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星団最強なのに回りくどい奴の物語。だってすぐ終わっちゃうじゃん。(改稿中)  作者: 耀聖(ようせい)
奴隷獣人解放、アーヴィン電撃作戦。
31/573

アーヴィン王国救出作戦(上)

いよいよ電撃作戦が始まります。

 <<コンドラトの城>>


「うーん意外だった、楽勝楽勝!」


 城に忍び込むのは困難だと思われたがオークション会場に機材やなんやらを絶賛運搬中で警報装置が切ってあり、ステルス化したアーレイは出入りに乗じて裏手の搬入口からいとも簡単に内部に侵入する事が出来た。


 >

 「諜報部の阻害装置は無駄でしたね」

 「まあな、それよりハッキングプログラムを流し込むぞ」

 >


 裏口に隣接してあるコントロールルームに侵入したアーレイは、城内に張り巡らせた防犯装置や転送阻害装置などを管理するサーバーに、ウィルスソフトを流し込み、任意で警報装置を解除出来るよう小細工をするつもりだ。


 >

 「出先センサー無効化プログラム、隠滅用トロイ型インストールします」

 「やればできる子だね」

 「なんか、馬鹿にされているような」

 「気のせいだよフェリーちゃん」

 >


 執念深い悪党が住む城と知っているのか、誰しも泥棒に入ろうとはしないのだろう。警備室を覗くとモニター監視などせずスマホゲームに没頭していたよ。


 <<城内・大客間>>


 警備室のモニターに雑魚寝している奴隷たちが映し出されていたので、確認のために急いで向かうことに・・。


 >

 「おお、ここに全員集められているのか」

 「簡易スキャンしましたが、みな女性で健康体です」

 >


 約50名ほどの性奴隷の女の子らは大広間に集められ、雑魚寝の状態で乱暴された形跡はなく静かに寝ていた。その様子を見たアーレイは救出の際は広域マーカーだけで十分と判断しつつ、他に囚われていないか広域探査の指示を出す。


 >

 「2階の寝室に1人、3階の待機部屋に複数個の奴隷の首輪を確認」

 「さて向かいますか」

 >


 <<2階・客間>>


 電子ロックを解除して恐る恐る寝室に侵入を果たしたアーレイが見たのは、就寝時間が過ぎているにも関わらず、まだ幼い8歳位のエルフの女の子が机に向かって懸命にお絵描きをしている姿だ。目が冴えて寝れないのだろうかそれはわからないが、眠そうな気配を感じない。


 >

 「奴隷の首輪本物なの」

 「正常に作動中、ハーフエルフですね」

 >


 幼いこともあり慰み用として扱われてないだろうと考え、とりあえずコンタクトを取るために静かに接近することに。


 <こんばんは、眠くないの>

 「ん?」


 ステルス状態なので目の前のペンが中を舞い、メモ用紙にメッセージを描くと、その女の子は不思議そうに眺めていた。次に<君は奴隷?愛玩?>と追加で描くと愛玩の方を指さし、その後”帰りたい”など簡単な質問を済ませる。


 「デルタ軍が助けに来た姿を表すよ」

 「はい」


 アーレイがステルスを解除して姿を現すと、女の子は驚き一瞬ビクッと身体が反応していた。そして名前を聞くと「ミリア」と答え「デルタ軍アーレイ中尉です」と答えると、少しだけ笑みがこぼれる。


 「ここで囚われているけど、何か変なことされたの」

 「あのね、大きくなるまで我慢するんだって」


 まだ商品としての価値が無いのかそれとも幼児の需要が無いのか、真相は不明だけど、エッチな事はまだ経験してないので、アーレイはホッと胸を撫で下ろす。


 「帰る先はフォーレストでいいよね」

 「うん、そうです」

 「明日、迎えにくるから待ってて」

 「うんわかった」


 >

 「先程からストレス値が増加傾向」

 「嘘をついているのか」

 「間違いないかと」

 >


 ミリアは何故か嘘をついてストレスホルモン(コルチゾール)がずっと分泌されているらしく、アーレイはここでタイラーに頼んで描いてもらった魔法陣を見せることに。エルフ系の人たちは魔法能力に優れているので一目見れば意味がわかるはずだ。


 「それじゃ、誰にも教えないって約束してくれるかな」


 そしてアーレイはあの魔法陣が描かれた紙を取り出しミリアに見せると、効果が分かったのか顔色が暗くなり始め、試さなくても嘘をついていると分かってしまう。


 「・・・」

 「君は嘘つきなんだね」


 さっきまで素直だったミリアが急に黙り込んでしまい、アーレイは「奴隷を解放するだけだ」言うと「お姉ちゃんが囚われているから助けて」と言い出す。しかし良く考えてみれば姉を助けるために嘘を付く意味がわからない。なので「お姉ちゃんを助けるのは良いけど何で黙っていたの」と再度聞いてみる。


 「あのね、変な人がきたらちゃんと教えろって言われているの。じゃないとお姉ちゃんが危ないの」


 >

 「探査した時の反応がお姉ちゃんだな」

 「それは間違いないかと」

「この子、まだ嘘をついていると思うわ」

 >


 脅されているとしてもデルタ軍を不審者扱いにする事自体が変だし、自分は遊び呆けて3階で数名が固まっているのも不自然だ。なのでアーレイはもっと重大なことを隠しているに違いないと考え、一旦部屋を出る振りをする。


 「お姉ちゃんのところに行ってくるね」

 「うん」


 >

 「フェ、通信妨害よろしく」

 「もちのろん」

 「ん?」

 >


 ステルス化を行い扉を大きく開けてまた閉めて、そして室内に残りジッと我慢をすること30秒、案の定ミリアはゆっくりと動き出す。


 「もしもし聞こえますか、もしもし」


 棚に置いてある小さな通信機でどこかに連絡を取り始め「ほら早速だよ」と思い目の前でステルス解除すると、ミリアは固まり悲鳴すら上げられない程に驚き、フルフルと震え「ミリアはどこに連絡したのかな」と聞いても黙り込んだままだった。


 「俺はデルタ軍だがアデール女王と仲が良いので力になれるよ」


 アデール女王の名前を聞いたミリアは藁にも縋りたい気持ちに変わったのだろう。涙腺が緩み始めた。


 「あのね、本当は帰りたいけど帰りたく無いの(泣」


 アデールには悪いが説得のために名前を使わせてもらうと、その効果は抜群だった。ミリアはシクシクと泣きながら「家に帰ればお父さんに売られるの」と話し、ここの方がちゃんとした生活が送れると言い出す。話を聞けば無職の父親が母親に暴力を振るう古典的なDV家庭の被害者だった。なのでアーレイは「それじゃお父さんをやっつけるよ」と話すと「うん」と満面の笑みで答えてくれた。


 「それで、さっきはどこに連絡したの」

 「お姉ちゃんの所よ侍女なの」


 んっ?と思い詳しく聞くと単に「帰りたく無かっただけ」と言われアーレイは苦笑いするのだった。


 「疑って悪かった、ミリア安心してね」

 「うん」


 部屋を出たアーレイは侍女の姉が休んでいると思われる3階へと上がり、中に入るとスヤスヤと8人の女の子が床に寝ていた。大半は獣人達だが1人だけミリアに良く似た12歳位のエルフの女の子を見つける。


 「明日、必ず助けに来るから待っててね」


 そう呟くと静かに部屋を出て、ホテルに戻るのだった・・。


 ーー


 <<ホテルアルデ・セミスイートルーム>>


 オークションが開催されると通知は来たが、いつまで経っても開始時間が知らされずもう昼前だ。痺れを切らしたキースの強面は迫力を増し怒気が溢れ殺気立っていた。


 「アーレイ、連絡が入った(怒」

 「わかったわかった、少し落ち着け」

 

 送られてきた詳細を見ると、午後行われる懇親会の最後の締めに、あの2人だけのオークションを開催すると明記してあった。


 「それでは作戦の通り頼んだぞ」

 「じゃ俺は城に向かうからな、手早くやってくれよ」


 今回の作戦はオークション会場の遥か上空に貨物艦を待機させ、小型ステルス輸送船の転送装置とリンクさせて奴隷商を一気に貨物室に吸い上げる。因みにタイラーとレスターは会場外に飛ばし、クリスがピックアップしてホテルに戻る。


 「早めに送るよ、悪いなキツイ方を任せて」

 「ああ、任せろ」

 「任せろなのだ!」


 アーレイ達は城に潜入後、大広間の奴隷達をステルス輸送船に一気に転送した後は、マーカーを貼り付け個別に送る手筈だ。間もなくすると主催者から連絡が入り、タイラーとレスターは会場入りすることになる。

 

 ーー


 <<同日同刻・クーン城>>


 保護した奴隷達を乗せたカルネの旅客船はカラミティ星団に入り、中立地帯において非武装と全員の国籍確認を終え、クーン宇宙軍の護衛艦と共にクーン宇宙港に到着する。しかしカルネを出港して既に4日を要していた・・。


 「私が女王のアデールです」

 「初めましてカルネ共和国のジャクリーヌと申します。この度は使節団の受け入れ誠にありがとうございます」

 「こちらこそ我が民を助けて頂きありがとうございます」


 到着後、クーン出身の奴隷に関しての引き渡しはスムースに執り行われ、挨拶を交わす頃には全員病院に送られていた。


 「アデール女王様が手筈を整えて頂いたので、このままフォーレストに立ち寄りたいと思います」

 「それにしても敵国認定されていて良くご自身が来られましたわね」


 ティーカップを持ちお茶を嗜みながら和やかな雰囲気の中、互いの話になり。ジャクリーヌは黒の精霊の話をするか悩んでいた。ふとアデールの様子を伺うと、ウフフとまるで自身の考えが分かっているような笑みを浮かべている。なので「偉大なる方のお導きと考えております」と答えてみた。


 「ところでジャクリーヌ様、アーレイ様とはどのような御関係でしょうか?」

 「奴隷解放の協力者ですけど何か関係があるのですか」


 分かっている筈なのに黒の精霊の言葉を出さないアデールは、最初意地悪かと思ったが、どうやらそれは違うらしく、既に答えを語っていたと気がついた瞬間、アーレイと黒の精霊が重なり同じ人物だと気が付く。


 「あなた、明日折衝の為にアーヴィンに行きますよね」

 「な、なぜ、ご存知なのでしょう(汗」


 話の展開が早く頭の切り替えが大変だ「アーヴィンに立ち寄る事は伝えてなかった筈だ」と思いつつグルグルと思考を巡らし、思いつくのは奴隷の事だけだった。


 「直ぐにでも行った方が良いと思いますわよ。フォーレストの民は私が責任を持って送り届けますのよ」

 「ですが」

 「アーレイ様はやると決めたら必ずやり遂げるわよ(笑」


 アーヴィンの奴隷解放は頃合いを見て行うことは知っていた。前回のヒャンドは事前に何となく手紙で教えてくれたので、自国の草を使いほぼ同時に作戦を行えた。しかし今回は情報漏洩を危惧したのか、今始めてこの場で聞くことになり、ジャクリーヌはいま直ぐにでも応援に行き、是非とも本人に会いたい気持ちで溢れ始めていた。


 「貴女に伝言があるわ。本日、獣人達とアーヴィンの城でお待ちしてます。と伝えるように言われました」

 「なんでっすって!本当にやるなんて、それもコンドラトの城・・」

 「助けてあげて、頼むわよジャクリーヌ。詳細は執事から受け取って」

 「はい、もちろんですアデール様、すぐに向かいます」


 挨拶もそこそこにジャクリーヌは踵を返すと執事が準備していた高速船に乗り、一路アーヴィンに向かうのだった。


 ーー


 「アーレイ達はホテルから一歩も出ていません」

 「よし、サックとやるぞー」


 偽アーレイさんはウルフの部下を使い、ホテル内の会議室で打ち合わせの体でまったり中だ。その情報を真に受けたコンドラトはオークションを速攻で終わらせるつもりだ。


 <<オークション会場>>


 懇親会は淡々と行われ、商人達は締めの時間が近づいているのか、しきりに時計を気にしていた。


 「さあ本日のメインイベント!!お待ちかねのオークションが始まります」


 司会の掛け声と共に壇上の幕がスルスルと上がり、上手にレスター、下手にタイラーが座っているのが見える。


 「どっちだどっちが先だ」


 今にも入札の白い板を上げようとする商人達は待ちきれない様子だ。そして司会はレスターの横に立ち腕を高く振り上げた。


 「最初は〜2億だー!」


 既に詳細は公表されているので、いきなり最低値段からスタートだ。


 「3億!」

 「4億!」

 「4億1000万」

 「4億5000万!」


 2億スタートが開始早々に倍に上がり、ポンポンと恐ろしい勢いで金額が上がっていく。


 「転送開始!」


 会場の端に立つクリスは命令を発動すると壇上の2人は金色の粒子に変わり姿が消え失せ、椅子だけがポツンと取り残された。


 「な、何が起きた!」


 そして数秒後、会場にいた商人達全員が忽然と消えていくのだった・・。


 「アーレイ、完了した」

 <おう!すぐに出発してくれ>


 奴隷商を乗せた輸送艦はゆっくりと高度を上げ、一路デルタを目指すことになり、ステルス小型輸送船はコンドラトの城へと向かう。


 ーー


 <<コンドラトの城・大広間>>


 <ジェルメーヌ、君は広間の奴隷たちと共にステルス輸送船に上がれ>

 「承知しました」


 警報装置を遠隔操作で無効化した後、城内に入ったアーレイはコンドラトの部屋近くに待機、コロンはミリアの部屋にそしてジェルメーヌは大広間で待機中だ。


<アーレイ中尉お待たせしました>


 程なくすると2隻のステルス小型輸送船が城の近くまで移動してくる。違法商人が使う輸送船だけあって防空レーダーなど何のそのだ。まさか自分たちが拉致で使った船で救出するとは思ってないだろう・・。


 「ジェルメール頼んだぞロックしてくれ」

 <こちらジェルメール、ロック完了>

 <了解、転送開始します>


 ジェルメールはそのまま大広間の奴隷達に向かってマーカーを照射を終えていた。そしてオークション会場と同じく金色の粒子に変化した瞬間、2隻の輸送船に吸い上げられ消えてゆく。


 「えっ、何が起きた」


 突然の出来事で数秒ほど呆気に取られていた黒服達は、ハッと我に返ると慌て小型レーザー銃を取り出し周囲の警戒を始める。


 「転送阻害装置は動いていないのか!確認しろ」


 残念だが奴隷たちとジェルメールは既に貨物船の中だ。それに数秒遅れでミリアも無事転送される。


 ーー


 <<コンドラトの部屋近く>>


 ステルス状態でコロンを待っていたアーレイは近くで合流すると、コンドラトの部屋を目指しゆっくりと接近していく。狙いは仕事をしている奴隷侍女達の救出と悪党を捕まえるためだ。


 「このままゆっくり中に入るぞ」

 「わかったなのだ」


 そしてドアノブに手を掛けようとした瞬間、突然扉に丸い小さな穴が開くと同時にバス、バス、バスと低い銃声が響き、アーレイは胸の辺りを中心に撃たれてしまう。


 「クッソいきなり撃たれたぞ」


 シールドとバトルスーツが受け止め致命傷には至らなかったが、反動で吹き飛ばされ床に転がってしまう。それと同時にビービーとけたたましい警報音が響く。


 「ヤバい、下がるのだ」


 コロンは咄嗟にアーレイの襟を掴み射線から外れるように引っ張り、起き上がりながら走って逃げ出す。


「逃げたぞ」


 黒服が飛び出てくるなりバスバスと、またあの銃声が響き追撃されてしまうが、角を曲がり難を逃れた。


 「クッソ、黒服は高性能モジュールを持っていやがる」

 「このままじゃヤバいのだ」

 「お前は後方を見てろ」


 警報が鳴り響きもたもたしている余裕はない。コロンに背中を任せアーレイは向かってくる黒服に照準を合わせ引き金を引く。青いビームが吸い込まれ命中すると動きが一瞬止まるが、反射的に遮蔽物に隠れてしまう。


 >

 「銃の威力はほぼ互角、ですので急所に当てれば致命傷を与えると思われます」

 「嫌な情報ありがとう」

 「戦闘支援が本来ですので」

 >


 このまま膠着状態に陥れば背後を取られ数で押し切られるのは時間の問題だ。そこでアーレイはフラッシュバンと認識阻害幕をバッグから取り出しコロンに渡す。何をすべきか分かっているのか膜を頭からすっぽりと被り、相手が認識するか腕を伸ばして確認していた。


 「あの黒服を倒したらそれを投げ入れろ、そのまま突撃する」

 「わかったのだ」


 腕を伸ばしバイバイしても撃ってこないので、コロンは幕を被ったまま身を屈め黒服に銃口を向けつつ接近する。流石にステルス化と阻害幕の効果で探知できないのか明後日の方向を向いていて気が付いてない様子だ。


 「おやすみ」


 コロンは頭に狙いを定めトリガーを引くと青いビームが吸い込まれ「ギャ」と悲鳴を上げた黒服は吹き飛ばされ失神してしまう。すかさずフラッシュバンの安全装置を外し部屋の中に投げ入れた。


 <アーレイ今なのだ!>

 「行くぞ、気合を入れろ」


 投げ入れると同時にアーレイが走って来る。そして数秒後バーンと大きな音と鋭い閃光が走り、真っ白い煙が立ち上る中、2人は部屋に突撃を敢行した。


 「目がー目がー、ギャ!」

 「グワァ~!」


 煙で視界がゼロの中、中空モニターの反応を頼りに侵入を果たした2人は、混乱して蠢く人影に向かって容赦なくスタン最大で銃撃を行い部屋の中へと進む。反応のあった子供の影は一番奥だ。流石に追加のフラッシュバンを使うのは憚られるので慎重に進むことになる。


 >

 「フェアリースキャン!」

 「大人1名、奥の部屋に子供2名の反応あり」

 >


 確かに中空モニターには3人の反応が映り、ウロウロと徘徊している大きい影は間違いなく混乱しているコンドラトだろう。アーレイはその反応に向かって容赦なくスタンを放つと床に崩れ去る様子が映し出された。


 「子供の救助が優先だ」


 コロンは返事をすることなく奥の部屋に入り「デルタ軍だ助けに来た」と叫びながら、転送用マーカーを飛ばしいつでも送れる状態にする。


 「転送するのだ」

 <コロン軍曹、転送阻害されています>


 この部屋だけは転送阻害を別系統で構築しているのだろう。廊下に出れば送れる筈なのでアーレイは「助けにきたがこの場所では無理だ、廊下まででてくれないか」と2人の侍女に説明しつつ、デルタ軍の紋章を見せた。


 「ありがとうございます」

 「ああ、助けてくれるのですね」


 銃声とフラッシュバンの音で少し怯えていたが、助かる希望が見えたのだろう。2人の猫族の女の子の表情が少しづつ和らいでくる。


 「さあ急がないと、こいつにも・・グフォ」


 部屋を出てひっくり返っているコンドラトにマーカーを取り付けようとした瞬間、背中に衝撃と激痛を感じたアーレイはそのまま前向きに吹き飛ばされ、危うく侍女たちを巻き込みそうになりながら床に倒れた。


 「援護するのだ」


 すかさずコロンが前に出てまだ煙が立ち込める中、的確に動く影に向かってレーザー銃を撃ちこみバタリバタリと人影が倒れて行く。しかしスタンが効かないのかモゾモゾと動き出してしまう。


 「取り敢えず女の子を廊下に連れ出すんだ扉を越えれば、転送されるはずだ!」

 「わかったナノ」


 そして侍女の2人を廊下に出すと金の粒子に早変わりして消えていく。

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