フローレンス王女と女王アデール。
ヒロインのフローレンスはアーレイの秘密を少しだけ知ってしまう。
<<8:00:上級士官専用官舎>>
ピッピッピピピ、目覚ましの音が朝を知らせる。士官用宿舎に引越しをした翌日、まだなれないベッドから起き上がるアーレイは、変な新鮮味と微妙に居心地の悪さを感じるそんな朝を迎えていた。
「さてと、引率しますか」
のんびりと支度を終えたアーレイは遅めの朝食を済ますと、2人を迎えに王宮に出向く。
<<9:30:デルタ王宮客間>>
「おはようございますアーレイ様、本日はよろしくお願いします」
「アーレイ様初めまして、フリップと申します」
客間に通されると初顔合わせのフリップとフローレンスが出迎えてくれる。今回は惑星クーンに出向き初謁見と精霊の儀を執り行う。不安なのか既に作り笑いが引き攣っていた。
「姉様からアーレイ様の活躍を聞いていまして、とても尊敬しています」
「やれる事をやってるだけだよ」
数えで16歳になるフリップは肩まで伸びた金髪、澄み切った青眼持ちで、ジェフの面影が残る中々ハンサムな好青年だ。初めて会ったがフローレンスが褒め称えているのか羨望の眼差しを向けられていた。
「アデール様との謁見を前にとても緊張しています」
「礼儀作法には厳しい方と聞いておりますが、普段通りで大丈夫かと」
意識を読めるアデールの前では、本心を隠し取り繕っても無駄ですよと付け加えると、フローレンスは引き攣りフリップは半泣きに変わる。
「き、緊張させないでください」
「嘘偽りなく平常心で接すれば大丈夫です。それでは参りましょうか、イッて」
特殊能力を知らないままだとやらかす可能性があるので一応伝えてみた。すると「もう意地悪!」と言いつつ脇腹をつねられたよ。
<<惑星クーン・周回軌道上>>
周回軌道上にある巨大な亜空間航行システム、通称ゲートの中心部が鈍い光を放ち始め、王族専用艦ファーレンハイトがゆっくりと姿を現す。ベクスターで直接向かっても良かったが、たまには船路を味わえとジェフに言われ乗ってきたのだ。
「うわぁー、デルタと全然違う!」
「ラインスラストとはと段違いに綺麗ですね」
「獣人達は森を大事にしますので自然豊かなのです」
眼下に見える惑星クーンは真緑色と真っ青な海が織りなすグラデーションが素晴らしい。見入っているフローレンスとフリップは他国に出向くのは今回で2回目だそうだ。テンションを高めて見物していると程なくしてクーン宇宙港に到着する。
「それではベクスターにお乗りください」
「あれ、これってもしかして」
格納庫に移動すると尾翼の紋章が消されたベクスターを一目見て、アーレイの個人機だと気がついたようだ。機内に入れば内装が気に入ったのか、ベクトランも同じ仕様にしてくれと頼まれてしまう。
「ベクトランはお気に召しませんでしたか」
「そんな事は無いのですが、王宮の中も白ですよね、あれ落ち着かないの」
「あははそうでしたか、変更するなら陛下次第ですね」
ベクトランは白が基本、ベクスターは反対に黒色がメインで、それに合わせてマホガニーのようなシックな木目調を採用した。この事が彼女の好みか何かに触れたらしく「絶対説得しますのでお願いします」と目力強く頼まれてしまい、一度決めたらやり抜く芯の強さが垣間見え、アーレイはもしかするとこの子は大化けするかもしれないと思うのだった。
「発艦するナノ」
電磁カタパルトから射出されたベクスターは、一路クーン城を目指し大気圏に突入してゆく。
<<クーン城・正面玄関>>
「フローレンス王女様、フリップ王子様お成りです」
初顔合わせが目的とはいえ王族の来訪は特使という建前もあり、歓迎の意味を込めた儀礼として城の正面から入場する。数十名の侍女達に出迎えられそのまま謁見室に入ると、にこやかな笑みを溢すアデールの姿が見えた。
「初めましてアデール女王様。わたくしデルタ王国第2王女、フローレンス・オブ・ロセッティと申します。以後お見知りおきを」
「同じく第3王子、フリップ・オブ・イーガンと申します。以後お見知りおきを」
「ようこそクーンに、私が女王アデール ・ラファージュよ」
背筋がピンと伸びたフローレンスはブレる事無く綺麗なカーテシーを披露し、フリップは胸に手を置き軽く一礼をする。アデールはにこやかに挨拶を終えると「さあお茶にしましょう」と言い、颯爽と客間へと足を向け、出足は好調に見えた。
<<クーン城・客間>>
着座するなり精神魔法を駆使して2人の意識を読み取るアデールは、先程とは打って変わって厳しい表情を浮かべ始めた。
「2人とも遊びできたつもりなら、もう帰って良いわよ」
威圧を軽く掛けながら2人を睨みつける。もちろんこれはテストの一環だけど、その表情からは親の七光で女王に会えただけよと言いたげだ。
「え゛!」
「い、いきなり」
蛇に睨まれた蛙の様に動けなくなった2人は冷や汗をかきつつ、アーレイに助けを求めようとギギギと固まった首を動かす。しかし先程まで背後にいたはずだが、代わりにズドドとベクスターのエンジン音が響き渡り、否応が応でもアデールと向き合う覚悟を決めなければならなくなってしまう。
「あら、悪感情や敵意を感じ無いわ、ジェフは甘やかして育ててないようね」
「勿論でございますアデール様、デルタの名に恥じぬよう精進してまいります」
腹をくくったフローレンスは短く深呼吸をすると真剣な表情をして向き合う。まあ内心はビビってはいたが、一言も言わずに忽然と姿を消したアーレイ、手のひらを返すように態度が一変したアデールは、単に試しているだけだと流石に気が付く。
「ウフフ、これくらいにしてお茶にしましょう」
揺れ動く意識が定まる頃、アデールは侍女頭を一瞥する。それが合図となり音を立てずに茶器を配り、ポコポコと鮮やかな赤茶色のお茶を注ぎ湯気が立ち昇れば、場の雰囲気が少し柔らかくなるが、実はまだ試練の途中だ。
「アデール様、ご相伴にあずかります」
「アデール様、ご馳走になります」
先制パンチを喰らい緊張すれば茶葉の味など分からないだろう。それが狙いのアデールは、神妙な面持ちでお茶を飲む2人を横目で見ながら自身も喉を潤す。
「クーンの茶葉はお気に召したかしら(笑」
先程とは打って変わった優しげな表情を浮かべ、緩急を付け相手の精神を揺さぶることに余念がない。フリップは気を抜き安堵の表情を浮かべたが、フローレンスは反対に少し小難しい顔をする。
「失礼を承知で申し上げますが、これは上物とは言い難いです」
「わわわ姉様、いきなり失礼ですよ」
焦るフリップを尻目に 正直に美味しくないと表現すれば、次に返す一言で性格を見抜かれ、今後の待遇に違いが出ると考えていた。するとアデールは満足そうな表情を浮かべつつ、返事はせずにフリップを横目で流す。
「それでフリップはどうなのよ」
「僭越ながら申し上げます?味は無く、微かながら花の香りを感じました」
色だけのお茶に地球で言うバラ科の花茶を少しだけ混ぜ、王族の嗜みのひとつである敏感な味覚が試されていた。まあ絶対習得しなければならない訳では無いが、どちらかと言うとフリップの対応を見極める方に重きを置く。
「よく見抜きましたわね、さあテストはここまでよ美味しいお茶を召し上がれ」
勘のいいフリップは姉の答えからヒントを得たのか、物怖じせず自分の舌に自信を持って答えていた。アデールは軽く口角を上げると、頃合いを見ていた侍女達は茶器を下げ新たなお茶を入れ直す。先程とは比べ物にならないくらいの茶葉の匂いが鼻腔を擽り、もう飲む前から上質とわかり自然と笑みへと変わる。
「なんて甘くて美味しいお茶なのですか」
「旨味が強く甘く美味ですアデール様」
「獣人が手塩にかけて作った茶葉よ、休憩したら精霊に会いにいきましょう」
無事にテストから解放された2人は最高に美味しいお茶を嗜み、もうひとつの目的である精霊降臨の儀に挑む事になる。
ーー
<<クーン城・裏手の祠>>
「暗いよ〜怖いよ〜、本当に妖精さんはいるのでしょうか」
祠の中はアーレイの時と同じく奥に進むほど暗くなり、先を照らす懐中電灯はアデールしか持ってない。恐る恐る腰を引きながら歩くフローレンスはこの後、暗闇攻撃の恐怖体験が待ち受けてい
「わっ、わわわ」
「ねぇわたし綺麗?」
ライトが消え少し経つと背後が明るくなり振り返る。そこには薄緑色の長い髪が四方にウネウネと広がり、耳が尖った青い顔色のゴブリンアデールがいた。もちろんお化けライトでマジ怖い。
「ギャー!ア、ア、アデール様、冗談がきついです(汗」
「アーレイもビビっていたわよ(笑」
暗闇攻撃の事はアーレイから聞いていたと想定して、偽装魔法で顔を変え更に背後から脅かす念の入れようだ。心臓が止まるくらい驚いたフローレンスは「もしかして性悪女なの」と考えるとアデールはニヤリと笑う。
「うわぁバレた(汗」
「あのね、実は悪戯好きなのよ(笑」
アラフィフとは思えない無邪気な微笑みと、明るめのトーンで語り、客間で見せた落ち着いた雰囲気とは対照的だ。そして「暗くて怖いなら明るくするよ」とライト魔法を無詠唱で繰り出し、周囲を明るくしてくれる。
「魔法が使えるなんて凄いですね」
「本当は人の役に立つ魔法が好きなの」
歴史書には星団戦争で活躍したとだけ記述され詳細は語られないが残虐な首切り女王としての噂が絶えず、出生を含め多くの謎を持つアデールの秘密を少しだけ垣間見たフローレンスは何だか嬉しくなり、さっきまで怖かった道のりが急に楽しくなっていた。
<<妖精たちの棲家>>
「妖精に呼ばれない限り、くれぐれも奥の小屋には近づいちゃダメよ」
「わかりました」
黒の精霊の棲家とは言わず「楽しんできなさい」と背中を押され、ギギギと軋む重厚な扉を開けるとあのメルヘンチックな世界観が飛び込んできた。思わずその景色に心奪われフローレンスは少しの間、立ちすくむ。そして森の中を歩き進むと、あのお菓子が盛られたテーブルの所に辿り着き、食欲を唆るバターの香りとカラフルなチョコに目を奪われたが流石に手出しはしない。
「美味しそうなお菓子だけど食べちゃだめよね、あれ?あれが妖精さんなのかな〜」
ふと、空を見ると何匹もの妖精が舞い、その中の1匹がゆっくりと降りてくる。
水の妖精「こんにちは、フローレンス」
フローレンス「こんにちは妖精さん」
名乗ってないのに名前を呼ばれ一瞬混乱したが、それよりもちっちゃ可愛らしい空色の妖精を見て、思わず可愛い!と頭の中で想ってしまう。
「でしょでしょ、可愛いでしょ!」
「ええ、妖精さんって思考を読めるの、どうしてなの」
疑問に思ったので聞いてみると「それはねナイショよ!」とはぐらかされてしまう。妖精は魔法を発する根源でありそれが当たり前のことだけど、魔法技術が衰退したデルタでは学ぶ場が無く知らなくて当然だ。人外な力だと理解したフローレンスは気を取り直し「そのうち教えてね」と返す。
風の妖精「お菓子美味しそうでしょ、食べたらいいのに」
フローレンス「ええとても、けど私の物ではないので食べません」
火の妖精「そっかーお行儀がいいね(笑」
やり取りをしていると2匹の妖精が降りて来てお菓子の事を聞いて来る。これは性格を見るテストらしく、手を出さない事で合格点を貰えたようだ。因みにアーレイは椅子に座っただけなので合格だけど、余りにも堂々とした態度にムカついたらしい。まぁそれ以外にも色々理由はあるがそれは後々・・。
土の妖精「貴女は何をしに来たの?」
フローレンス「精霊さんに会う為です」
この場所で妖精と触れ合うと精霊の加護が貰えることなど知らないフローレンスは素直に答え、妖精は「何で最近こうも引き寄せられるのかな」とボソッと呟いた。勘のいいフローレンスは「アーレイ様も来たのかな」とちょっと考えてしまう。
「ねぇ、性悪アーレイ知っているの(オコ」
「えっ、あの面白くてイケメンのアーレイ様ですか(喜」
土の妖精はアーレイの名を聞くと途端に真っ赤な顔して不機嫌になり、様子を見ていた真っ白な光の妖精が降りて来て、フローレンスの脳内がバラ色と分かると「あなたアイツのこと嫌いじゃないんだ!」と驚き腕を組んで呆れていたよ。
フローレンス「好きか嫌いかと言えば好きですよ、嫌な事あったのですか」
光の妖精「なんであんな男好きなのよ〜私を馬鹿にしてムカつくわ~」
話を聞けば「チョット上から目線で呼び付けただけなのに嫌味で返された」とプンスカと怒り、聞いていたフローレンスは「アーレイ様は遠慮しないし上から目線だとそうなるわね」と考えクスッと笑っていたよ。
風の妖精「黒の精霊様がお呼びです。会う覚悟はあるのかな」
フローレンス「はい、もちろんです」
返事をするフローレンスは既にアデールと同じ能力を発揮できる選ばれし者として進化していたが、成人ギリギリで変化するのは凄く稀なことだ。5精霊の加護を持てる適性者は10歳を過ぎた頃、クーンの紋章が背中に現れ17歳になる頃には側室として召し上げられるのが通例だった。なぜ今になって変化したのかというと、それはアーレイが星団に訪れた事で未来の枝葉が分かれ、運命の歯車が動き出してしまったのだ。
<<黒の精霊の住家>>
「私達はここまでよ、外で待っているから」
道案内役の5精霊はふわりふわりと黒い木々に囲まれた丸太小屋の近くまで来ると「そこの扉を開けて中に入って」と言うと立ち去ってしまう。フローレンスが軽くノックをすると「どうぞ」と返事があり、恐る恐る中に入るとブラッドでは無く成長する前の男の子がポツンと椅子に座っていた。
「あなたが黒の精霊様ですね、初めましてフローレンス・オブ・ロセッティと申します」
「僕が黒の精霊だよ、そうそう君は何故か5精霊に好かれたね、獣人精霊女王になる可能性があるよ」
「5精霊の加護って・・ま、まさか私が獣人精霊女王になるのですか」
何ら変化も無く言葉だけで実感が沸かないフローレンスは驚くと言うより呆然としていた。ブラッドは正式な女王の因子を持った候補者を探し回り、数年前とある惑星で出会っているが、その星には妖精が存在しないため正確な位置がわからず、帰還を含め不確定要素が大きすぎて可能性があると言葉を濁していた。
「ひとつ言える事はアーレイがこの星団に帰還したことで未来が大きく変わろうとしている」
「帰還って彼は異世界人ですよね、何か知っているなら教えてください」
口が滑ったブラッドは一瞬しまったと表情をしたが「彼の事を喋ると未来が変わるのでこれ以上は何も言えない」と冷静に返す。何も言えなくなったフローレンスは自身に起きた変化に対して考え始め、急に表情が曇り始めてしまう。
「私に精霊の加護は本当に必要なのでしょうか」
「それは必然なのだ。正式な因子を持った女王が現れなければアデールの後を継いでくれるか」
「お断りします、私はデルタ王族として生まれ、デルタの民の為に役に立ちたいのです」
王族として王女としての義務を理解しているフローレンスはきっぱりとお断りを入れる。ブラッドはここで強権を発動しても碌な事にならないと分っているのか「君は候補者として選ばれた時の波に従えば良い」と言い放ち、精霊の加護を一時的に無効化するための術式を組み始めた。
「わわわ(汗」
「選ばれた以上、無闇に加護は外せないが一時的に精霊の力を無効化した」
「ありがとうございますブラッド様」
術式が発動するとブラッドの手先から小さな光の玉が現れ、それがフローレンスの胸に吸い込まれていった。完全に効力を止めたので不死の特典は得られないが、これでサフロンなど高位術者には気づかれることは無いだろう。
ーー
<<クーン城・客間>>
「それで5精霊の加護は封印されたのね、それなら魔力解放は始まらないわ」
「アデール様、魔力解放とは一体何なんでしょうか」
客間に戻って来たフローレンスは森に入ってからの出来事を語り今に至る。だが魔力解放という聞き慣れない言葉を前にして絶賛混乱中だ。因みにフリップは交代で祠へと向かい妖精達とお話し中だったりする。
「今は発生しないから大丈夫よ」
アデールは説明を始め、魔力が溜まり始めると全身が高揚感に包まれ、落着きが無くなり身体が火照り脂汗をかいたり、稀に魔力総量が莫大だと神経が過敏になり過ぎて性欲が爆上がりして抑えが効かなくなると説明してくれた。因みにアーレイはクローン体の影響で魔力が殆ど溜まる事がなく、解放が発生しても大したことはないらしい。
「わわわ、その体験はしたくないな~(汗」
「ところでアーレイの事どう思っているの、貴女からは好意のシグナルが見えるわよ」
「精霊にも聞かれましたアーレイ様は面白い方ですよね・・それとデルタの人気者です(喜」
おもい人の事を想像したのか俯き加減でぼそぼそと語るフローレンスは恋する乙女そのものだ。それに気が付かない訳が無いアデールはニンマリと口角が上がり「そうだね、それで貴女の気持ちはどうなのよ」と軽く自供魔法を無詠唱で発動して探りを入れる。
「好意は持っていますけど・・・あの、その、お父様に・・」
「どうしたのフローレンス、ジェフに何か言われたのかい」
「ええ、チャンスをやるから落としてこいと」
今回のクーン訪問には隠された命令が存在している。それはアーレイと親密になれということなのだが、役目を与えられたフローレンスはデルタに血を残してほしいと願っているジェフの考えを汲んで、肉体関係を結ぶのが目的と勘違いしていた。
「ジェフも苦労しているのね、それなら夜伽でもするのかしら」
「子供じゃありません。けどそれは恥ずかしいですけど・・アアン、もうどうしよう~」
顔を赤らめモジモジとアデールの問いに答えるフローレンスは、本当は結ばれたいのだけれど、何はともあれ一番最初にキスしたいし、けど誘って乗ってきたら初めてで緊張しちゃうだろうし、などなど色々なシチュエーションが脳裏を駆け巡っていた。
「私から見たら子供だよ、けどアーレイは手を出さないわよ、添い寝くらいして貰えば」
「無理やり寝床にお邪魔したら私の事を嫌いになるかもしれません」
「えっ!あなたもしかしてアーレイの事を本気で好きなの、頭の中が薔薇色で染まっているわよ」
想像力が豊かなのかフローレンスは赤ら顔を手で隠してイヤンイヤンしたり、ポケっと上を向いてえへへと呟き妄想中だったりと、とにかく忙しなく恋愛オーラを辺り構わず振り撒く。そんな恋する乙女を見ていたアデールは生暖かい目で眺めていたよ。
「ただいま戻りました」
「あら3精霊の加護かしら、残念だったわね」
祠から戻って来たフリップは妖精達との相性が悪かったのか、3精霊の加護しか貰えず少しご機嫌斜めになったとさ。
宜しければブクマか評価か感想を、お願います。




