙撃手A「あの弾でこの遠距離は辛いな、下手すればすれば弾倉が空になるまで撃つ羽目になるぞ」
ボス「無効化弾は命中精度が悪いから仕方ないんだろ、まぁ最終的に王女が死ねば問題ない」
そもそもあの弾は命中精度が低く狙撃には向かないが懸賞金が結構な額らしく、フローレンスを亡き者にできれば護衛や関係者が死のうが知ったこっちゃ無いらしい。とはいえ難しい距離なので対策を練るため渋い顔をしていると、もう1人の狙撃手がニヤニヤしながらタブレットを見せる。
狙撃手B「いっその事、遠隔操作の広域クラスター弾じゃ駄目なのか、ボカンと一発だぜ」
迫撃砲のような組み立て式の筒を見せるこの男は人を殺すことに喜びを感じているのか、ニヤニヤと薄気味悪い顔をしてとても楽しそうだ。流石にやりすぎと感じたボスは訝しげな表情を浮かべていた。
「星団法の使用禁止兵器を使えばディスティアが一番先に疑われるし、無差別大量殺人の容疑者として売られるぞ」
「チェ仕方ないな、ここから狙うことになれば2人で乱射しかないね」
裸眼だと見えない渡り廊下をスコープを使い覗くと、地表の温度が作用して朧げにしか見えない。不確定要素が多く一発必中など無理な話なので、乱射することでその目的を達成しようとしていた。
「大丈夫だ、この弾なら掠るだけで心臓が爆発するぞ(笑」
ボスが手に持つ銃弾はアーレイが浴びた物より二回りは大きく薬莢も太くて長く、地球最強の460ウェザビー・マグナム弾より何倍もの破壊力が生み出される筈だ。数時間後、無防備なフローレンスにこの大口径の凶弾が降り注ぐ事になれば、肢体がバラバラになり見るも無惨な姿に変わり果てるだろう。
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