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星団最強なのに回りくどい奴の物語。だってすぐ終わっちゃうじゃん。(改稿中)  作者: 耀聖(ようせい)
奴隷獣人解放、アーヴィン電撃作戦。
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お茶と休暇日日記。

フローレンスとのお茶と休暇の様子だよ。

 <<デルタ王国・謁見の間>>


 クリス「ただいま戻りましたジェフ陛下」

 アーレイ「任務完了しました。もう帰って良いですか」

 ジェフ「アーレイそう言うな、短期間で奴隷問題を解決してくれた、ここに・・」


 謁見室に入ると早々にいつもの掛け合いが始まりを迎え、執事や侍女が生暖かい目をして見守る中、後ろに控えているフローレンスの口角は既に上がり「ククク」と笑いを堪えているそんな状況だ。


 「勲章いらない」

 「なんと!ならば昇進!」

 「上がりたくない」

 「フローレンス!」

 「貰わない」

 「報奨金!」

 「少し」

 「休暇!」

 「是非!」

 「相変わらずだなアーレイ」

 「ええ、まぁ」


 呆れ顔になってしまうジェフは相変わらず遠慮しないアーレイが実は面白くて仕方ないのだ。しかし公の場で話し言葉は禁物なので、少し口角を上げつつやり取りを続ける。


「そうか、なら2週間休め」

「ありがたき幸せで御座います」

「ぷっぷ」


 後ろでフローレンスがまた笑っていたが、ジェフはジロリと睨み牽制すると1枚の手紙を見せた。


「おいお前、一体何やったんだ。ジャクリーヌから感謝状が送られてきたぞ」


 律儀に手紙を送り「この度は大変お世話になりました。これもアーレイ様のお陰です」などと感謝の言葉が綴られ、まるで友好国に送られる文面を見てジェフは呆れていた。締めに「今回のことで ”大将軍” 確定らしいぞ」と詰め寄ってくる。


 「友達登録をしましたし、これからは頼もしい協力者です」

 「はぁ?何だそれ」

 「ええ〜マジですか」


 クーン精霊女王が本当の支配者とは表立って言え無いが、歴史上それが幅広く認知されているカルネ共和国は、クロウ星団に位置している以上、残念ながら敵国認定されている。だがしかし今回は協力を惜しまないと明記され事実上の叛乱になり、正式発表されれば考えなくても総力戦になってしまうだろう。流石のジェフもこの成果に顎が外れそうな勢いだ。逆にフローレンスは評価として受け取ったのか、驚きながらも凄く関心していた・・。


 「カルネ共和国とは今後戦いません。書面は交わしていませんが不戦協定を裏で交わしました(キリ」

 「なんと!お前なーどこまで斜め上なんだ(呆」

 「ですので、デルタ軍はカルネ軍に対して、無暗に戦いを仕掛けないでくださいね陛下!!」


 呆れ顔を通り越して、逆に情けない顔に変わったジェフは「わかったよ、そうするよ」と返し、これはチャンスと言わんばかりにアーレイは「じゃ、これで!」と宣言して踵を返し始めると「おいまだ済んでない!これは勅命じゃ!フローレンスとお茶して帰れ!」といきなりとんでもない事を言い始める。さっき娶れとか言っていたので、流れ的には引き留め工作の一環と理解したアーレイは横を向いたままジト目になる。


 「なんだ勅命だぞ、何か不満か?」


 詰め寄るジェフは困り顔をしていたので無下にできず「わかりました〜、お茶してきまーす」と軽く承諾するとそのまま部屋を出て行った・・。


 ーー


 <<王宮・廊下>>


 謁見室を出るとクリスが大笑いを始め「マジウケる」と肩をバシバシ叩かれたよ。そして「王族に急接近しているお前は貴族に妬まれているぞ」と教えてくれる。しかしアーレイはどこ吹く風で「気にしない、文句があるなら直接言えば良い」と気にも留めてなかった。


 <<デルタ王宮・客間>>


 「お久しぶりですアーレイ《《大尉》》」


 フローレンスが待つ客間に入れば既に大尉になってるし、不機嫌な表情を浮かべると「張り出してありましたわよ」と言われてしまい、アーレイはボソッとクソ狸め!と呟いた。


 「陛下と仲がよろしいですわね(笑」

 「ちょっと心外です!ふん!」

 「すみませんこの時間しか空いてなくて、けどやっと会えましたね(喜」


 適齢期の王女が貴族でもないアーレイをお茶に誘うのは憚られるどころか、週刊誌を賑わす事になりかねない。なのでジェフの策略に乗っかり秘密裏にお茶をしたのはズバリ婿探しのためで、回数を重ね、人となりを確かめていたのは内緒です。


 「フローレンス様はお美しいですから、ご一緒できるだけで嬉しいですよ」

 「本当ですか?本気にしますわよ」


 婿探しと行ってもアーレイの事がすっかり心の奥に引っ掛かり、実はお茶を心待ちにしていた。なので褒められると思わず本音を吐露してパッと笑顔に変わる。アーレイは社交辞令と自分の気持ちを半々くらいの割合で表現したつもりだけど。その変わりようを見て「ヤベやっちまった」と思いちょっと反省することに。


 「嘘ではないですが、嫁は勘弁ですね」

 「あら残念。なぜそこまで拒否するのですか、王族はお嫌ですか?」

 「あのですね詳細は話せませんが、婚姻はダメなのです」


 見た目は20代で独身設定のアーレイの中身は既婚者の古木だ。流石に20歳以上も離れている王女を誑かす訳には行かないと、勝手に心のブレーキが掛かり思わず駄目だと言ってしまった。


 >

 「嘘つきアーレイ」

 「こら!」

 「だってそんな決まりないじゃん」

 「俺的な線引きだよ」

 「フーン」

 >


 年齢的な事で躊躇する意味などわからないAiはアーレイに文句を言うが、実は好みの女性で、その迷いもあって少し心情的には揺れていたの秘密よ。


 「アーレイ様、もう少しヒントをくださいまし」

 「独身なら良かった」

 「はい?アーレイ様は独身ですよね。ああもしや」


 口が硬いだろうとヒントを出すと聡明な彼女は「異星人でしたか」と一発で見抜き「私は構いませんのよ」と続けながらウフフと笑う。性格も良くて美人、形が良すぎる双丘を持ち、細身で完璧な立ち姿はアーレイの好みそのもので、本当に独身だったら娶っていたかなと考えつつ「色々あるのです」と濁すしか無かった・・。


 「アーレイ様、なぜ異星人の貴方がそんなにデルタの為に頑張るのですか?」

 「デルタは私の力を必要としていましたし、少しでもお役に立てるならと思って頑張っているだけです」


 少し謙遜気味に返すと「死んだらどうするのですか?」「残された家族のことを考えないのですか」と結構突っ込んでくる。人となりを探ると言うよりは、興味が湧いて色々知りたい状態だろう。


「気持ちよく送り出して貰った手前、少しは活躍して戻らないと見せる顔がありません」

「凄く頑張り屋なんですね、貴族と違って結果も残しているし」


 どんな場面でもベストを尽くす事で結果が出ただけとしか思ってなかったアーレイは、王族の方が何倍も大変だというと、フローレンスは凄く意外な顔をして驚き「贅沢しているとか特権だとか偉そうだとか言われ悩んでいます」と胸の内を明かし「それは心が狭いと言うか、相手の立場に寄り添えない心が貧しい者の考えです」と言い切ると、目をキラキラさせて前のめりになり、「アーレイ様は言い切りますね!」と凄く好意的に捉えていた。


「王族は恋愛、婚姻に関して選べないことが多いですし、国益の為の結婚なんて庶民には理解できませんよ」

「そうなのです、私も一度で良いから小説の様な”熱く激しい恋”をしてみたいのです!」


 既に自分がその状態に陥り始めている自覚が無いフローレンスは、願望を語りながらアーレイをジッと見つめ、それはまるで恋する乙女そのものだ。


「そ、そうですよね~(引」

「出来ないからこそ憧れますよね〜、”心ときめく恋” 愛し合う2人は夕日の前で抱きしめ合う!はぁ〜憧れます〜」


 誰を想像して妄想してるのか分からんけど、恍惚の表情に変わるフローレンスはアーレイに期待しているのかうっとりとした表情に変わり、侍女頭のグリゼルはその想いが成就する事を願っているのだろう、生暖かい目をして見守っていたりしています。


「フローレンス様も普通の “乙女” なんですね」

「やだ、私ったらアーレイ様の前で恥ずかしい!」


 我に返ったフローレンスに「可愛らしいところ見ちゃった」と追い打ちをかけると顔を真っ赤にしてイヤンイヤンし始めた。ここで「感情豊かで可愛らしくて素敵です」とか「その可愛らしさはまるで天使の様だ」などと歯の浮く様なセリフを並べれば、夢見る彼女は好意的と捉えプロポーズの言葉を心待ちにするだろう。だがそんな状況を作りたくないアーレイは時計をチラ見していた侍女頭のグリゼルを一瞥する。


「姫様、そろそろお時間で御座います」

「恥ずかしい締めになってしまいましたね。またお茶してください」


 予想通り次の予定が迫っていたのだろう。グリゼルが終わりを告げお開きとなり、フローレンスはまだ話し足りないなのか、次回を期待する言葉を残し部屋を後にした。


 >

「来る!きっと来る!」

「何がだ?」

「フローレンス様、結構好意的でしたよ、オキシトシン、ドーパミンにセロトニン」

「毎回毎回いらん情報ありがとう」

 >


 恋愛感情をホルモン値で推測する空気読めないAiを、どうしてやろうかと考えたが、斜め上の思考は自分もだから仕方ないかと思い諦めたアーレイでした。


水の精霊「よっしゃ!これで行こ」

闇の精霊「ヤミ〜」


 ーー


 <<アーヴィン王国>>


 ディスティア宇宙探検時代にファーストコンタクトを行った国がアーヴィン王国だ。友好関係を築くものの宇宙技術に差があり過ぎて常に下に見られ、属国に近い関係に陥っていた。現国王オーランドの祖先にあたるラケール女王は、その事を憂い関係改善に乗り出し、稀に見る才能を開花させ、対等な地位を得ると共に裏ではアデールとの親交が深く、そのお陰で星団側と大規模な戦争に発展する事は数える程しか無かった。そして長らく平穏な時代が続いたこともあり、代々の国王は争いを望まない事なかれ主義に変わり果て、ディスティアに付き従うのが通例になっていたりする。オーランドも同様に為政者としての器は小さめだ・・。


 <<数日後アーヴィン王国・アーヴィン城>>


「ジャクリーヌ様、お時間になりました」


 商人の事情聴取は即日デルタで行われ情報はジャクリーヌにも伝わり、その日の内に雇い主の家には強制捜査が入り、関係者は全て捕縛されることになる。後日、身柄が送られて来ると地検に告発を済ませ、僅か数日であれよあれよという間に全てを終わらせることに。そして最後の締めに満を持してオーランド国王との謁見に挑む事になる。


「オーランド陛下お話があります!」

「わわ、わかった(汗」


 メデューサに睨まれて石化してしまうくらい力強い目力と、やる気と怒気が混じる迫力満点の威圧を振りまくジャクリーヌに、迫られたオーランドはタジタジだ。そして「星団最後の奴隷国家と言われたいのですか」と詰め寄られ「お任せします」と返すのが精一杯だった。


 <<アーヴィン刑務所>>


 任されたジャクリーヌはヒャンドの判例を参考に関係者に対する処分を決め、それをそのままオーランドに渡す。一々精査したく無いのか「勅命だ。裁判は無しだ」と言ってさっさと判決が言い渡された。


「もう死刑台かよ」


 性的暴行を加えていた連中と紹介した商人は当日死刑となり、これにより高位貴族の3分の1が没落してしまう。


 「コンドラトはディスティアに泣きついて無罪とは」


 悪の根源コンドラトはカルネの強襲部隊と入れ違うようにアーヴィンを離れ、そのままディスティアに逃亡すると独裁者であるセオドールに泣きつき、国籍をディスティアにロンダリングして訴追を逃れることになってしまう。とは言え奴隷ネットワークはほぼ壊滅してしまい。奴隷ビジネスは衰退の一歩を迎え、長かった奴隷解放作戦は終了を迎える。


 >>>>>>


 閉話「アーレイの休暇日記」


「休みをもらったのはいいが、君のお陰で休暇は一緒だってよ」

「悪ぃクリス、文句は陛下に言ってくれ」

「どこいくー」


 長期休暇に入り私服に着替え繁華街に向かうものの、複数人の敵国の影が見え隠れしてどうも落ちつかない。ピンキーが同行するので無闇には手出しはして来ないけど「見ろ、あれは各国の影だ」とクリスが指差し完全に単独行動が出来なくなってしまう。


「とりまシュワシュワだ!」


 バーに入り遊び相手を探そうとするけど、程なくして諜報部員らしき男がワラワラと入ってくる。


「俺の時間を奪わないでもらおうか!」

「・・・」


 目つきが悪いオッサン達が20代のイケメン2人を凝視すれば男色と勘違いされ、プロ(売春婦)くらいしか声を掛けて来ないだろ。暫くは酒を楽しみ、今までおいそれと出歩けず買えなかった服を漁り初日が終わってしまう。


 <<2日目・早朝>>


 早朝シャトルに乗り姿を晦まし、山間にある温泉施設に向かったのでゆっくりできた。夜、クリスを放置してまたバーに入ると・・。


「お連れさん?」

「いや、ちがう」


 振り返るとピンキーの後ろに渋滞が出来ていたよ。


 影ディスティア「・・・」

 影アーヴィン「・・・」

 影フェデラリー「・・・」

 影ブライン「・・・」


 この前のバーで見た顔ばかりだ。呆れたアーレイは「おいお前ら1杯、奢ってやるから自己紹介しろ」って言ってみた。そりゃみんなびっくりしてたよ。けど互いの任務をわかっているらしく素直に自己紹介してくれた。まぁピンキーがレーザーソードを構えていれば戦う気も失せるだろう。何せ3名+数名を瞬殺した情報を知っていたからね。


 「お前ら大変だな、今日は奢るから飲んで任務を忘れなさい」


 アーレイが断言するとそりゃ楽しかったわ。とある国(アーヴィン)の影は「バーの経費が落ちなくて助かるわ」と言いだし、共和国の影は(フェデラリー)「出張費が安すぎるとか」「危険手当は戦闘時以外出ない」とか暴露し始めた。終いにディスティアの諜報部員が「高級ホテルは経費で落ちない」「微妙な張り込みは自腹」の時があるとか、日ごろの不満を爆発させ”暴露大会”を開く始末だった。


「ア、アーレイ大尉、敵国の諜報部員と仲良くなるって・・(汗」


 因みにデルタの諜報部員もジェフの命を受け遠巻きで見ていたが、余りに和気あいあいとする姿を見て割り込んで来る。とは言えみんな知った顔なので「お前も加われよ、実情を知るにはいいチャンス」だと語ると「お互い様だからな」とディスティアの影に言われる始末だった。


「結局、アーレイ大尉が全ての事に関わっている事は掴んでますよ」


 影同士で情報のすり合わせを行い「新型艦の設計」や「商業連合の一戦」「資源争い」「捕虜奪還、解放」の全てはアーレイが先陣を切って成果を出していたことは全てバレてた。けど、膝を突き合わせて杯を交わすと、みんな職務に邁進する良いやつばかりだったよ。


「国を背負って頑張っているのはわかる、俺も出来れば戦いたくは無い、けどな命令には背けないだろうからその時は全力で相手してやる、お互い切磋琢磨しような」


 男気を見せるアーレイに対し各国の諜報部員は酔った勢いもあるけど、一部は泣きながら「こんな上司なら良かった」「やっぱ武人だ間違いない」とか色々総評を頂いた。とまあ盛り上がったところで今回は隠れ飲み会だから内緒にしようね、と言って別れたよ。


「明日は釣りに行くから適当に休めば」


 4日目の夜、相変わらずバーで皆と飲んでいる時、次の日の予定を伝えると、翌日、監視の距離が遠くなり「一緒に釣りするか」と言ったら流石に遠慮して、「陸で待ってます」と言われたわ。その後はクーンに出向き多少のんびりできたけど、一番楽しかったのはバーでの出来事と釣りだけだった。とりま久しぶりに新鮮な魚を食べれたので満足したけど、明日からはまた戦いの日々と思うのと、おいそれと外出できなくなり何となくやるせない気持ちになるアーレイだった。


 文責 アーレイ


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