キースを逮捕?
暴かれていきます。
ドナートはルナの自宅前でシャトルに乗り張り込みをしていた。
諜報部員)「ドナート中尉そろそろ夜明けですよ」
ドナート)「ああ、俺は引き上げて仮眠をとったら諜報部に昼前に行く、君は尾行が終了したら今日はそのまま休みにしてくれ」
「助かります」
「じゃあな」
バタン、ドアが閉まり、静かに歩き去っていく。部屋に戻りシャワーを浴びて仮眠を取り、昼前に諜報部にちょっとだけ顔を出したドナートはすぐに通信部に向かう。
諜報部員A)「あれ、いまドナート中尉って出社しましたよね」
諜報部員B)「もう通信部に向かったよ」
「ああ、中尉に報告が・・・」
「1時間もすれば戻ってくるよ」
「まぁ、そうですね」
ーー
クリス)「アーレイ来たぞ」
アーレイ)「よし、マイクロシーカー自動追尾開始」
ヒュン、ヒュン、ドナートの後を超小型のシーカー2台が追いかける。そのまま諜報部専用の個室に入り、通信機器を立ち上げ2本のスティックをて慣れた手つきで機械に刺す。
クリス)「アーレイあれは?」
シーカーから送られてくる映像を眺めている、アーレイ、クリス、キース、ポコの4人。
アーレイ)「どっちらかが乱数表変換の装置だ。操作画面を見ればわかるはずだ」
クリス)「そうだな、だとすると左が本文か」
「拡張子にメモと明記してある」
「そうだな」
右にのアイコンが現れ、RNの文字が現れる。
アーレイ)「あれはrandom numberの略のRNだと思う」
ドナートはメモの拡張子をRNのところに持って行くと・・。
ポワン、数秒でRNメモと明記された拡張子が画面上に浮かび上がってくる。そして2本のスティックを抜き、別なスティックを刺してRNメモを移動させる。これで完了だ。
アーレイ)「今、踏み込むのが最高なんだがデルタ側が困るよな」
クリス)「そうだな、もう少し泳がせよう」
ドナートはそのスティックを刺したまま送信のアイコンをクリックすると、数秒でRNメモの拡張子が消えた。
クリス)「これ、送信したら消去できる仕様なのか」
アーレイ)「多分そうだ。個別に所持した所を逮捕しても言い逃れができる。送った本文がないと立件しづらいな」
「だが乱数変換のスティックは調べたらわかるぞ」
「さっきの拡張子が消えたってことは、あの装置にも何か仕掛けがあると思うよ。そんなに馬鹿じゃ無いだろ」
「だろうね、けどデルタで同じ物を押収すれば良いんじゃないの?」
「そうだね、両方確保できれば最高だ」
「まあ、この映像があるから言い逃れはできないけどね。総統に頼んであそこの部屋からは送信され無い様に仕様を変えてある」
「デルタ側はどうする?」
「それは大丈夫だ。ドナートを検挙した後、指定した時間に送信するからデルタ側も捕まえやすいでしょ」
「そうだね」
シーカーはそのままドナートを追っていた。
クリス)「諜報部に戻って行くぞ、シーカー追跡やめるか?」
アーレイ)「いや、あいつはまだまだ泳がせよう。ここから面白くなるはずだ」
「・・・」
今日のキースは挨拶以外一言も喋っていない。
アーレイ)「キース、普段以上に無言だな」
キース)「ああ」
「心配なのか」
「まあな」
アーレイ)「・・・(ダメだこりゃ、完全に心配してるわ・・」
寡黙な態度でキースの心情を読み取るアーレイだった・・・。
ーー
送信が終わったドナートは何故かルナの元に現れなかった。そのまま諜報部に戻り報告を受ける。
ドナート)「それで変な動きとは?」
諜報部員)「買い物の最中に日用品売り場で10分ほどジッとして、日用品は買わずに食料品だけ買って帰りました」
「普通じゃないの?」
「彼女は休日に日用品を購入しますので、普段立ち寄ら無いんですよ」
「なんでわかった」
「過去の映像を確認しました」
ドナートはルナがじっと商品を手に取って眺めている映像を見て、何も不審な所は無いと思ったが・・・。
ドナート)「・・・(うーん、普段の行動から考えると、こんな所で時間を無駄にしないよな・・」
諜報部員)「どうしますか?」
「おい、赤外線モードにできるか?」
「はい、このカメラはできます」
「頼む」
カチャカチャ、ピッピ、画面全体が青と赤系の色に分かれると、ルナの横にもう1人赤く写っていた。
諜報部員)「中尉これはステルス化していますね」
ドナート)「わかっている。やられた!ここで話をしていたのか!!」
「うわぁ!」
ドナートはわざとらしく、キースを犯人に仕立て上げるために大声で怒鳴る。
ドナート)「ステルス化しているのはデルタのキース中尉だ!スパイ容疑で身柄を押さえろ!緊急逮捕しろ!」
諜報部員)「中尉、証拠はあるのですか」
「ステルス化しているのは諜報部の目を盗んで、管制塔事務員に近づくためだ」
「わ、わかりました。ですがなぜ事務員なのですか」
「彼女は運行情報を整理する仕事だ。その情報の中に重要情報があるはずだ」
「は、はい」
ーー
アーレイ)「おい、キースお前捕まるぞ」
キース)「そうだな聞いていたよ。総統に言われた事を無視しているよな」
4人は引き続きシーカーで諜報部内部を観察していた。
アーレイ)「じゃ、ノコノコ歩いてこいよ」
キース)「え゛?アーレイ何言ってんだ!」
「だってドナートは君の身柄を拘束したら多分ルナの所に行くよ。もしかすると殺すかも」
「ああ、そう言うわけか。俺に罪を擦り付ける訳か」
「そうだよ、俺は彼女を捕まえる現場を押さえる」
「ルナを使って尻尾を出させるのか!彼女は安全なのか?」
口調が強くなり焦り顔のキース。
アーレイ)「朝からピンキー達が張り付いているから安心しろ」
キース)「ん?何でピンキー?」
「気にするな、彼女は証人になるかもしれないだろ、だから護衛として付けたんだ」
「わかった、でもここ総統府だよな」
「ああそうだな、それなら電話でもしてやれば」
「はは、そりゃ良いや」
ーー
アーレイ)「ピンキー、そろそろ始まるよー」
ピンキー)「はいはいなー、おねちゃんはねーもうすぐじむとー出るよー」
「頼むな、誘拐するまで我慢だよ〜」
「ほーい、マカセロー」
ステルス化したピンキーはルナの背後を尾行していた・・・。
ーー
ピポピポピポ、アーレイに言われ諜報部に連絡を入れるキース。
キース)「もしもし、諜報部ですか?」
諜報部員)「誰だ?」
「デルタのキースですが」
「貴様には逮捕状が出ている」
「知ってる、今ね総統府にいるから来てよ」
「なんだと」
「だから、俺さあ、総統府の客間にいるから」
「待ってろ」
ガチャ!乱暴に電話が切られた、相当慌てているようだ。
諜報部員)「ドナート中尉、キースは総統府にいたのでこれから確保に向かいます。中尉は行かれますか?」
ドナート)「俺は事務員の確保に行く、あいつもスパイの容疑者だから」
「わかりました」
>
アーレイ)「ほらね、彼女を殺しに行くんだよ」
クリス)「ひどいねー」
キース)「下衆だな」
ポコ)「倒すナノー!」
アーレイ)「ポコ、ピンキーの所に向かうよ~」
ポコ)「はいナノー」
>
ーー
ドナートはシャトルに乗り込み、管制事務棟に向かう途中確認を入れる。
ドナート)「諜報部のドナートだ、そちらにルナと言う女性事務員がいる筈だが」
受付)「本日、朝に退職届が提出され即日受理したので、先ほど荷物の検査を受けてもうすでに退社しております」
「なに退職しただと」
「はい転職するそうです」
「わからん、なぜキースと会って退職するんだ!!くっそ!」
グィーン、乱暴にシャトルを運転して急いでルナを追うドナート。
ーー
総統府の客間にドタドタドタと数名の男たちが入ってくる。
キース)「あら早いね、もう来たんだ」
諜報部員)「お前がキースだな」
「そうだよ、それで本当に捕まえるの?その逮捕状は誰が出したの?」
「当たり前だ!逮捕状が出ている。大人しく同行して貰おうか!ドナート中尉が緊急逮捕権を行使した」
「ふーん、総統聞きました?」
リュック)「ああ、バッチリ聞いたよ」
パーテーションの奥からリュック総統が出てくる。
諜報部員)「おわ!総統閣下!失礼しました」
ビッシ!慌てて敬礼する諜報員達。
リュック)「良い気にするな。キース君の緊急逮捕は無効ね、それで君はドナート中尉にキース中尉の逮捕拘束の連絡をしてもらいたい」
諜報部員)「はぁ?」
「早くしなさい」
「わかりました!」
全く理解できてないがリュックに言われ慌てて連絡を入れた。
諜報部員)「ドナート中尉、デルタキース中尉の逮捕、身柄拘束しました。はい、はい。それでは失礼します」
リュック)「キース君、これで良いのだろ」
キース)「ええ、後はアーレイが最後の仕上げに入ります」
リュック)「ハハハ、結果が楽しみだな」
諜報部員)「閣下どう言う事でしょう?」
「まだわから無いの?」
「もしかしてドナート中尉が何かしたのですか?」
「そうだよ、デルタの友人が秘密裏にずっと捜査してくれたんだよ」
「まさかスパイ・・・・」
「ぼやぼやせずに早く追いなさい」
「わ、わかりました!!失礼します総統!」
諜報部員は陛下に直接言われ、慌てふためき”ピュー!”と走っていなくなる。
キース)「私も後を追います」
クリス)「ホレ、頑張ってこい(笑」
タタタ、キースは諜報部員の後を追って消えていった・・。
ーー
ブワーン、結構なスピードでシャトルを飛ばすドナート。
ドナート)「間に合えばいいのだが・・・・・身柄拘束したらスタンをかけて銃を持たせ、射殺すればいいか。俺は擦り傷を付ければ大丈夫だろ」
などと”ゲス”な事を考えていた。
ドナート)「あっ、あれは・・」
この前カフェの辺りを通過すると大きな荷物を持ったルナが歩いていた。
ドナート)「ルナ、大丈夫か!」
ルナ)「どうしたのですか?」
ドナートはシャトルを近づけルナに話し掛ける。
ドナート)「君が狙われていると報告が入った。とりあえずシャトルに乗ってくれ」
ルナ)「嫌です、家に帰って荷物をまとめます」
彼女はドナートを無視しそのまま歩き始める。
ドナート)「おい、乗れ!」
ルナ)「・・・」
更に無視して歩いて行くルナの前にシャトルを乱暴に止める。
ルナ)「なにするのよ、やめてよ!!」
進路をふさがれた彼女は足を止めるとドナートが降りてくる。
ドナート)「黙って乗れ!」
ルナ)「嫌よ!邪魔しないで」
「ルナ、撃つぞ乗れ」
チャ!腰だめに銃を構えるドナート。
ルナ)「ひっ!」
ドナート)「早くしろ、死にたく無いだろ」
大人しくなった彼女の腕を掴みシャトルに無理やり乗せる。
ルナ)「ねえ、私をどうするのよ」
ドナート)「キースはスパイ容疑で逮捕した、君は共犯者で逮捕状が出ている。そして逃げる際に抵抗して死ぬのさ」
「あなた、ディスティアのスパイなんでしょキースが言ってたわよ」
ルナは豹変したドナートはスパイだと思い鎌をかける。
ドナート)「ほう、よくわかったね。さあ処刑場に向かおうか」
グイ!シャトルを動かそうとスロットルを捻るが・・・ブーン・・・ガクンガクン。
ドナート)「あれ?なぜ動かない」
ガクンガクン、いくらスロットルをひねってもシャトルは動かなかった・・。
ドナート)「おかしいな・・燃料は入っているし・・・」
メーターを覗き込み燃料が入っているのを確認、そして前を見るとステルス解除した”ピンキー”がシャトルを止めていた。
ドナート)「なんだありゃ」
コンコン、ドアのガラスを誰かが叩く音がして、そして横を向くと・・・。
ドナート)「こ、こいつはアーレイ!!」
バン!いきなり蜘蛛の巣状にガラスにヒビが入る。
ドナート)「うぁー!」
ルナ)「キャ!」
アーレイは更に脱出用の工具で思いっきり叩くと窓ガラスがバラバラに割れる。
アーレイ)「ども!アーレイでーす、ドナート中尉さん観念してもらえますか〜?」
ドナート)「ふざけるな!」
「早く観念しないと誘拐殺人未遂容疑が追加されますよ〜」
「本当にふざけやがって、こいつが死ぬ事になるぞ良いのか?」
「ヒッ!」
チャ、銃口をルナに向けるドナート。
ルナ)「いや、やめて」
アーレイ)「お前バカだな、ルナさんはお前が仕込んだスパイだろ、全部知っているんだけど?殺したって無駄だよ」
ドナート)「ウググ!せめてお前が死ね!!」
チャ!無謀にもドナートはアーレイに銃をむけようとするが、ドガン!シャトルに衝撃が走る。
ドナート)「ウワァー!」
ルナ)「キャーーー!」
それはピンキーがシャトルを持ち上げ地面に叩きつけたからだ。
ピンキー)「きるナノ」
ビーン、シュバババ!ザン!ガン!ババ!ピンキーはレーザーソードを自由自在に振り回し、乱暴にシャトルを切り刻むとドガン、ガタン、ボコンと縦に横に大きく揺れ、ドンドン小さくなっていく。
ルナ)「キャー!」
車中の二人は必死にその激しい揺れに耐え、ズバ!バキバキ、ひたすら切りまくるピンキーは大喜びだ。
ピンキー)「キャハハ、たのしー」
最後にピンキーはドアを剥がしルナを救出しようとすると、ドナートがピンキーに向けて発砲、装甲板に命中するがビームはシュッとそのまま吸収されている。
ドナート)「えっ?」
ピンキー)「ムダだよーん」
「なんだとビーム吸収型シールド装甲だと」
「ルナにげるよー」
バキ、バキバキと椅子ごと持ち上げる。
ルナ)「キャー!」
そしてそのままピンキーは一瞬で連れ去られていく、ドナートはその様子を見て一瞬呆気に取られていた。
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