海賊艦隊!
ディスティアの海賊艦隊がお出まし。
敵駆逐艦に向けシャトルが発進する。ボコボコに砲撃された駆逐艦を見ながら環境の近くまで接近する。
クリス)「あらら、ボコボコだな」
機甲歩兵)「そりゃ近距離から戦艦級の主砲を撃たれたら駆逐艦のシールドじゃ防げませんね」
「正式発表したら大騒ぎしそう」
「ええ、そうですね」
「これアーレイに見せよう、映像に残してね」
「はい、勿論です。クリス艦長、到着しました」
「制圧よろしくね」
「わかりました、敵艦長を個別の部屋に移したら連絡します」
「よろしく」
そして「シュン!」5機の機甲歩兵が艦橋に現れる。
機甲歩兵)「皆さんそのまま動かないでね」
乗組員は銃に手をかけていたが、機甲歩兵を見た瞬間に手を降ろす。
艦長)「デルタ機甲歩兵・・」
機甲歩兵)「そうだね抵抗しない方がいいよ、その武器じゃ傷もつかないよ」
「・・・・」
武装の回収が終わると「バキ!バキ!」取り上げた銃の銃身を折り床にすてる。
機甲歩兵)「もう隠していないかな?」
副官)「ああ、携帯している銃だけだ」
機甲歩兵)「そうか、嘘なら持っている奴が死ぬだけだ。それでは艦長は作戦室に入ってもらおうか」
艦長)「・・・・」
機甲歩兵)「何か問題でも、ちょっとお話しするだけだよ」
「わかった」
「おっと、ここに入るのは一人だけだよ」
副官が一緒に部屋に入ろうとしてすぐに止められる。副官は睨んでいるが艦長は冷静に対応する。
艦長)「大丈夫だ、殺されるならとっくにやられている」
副官)「わかりました」
不満顔の副長を残し、誰もいない作戦室に機甲歩兵と艦長が入る。
機甲歩兵)「クリス艦長、準備ができました。どうぞ」
シュン!クリスが作戦室に転送されてくる。
クリス)「ども!自己紹介はしなくてもわかるよな」
艦長)「デルタのクリスか!」
「アーレイのお陰で俺も有名人だもんな、それで君の所属は?」
「聞かなくても軍服を見れば1発でわかるだろ」
「ディスティアもセコいことするな、なぜ君だけ呼んだかわかるか?」
「デルタ軍が動いていることがバレたくないんだろ」
「まあ、ぶっちゃげそうだね。真意は簡単だよ君らを捕虜にするから、それを盾に海賊行為を辞めさせるだけだよ。今の俺はラインスラストの義勇軍だからな」
「それだけか」
「建前はね」
「めんどくさい事をやっているんだな」
「しょうがない商業連合が絡んでいるからな。先に言っておくが君1人だけは絶対返さない」
「他の乗組員はどうするんだ」
「心配するな、残りは身代金で解放するつもりだ」
「・・・・」
「まぁ、ディスティアが認めればだけどな」
「流石に認めるだろ」
「だといいな、ディスティアは元気に”海賊やってます”って正直に喋るとは思えんが」
「・・・・」
「ふん!間も無くラインスラストの船が到着する。それに乗り換えて収容所までの短い船旅だ」
「けっ!」
「さて、君がどれだけ喋って貰うかで、これからの待遇が変わる」
「何が聞きたい」
「簡単な事だよ、ラインスラストからこの船に連絡してくる奴を知りたい」
「まさか、それが本当の狙いなのか」
「そうだよ、海賊退治だけならこんな面倒なことはやらんよ」
「・・・・」
「言えないの?無理に言わなくても良いよ、頭覗けば済むからね。正気でいられるのも今のうちだ」
「わかった、このモジュールに履歴が残っている」
「良かった君を”廃人”にせずに済む」
クリスは艦長からモジュールを受け取る。
クリス)「それで連絡してくる内容は?」
艦長)「簡単だ、狙った船の出航予定表を知らせてくるだけだ、あとは通る時間に行けばいいだけだ」
「はは、そりゃ簡単な”お仕事”だな」
「なんとでも言え」
「拿捕した船はどうしたんだ」
「恒星に落したよ。証拠が残らないだろ」
「だがあの巨大な船をどうやって運ぶんだ?」
「拿捕が完了して乗務員を逃がした後に、別の船が来てジャンプコアを取り付けて飛ばすだけだ」
「アノ巨大な船をか?」
「一度しか使わないから旧型艦のコアを数個使って、ぶっ壊れても良いから強制的ブーストで飛ばすんだよ」
「なるほどね~」
機甲歩兵)「クリス艦長、ラインの戦艦が到着しました」
クリス)「了解。この艦長を転送してくれ、他の乗組員とは分けてね」
「はい、了解しました。もう一つの船の捕虜もまもなく収容完了します」
「わかった技官をよこしてくれ、情報を抜くから」
「了解です」
クリス)「それじゃ、ラインで会おう」
艦長)「俺はもう会いたくないがな」
シュンと音がして敵の艦長が消える。艦橋に戻ると、既に技官の転送が済んでいて3人が作業をしている。
クリス)「おお、早いな」
技官)「ええ、早く作業しないと敵国のど真ん中ですからね」
「そうだね、後どのくらい?」
「15分程です」
20分後・・・・。
クリス)「終わったか」
技官)「はいもう十分です。カメラの画像消去、フライトレコーダーは取り外しました。通信機もリセット完了です。全てのログを消しましたから痕跡は残っていません。
機甲歩兵)「クリス艦長、武器庫に熱核ミサイルの弾頭が置いてあります」
クリス)「うわぁー、最悪だ」
技官)「ですよねー」
クリス)「信管外せる?」
機甲歩兵)「この信管は検査キット持ってきて、確認しながら外さないと無理ですね。起動スイッチ自体が信管みたいな奴です」
クリス)「それ転送でシャトルに積める?」
「ちょっと待ってください」
「どうした」
「変なアンテナが付いていて、いま見ている所です」
「それって転送したら爆発するタイプじゃないの?」
「そうかもしれませんし、どの道ここじゃわかりません。もしかしたら弄ると起動するタイプかも?」
「それって危なくない?」
「待ってください、今、下を除いたら何かセンサーがいっぱい取り付けてあります」
「写真だけ撮って放置していいや、危なすぎるわ」
「わかりました」
ー
技官)「艦長全て終わりました」
クリス)「じゃ、シャトルに戻るよ」
「はい」
シュン、暴虐に戻ったクリス。
クリス)「捕虜を乗せた戦艦はもういないよね」
副官)「はい、もう本星に到着している頃です、駆逐艦はどうします?」
「曳航する?」
「いや、流石に無理ですよ」
「そうだよね・・・ああ、輸送艦は出発して良いよ、連絡してあげて」
「了解、インターセプターは着艦完了し船体の固定は終わっています。パイロットも船内に入って休憩中です」
「じゃ、輸送艦が離れたらステルス起動してくれ」
「了解しました」
20分後・・・。
副官)「輸送艦、離れて行きます」
クリス)「ステルス起動!」
「了解」
「少し、離れて待とうか」
「はい」
「確認なんだけど、輸送艦のカメラには写っていないよね」
「はい、艦長が駆逐艦に行っている間に確認しました。輸送艦の船員は喜んで消すそうです。海賊をやっつけた義勇軍の証拠は残しちゃいけないって言っていました」
「そうか、それは助かったよ。これでバレたら警戒されるからな」
「そうですね」
1時間後・・・・。
レーダー手)「艦長、5秒後、2隻ジャンプアウトしてきます」
拿捕した駆逐艦の近くに現れたのはディスティアの戦艦と駆逐艦だった、両艦共に古い型式の船だ。
副官)「あらら、様子見に来たのかな?」
クリス)「少し離れてくれ、ピンガー対策してあるけど近距離はまずい」
操縦士)「わかりました」
副官)「戦艦からシャトルが出ましたね」
クリス)「そうだろうね、応答しなくてスキャンしても誰もいないからね。艦首を駆逐艦に向けてね」
操縦士)「了解」
クリス)「電磁波ピンガー吸収幕を展開。速力最大」
操縦士)「ヨーソロー」
暴虐は船体に無反響塗装を施されている。だが何度かジャンプすると剥げてしまい、ちょっと使いにくいのだった。もちろんデルッタネットで買った塗装を元に開発したやつだ、その欠点をカバーするために幕を利用することにした。
30分後
カーン!いきなり電磁ピンがーの衝撃が走る。
レーダー手)「ピンガーきました!」
十分距離をとって幕を貼り様子見をしていると、案の定敵駆逐艦がピンガーを打ってた、艦内に「ブーン」と音が広がる。ピンガーを跳ね返すのではなく”吸収”しているのがわかる。
クリス)「敵艦に動きは?」
レーダー手)「ありません」
副官)「2隻が駆逐艦と距離をとっています」
クリス)「爆破するんだろ。もっと距離をとってくれ電磁波でステルスが歪む」
操縦士)「了解」
さらに距離を取る、もう哨戒レーダーでも確認できるギリギリの距離1000キロ近くまで下がると、前方で「パッ」と閃光が光りすぐに収束する。
クリス)「証拠隠滅か・・・あいつらがジャンプアウトしても気を抜くなよ」
副官)「わかりました。このまま離れますか?」
「そうだね・・アレがジャンプしたら少し近づいて探査して帰ろう」
「わかりました」
ーー
ディスティア総統府内。
秘書)「セオドール閣下。輸送艇の部品回収と遺留品、遺体の一部回収完了しました」
セオドール)「乗っていた奴は特定できたか」
「マテウス准将以下20名の捕虜はDNAで判明。それとルドルフ准将のモジュール発見されました。それ以外は破損が酷くて特定できません。推定ですが残り10名前後です」
「そうか、判定できないほど遺体の損壊は激しいのか」
「ええ、熱核ミサイルの弾頭が爆発したので、ほとんど原型を留めていません」
「。。。。」
「デルタに問い合わせますか?」
「そんなことできるか!輸送艇を強奪しない限りここには戻ってこれないんだぞ。仮に問い合わせをしても全員乗ったと言うだろう」
「わかりました」
「判明した乗務員は死亡扱い、その他は行方不明者としておけ」
「はい」
「ルドルフは死んだのか・・・」
「この状況だと生きてはいないでしょう」
「うむ」
通常攻撃だけだとここまで酷くならないが、熱核ミサイルの弾頭が爆発し焼け焦げたため、乗っていた全員の身元判明が不明のままだった。
ーー
ディスティア海賊艦隊!
今回の海賊行為を実施するために、1世代前の旧型艦を選び、戦艦1、駆逐艦3隻の特別艦隊を編成している。
その彼らはディスティア支配地域付近に待機していた。実行部隊に異変があった場合すぐに駆けつけるためだ。
副官)「艦長、定時連絡がまだ来ていません」
艦長)「なんだと、拿捕に向かった駆逐艦だろ」
「はい、もう10分すぎています」
「わかった、予定海域に行くぞ」
「はい」
「ジャンプコア起動!」
「ブーン、起動開始、ジャンプシーケンスまで残り10分」
「ああ、流石に遅いな」
「もう2世代前ほど古い船ですから」
「焦ったいな」
「シーケンスに入れば5分でジャンプできます」
「ああ」
数分後。
副官)「準備できました」
艦長)「早く行こう」
「ジャンプまで3、2、1」
ビューン、定時連絡がない2隻を追って急いで向かう。
レーダー手)「5秒後ジャンプアウトします」
そしてジャンプアウトした敵戦艦、艦長の目に最初に映ったのは「ボコボコ」に砲撃された駆逐艦2隻だ。
艦長)「なんだこれはボロボロじゃないか」
副官)「す、凄い砲撃の後ですね」
「ああ、これは凄い、生存者は?」
「コア付近に命中しています。これじゃジャンプできません、スキャンしましたが生存者ゼロです」
「シャトルを出して生存者の確認と航海ログを調べて来い」
「了解」
中に入る副官と捜索隊。
副長)「艦長、中は無人です」
捜索隊)「ログ、レコーダー、航海日誌全てありません。カメラ映像も消去され床に壊れた銃が転がっています」
艦長)「逆に拿捕されたのか・・・」
「銃はバラバラに壊されているの機甲歩兵が壊したと思われます」
「手掛かりはないか?」
「いえ全くありません。格納庫の熱核ミサイルはそのままです」
「よし、証拠隠滅のため船を爆破する。起爆装置を起動しろ」
「わかりました」
「ピンガーを打って周りの確認」
レーダー手)「はい、ピンガー打ちます」
ピーン!、電磁ピンがーを発砲した。
レーダー手)「100キロ四方に船影無し」
艦長)「よし安全距離の500キロまで下がったら駆逐艦を爆破する、戻ってこい」
副長)「わかりました」
艦長)「爆破の際、電磁波でステルスが一瞬歪むから観測しろよ」
レーダー手)「はい」
数分後。
レーダー手)「艦長、安全距離まで下がりました」
艦長)「よし、爆破!」
「ピッカ!」と光り駆逐艦2隻が消える。
「電磁波観測しましたが周囲100キロにステルス化している艦影ありません」
「よし、偵察用シーカーを設置して引き上げるぞ」
「わかりました」
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