インターセプターで狩りに行こう!
新型艦インターセプターのテストです。
シュンシュンシュン、高高度で待機している強襲艇2隻から、判明した座標に3機ずつ機甲歩兵を転送させた。
隊長)「行くぞ、広域スタン!」
バババ!今回の機甲歩兵の腕には広域スタンが装備されていた。転送されるとすぐにスキャンして目標の建物に一斉にスタンをかける。
男1)「グフォ」
男2)「あっ!」
中にいた連中はいきなりスタンを喰らって意識が飛び、簡単に身柄を確保できた。
隊長)「容疑者確保!」
もう1組が転送された所にはシャトルが浮いていたので、通常攻撃でシャトルを落とし、スタン攻撃を行う。
隊長2)「落とすぞ!」
ギーー、大口径のガトリングガンでシャトルのエンジンを破壊。小爆発をしたシャトルは地上に落下。
男3)「ウギャー」
男4)「アッツ、アッチー」
すると中から服が燃えた状態で数名飛び出してくるが、構わずスタンを掛けた後、消火材を浴びせ、少し離れた所から別なシャトルが逃げようとしたので、そのシャトルも攻撃して行動不能に、すぐさまスタンを掛ける。この作戦で実行役7名と影を5人確保できた。今回は現場で記憶を確認する。モジュールを調べ通信履歴を確認。情報が手に入ったら体内にマーカーを、モジュールには逆探知用のチップを取り付けそのまま放置だ。
隊長3)「よし行くぞ」
総統府の近くにいた実行犯3人は、機甲歩兵を見るなり銃を乱射して抵抗。スタンを掛けるが阻害され強制突撃すると・・。
隊長3)「やばい離れろ!」
ボカン!全員自爆して終了・・。
ーー
実行役は使い捨ての場合が多いが、指示を出す影は必ず上長に報告するのでそれを待つ。ファーレンハイト内の広間に急遽作られた作戦本部は、10数台のモニター、追跡用の機材、逆探知用の機材など所狭しと並んでいた。
ピピ、数十分後、逆探知を知らせる点滅がモニターに映し出され、音声が聞こえる。
諜報部員)「聞こえますか作戦は失敗です強襲を受けシャトルが2台とも壊されまして」
上司)「無事か?怪我人は」
「数名火傷を負っています」
「敵はどうした」
「スタンを掛けられましたが機甲歩兵は何故か撤退しています」
「転戦したのかな、その内身柄を確保にくるから実行役は処分して即刻引き揚げろ」
「了解です」
ーー
諜報部員)「班長失敗です、強襲を受けました」
班長)「無事か?」
「はい、スタンを掛けられましたが全員無事です」
「拘束されなかったのか?」
「はい、建物の中で目が覚めました」
「そうか、撤収しろ」
「わかりました」
ーー
殆ど似た内容だったが、逆探知で敵の拠点2箇所判明した。これで一歩前進だ。
空港に降りることはデルタ、ラインスラスト両国とも知っていたが、総統府に降りる事はデルタ側には知らせていなかった。
諜報部員)「アーレイ少佐、空港で襲撃したのは別々の組織ですか?」
諜報部の部員が質問してくる。
アーレイ)「多分な、使用されたミサイルも違うし装備も違っていた。総統府を狙ったのはラインスラスト側のスパイだけだな」
諜報部員)「敵の拠点を強襲するのですか?」
「いや、まだ泳がせる」
「何故、アーレイ少佐の時は狙われないのですか」
「だって外出するときに作戦本部には事後報告だし、行き先は陛下かクリスが知っているだけだよ。狙いたくても目的地がわからなければ狙えない」
「そうか、陛下は出迎えとかあるから、お忍び以外は報告するのか」
「そうだよお忍でも危ないよ。侍女とか執事の動きでバレるからね」
「わかりました」
「陛下、気が済んだらデルタに帰りましょう。ベクトラン2の準備はできています」
ジェフ)「わかった。もう帰るよ仕事の邪魔だろ」
アーレイ)「そんな事はないですが、暇でしょ陛下」
「時間がかかるんだな」
「そうですよ、これから敵の拠点を観察して総統府内部の実行役と、デルタの実行役を見つけないといけませんから」
「そうか、それなりに時間が必要なのだな」
「戻る際はデルタには初代ベクトランと報告します。陛下はベクトラン2で直接王宮に戻ってください」
「わかった」
ーー
その頃、暴虐はステルスモードで潜航していた。
クリス)「暇だな・・・・」
副長)「艦長、もうそろそろ1週間、何もないですね」
「ああ、そろそろ動いてくれても良い頃なのにな」
「ラインスラストから、あの船があと12時間でここを通過します」
「積荷は?」
「素材ですね、”希少金属類”です」
「これが本命だと良いんだが」
「そうですね、3回に2回は狙われています」
「狙われている金属を調べてら燃料制御装置に多く使われる金属がよく狙われている。ほらこのデーターを見ろ」
「そうですね、確かに・・」
クリスはタブレットを副官に渡す、それは今まで襲撃された貨物船の一覧表だった。
副官)「品物を金属素材だけに特化したんですか?」
クリス)「そうだ、他は誤魔化す為だな狙っている積荷が一定じゃない。ほれこれがそのデータだ」
「本当だ!バラバラですね。やっぱり金属を運ぶ時によく狙われていますね」
「さて、12時間切った事だし、インターセプターの準備でもやらせるか」
「そうですね」
ーー
諜報部員)「アーレイ少佐、拠点に出入りしている諜報員のリストです。この後どうしますか?」
アーレイ)「このリストの人物の中に協力者と連絡を取っている奴が含まれているはずだ。そいつを炙りだすか・・・・」
クリス)「アーレイ聞こえるか」
アーレイ)「クリスそっちはどうだ?」
「1週間変化なし、今から鉱物運搬船を追跡する」
「何かわかったのか?」
「襲われた船の積荷リストを集計したら意外なことがわかった。希少金属を積んでいる船が必ず狙われている。他の船も狙われているが多分誤魔化す為だろうと思っている」
「そうかわかった」
「アーレイ、もしかしたら運行会社か空港管制にもスパイがいるかもな」
「そこは盲点だったな。よし、総統に言って管制の建物の電波遮断強化を頼もう」
「そっちは頼んだぞ」
「ああ」
連絡を受け、総統府に赴くアーレイ。
アーレイ)「総統、空港管制に関してお願いがあります」
リュック)「どうした」
「管制施設の電波遮断を強化してください。建物全体重点的に。それと労働規約を改定して管制業務のスタッフは休憩時間以外外部との連絡をできないようにして下さい」
「わかった。他に何かあるか?」
「少し前に鉱物を積んだ輸送船が出港した筈です。この船の運航予定表を見れる管制官を教えて下さい」
「わかった、早急に送るよ」
「お願いします」
ーー
ゴゴゴ、暴虐が待機している空域に巨大な船体が現れた。
副長)「艦長、輸送艦が現れました」
クリス)「少し距離を取って追尾開始しろ」
「了解です」
「インターセプターの準備も頼む」
「インターセプター乗務員は第一戦闘態勢に移行」
暴虐の船体にコバンザメのようにくっ付いているインターセプター5隻。見た目は業火のミニュチュア版。最大排水量5000トン級、試作艦は7名で運用しているが将来的に5名に減らす予定だ。
業火と同じで強力な戦艦の主砲を一門だけ装備。試作艦は艦内に重力キャンセラーを装備した一人用のコクピットに直接乗り込む。機関士2名は取り付けられた専用のレールに反重力スーツを取り付け、戦闘中でも安全にエンジンルーム内を移動ができる。
専用支援艦はまだ作っていないので、自分の船まで船外を移動し、それから乗り込む形になっている。
士官)「各員移動を開始してください」
乗組員1)「おーい、急げ」
ガポン、ガポンと重い重力ブーツを持ち上げながら船外を急ぐ乗組員。
乗組員2)「急げと言っても重力ブーツが重いので無理!」
乗組員3)「つべこべ言わずさっさと乗りやがれ!」
乗組員4)「ふん!言われなくても急いでいるわ」
第一戦闘態勢に入り、急いで各員移動を始め乗り込む。
副長)「インターセプター全員乗り込み完了。まだエンジンは始動していません」
クリス)「上出来だ、今回こそ出撃したいな」
「はい!勿論です」
ゴ、ゴゴ、輸送船の重力制御装置の影響で少しフラつく暴虐。
副長)「それにしてもでかい貨物船ですね」
クリス)「そうだな、鉱物資源を大量に積んでジャンプするには費用が掛かるから、巡航速度で移動するんだよな」
「ええそうですね、これ300万トン級ですね」
それはデルタの旗艦より二倍近く大きく、薄く平べったい船体に巨大な格納庫が4個搭載され、後部がブリッジとエンジンになっている。例えるなら潜水艦が輸送船で暴虐が魚雷ほどの大きさに差がある。
クリス)「けど乗務員は少ないんだろ」
副官)「はい、デカイですが乗務員は5人ですよ」
「まあ乗っているだけだからな。接岸と離岸の時に仕事があるくらいだ、後は衝突の見張りくらいだからこの人員で十分なんだろ」
「そうですね」
「この船はどこに行くんだ?」
「この船は鉱石を積んでラインスラストの精錬所がある恒星に残り20日ほどで到着します」
「次の海域に入れば、海賊がそろそろ出てくると思うよ」
「そうですね、そうあって欲しいです」
「はは、流石に飽きたか」
「ええ」
10時間後・・・・。
副長)「艦長、前方に駆逐艦級の船が2隻ジャンプアウトしました」
クリス)「やっと現れたか。インターセプター準備しろ現れたぞ」
乗組員)「了解」
クリス)「副長、輸送艦の前方に移動」
通信士)「海賊がオープン回線で連絡しています」
「聞かせてくれ」
「はい」
>>
海賊)「現在航行している輸送艦に告ぐ速やかに救命ポッドでその船から離脱しろ。今から10分以内だ。脱出しなくても攻撃する」
>>
クリス)「音声録音したか?」
副官)「はい勿論です」
「それでは行こうか、敵のコアを狙って行動不能にしろ」
「了解!」
「発進!」
ゴワァ!ドドド、5隻のインターセプターは暴虐から離艦。ブワァーン、ステルス範囲から出た5隻は輸送艦の前に突然現れ、いきなり駆逐艦に砲撃を加えながら急接近する。
クリス)「敵はジャンプアウトしたばかりだ、後5分はジャンプ出来ないそれまでに片付けろ」
乗組員)「了解!」
パシュー、パシュー遅れて駆逐艦から砲撃、ゴー!遅れてミサイルを発射した、
クリス)「ほう、とても海賊風情の対応スピードじゃないな。2隻揃って回避行動もありゃ軍隊の動きだよ」
副官)「そうですね、緊急回避が2艦揃って動くって軍ですね」
「まっ、今更回避しても遅いけどね」
クリスの言葉通り、この後の戦いはインターセプターの独断場と化す。
ーー
駆逐艦、艦橋内。
副官)「艦長、輸送船に警告を出しました」
艦長)「簡単な仕事だな、救命ポットが離れたら曳航して恒星に落とすだけの仕事だ」
「そうですね、これでラインスラストに材料が渡らなくなります」
「地味な作業だがボディーブローのように効いてくるからな」
ビー、ビー、周辺警戒レーダーが危険を知らせる。
レーダー手)「艦長前方に5隻の小型船出現!戦績不明」
艦長)「なんだと、緊急回避行動を取れ」
ピー、ピー、ロックオンレーダーを感知しアラームが鳴る。
レーダー手)「不明艦、砲撃してきます」
艦長)「主砲発射、対艦ミサイル発射」
パシュー、パシューと軽快に発射された主砲はインターセプターに向かっていくが・・。
レーダー手)「す、すごいスピードで接近してきます、砲撃かわされました」
艦長)「回避行動を取れ」
副長)「2番艦被弾!離脱していきます」
艦長)「ジャンプはまだか?」
操舵手)「残り5分です」
艦長)「反転、距離を取れ全速前進!」
レーダー手)「ダメです、相手の方が早いです」
艦長)「なんだとこの船より早いだと、なんだあの形は戦闘機か?」
副長)「違います、小さいですが一応船ですね」
レーダー手)「砲撃来ます」
インターセプターの砲撃が直撃すると、ガツンと艦橋に衝撃が走る。
艦長)「うわー!」
副官)「機関室に直撃。3番エンジン停止」
レーダー手)「2番艦行動不能、ジャンプコア破壊。2番艦を攻撃していた3隻が向かってきます」
艦長)「ジャンプはまだか」
操舵手)「残り3分です、2番艦の降伏打電確認。オープン回線で呼びかけています」
<そこの不明艦大人しく停船しろ。次は艦橋を狙うぞ>
艦長)「無視しろ」
レーダー手)「砲撃来ます」
グワーン!今度は正確に狙撃され、完全体が揺れた。
操舵手))「艦長、ジャンプコア作動不能!また来ます、このままでは轟沈します」
ガン、ガン!ドゴーン、主砲砲塔に大きな穴が2つ開き、更に艦橋上部が吹き飛ぶ。そしてエンジンが壊れ作戦スピードはもう出ていない。
副官)「艦長!もう無理です」
艦長)「仕方ない降伏の打電だ」
通信士)「わかりました」
>
海賊艦長)「こちらに交戦の意思なし。繰り返す停船する交戦の意思なし、速やかに攻撃を中止を求む」
セプター艦長)「やっと止まったか。貴様らの所属を言え」
海賊艦長)「・・・・」
「黙秘すると攻撃するぞ」
「貴様らこそどこの国籍だ」
「海賊を取り締まる”義勇軍”だ。文句あるか」
「義勇軍とやらこちらは海賊だ国籍は無い」
「そうかわかった、全ての電源を落とせ両艦ともな」
「命の保証は?」
「無駄に殺しはしない君らを調べるだけだ、殺すなら既に砲撃をしている」
「わかった従おう」
>
駆逐艦艦長)「副長、本国に救難信号は出せたか」
通信士)「いいえ、あの5隻が現れた時点でジャミングされています」
「クッソ、完全に待ち伏せされたか、本隊が気が付いてくれれば良いのだが・・」
ーー
暴虐、艦橋内・・。
レーダー手)「クリス艦長、敵艦電源落としました」
クリス)「副長、輸送艦に連絡。ラインスラストの義勇軍が海賊を拿捕した。少しの間だけ停船頼むと連絡してくれ」
副長)「はい」
通信士)「輸送艦に告ぐこちらは・・・・」
副長)「艦長、先ほどの通信と攻撃を見て既に停船作業に入っていたそうです」
クリス)「なかなか気が利くね。それでは暴虐を輸送艦の影に入れて、シャトルで敵艦に乗り込むか」
副長)「了解」
インターセプターの隠れ試験は大成功に終わった・・。
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