始動
情報ダダ漏れのラインスラストに入ります。
アーレイはゲルベルトが乗船している戦艦に向かった。
ゲルベルト)「アーレイ久しぶりだな、活躍しているそうじゃないか」
アーレイ)「ゲルベルト機関長のお陰です」
「何を言う、君の作った新型艦は凄いじゃないか、ラインスラストの次期主力戦艦は君の発想を取り入れることが決まったよ」
「そうなのですね」
「ああ、防御力を最大限に上げる方が結果、死者が少なくなるからな」
「機関長、現在開発中の新型シールドの情報渡しますね」
「なんと!良いのか?」
「ええ勿論です。ディスティアが開発した2重シールドのコピーですけど」
「それとこれを」
アーレイはシールド無効化弾用のシールドのプログラムを見せる。
ゲルベルト)「これは?」
アーレイ)「シールド無効化弾丸用シールドのプログラムです」
「厄介なあれか」
「そうです、デルタでも開発しているのですが、ペインキャンセラーがうまく作動しなくて困っています。開発に成功したらこのプログラムはゆくゆくは公表するつもりです。少し知恵を貸していただけませんか?」
「ああ、構わないが実物はあるか?」
「実物はこれです」
ゲルベルトにペンダント型のシールド装置を見せる。
ゲルベルト)「おお、流石だな」
アーレイ)「まだ試作段階で弾は止めれますが、衝撃がそのまま伝わってしまいます」
「そうか、君は常に狙われているのだったな」
「はい、完成させてリュック総統とコーネリア様の護身用に是非使ってください」
「なぜそこまでする」
「あの弾は命中精度が悪く狙撃する際に乱射します。結果、関係ない人も犠牲になるので早く実用化して犠牲者を減らしたいのです」
「わかった、技研に相談してみるよ」
「お願いします」
「それとな、デルタのスキップショートジャンプは解析したぞ」
「あら、意外に早かったですね」
「まさかうちの制御装置とデルタの炉の相性だったとはな。気がつかなかったよ」
「実装しますか?」
「いや、採用しない」
「なぜですか?」
「機密が保てないからだよ。これが敵の手に渡ったらデルタが窮地に追いやられるだろ。流石にそれは望んでいない」
「ありがとうございます」
「それにうちの炉を使うと計算上2回しかジャンプしない。改良型の設計図は俺の頭の中だけだ」
「それはとても助かります」
「そう言えばブルクから連絡があったぞ。国籍をデルタに変えるかもって言われてびっくりしたよ。君が色々やっているそうじゃないか」
「ライバルって言ってましたが、普通に連絡取り合うのですね」
「まあな、お互いに認め合っているだけだよ」
「そうなのですね」
「奴に会いたいな」
「わかりました、少しお待ちください。段取ります」
「おお、ありがとう」
「また、連絡いれますね」
「わかった、楽しみにしてるよ」
ーー
一旦デルタに戻ったアーレイ。
早速、改修中のベクスターを見に行くため軍用格納庫にクリスと一緒に向かう。
翼を休めているベクスターはエンジンを下ろされ、外装も数カ所分解してあった。コックピットを覗くと中身が全て変わっていた。整備士に内容を確認する。
整備士)「これね、パイロットじゃなくても緊急で飛ばせるイージーモードを搭載。あと計器周りが集中モニター方式に変わって、3面モニターに全て集約されました」
スイッチはエンジン、電源、燃料、スタートスイッチとかだけだね、結構少なくなったよ、あとはモニタータッチかモジュール操作だね。
アーレイ)「コックピットはかなり雰囲気変わったね」
整備士)「すみません好き勝手にいじってしまいました」
「お値段高いんじゃないの?」
「使用ログを提出すれば無料と聞いています。実は量産前の実証モデルですので」
「それは助かる」
クリス)「アーレイ、機体設計とエンジン開発部も弄っていたぞ、エンジンは新型だってよ、俺の所に仕様書が届いていた」
アーレイ)「はい?」
「ベクスターのエンジンって1式と共用だろ、出力と応答性を上げたスペック3の次に出す次世代型の試作エンジンらしいよ。1式はスペック3に交換が決まったって」
「なんだそりゃ」
「お前のベクスター実験機だな」
「・・・・・変わっていないのはレーダーだけかな?」
「いや、それも交換してた」
「試作エンジン大丈夫かよ」
「量産一歩手前のモデルだから大丈夫だよ。仕様書に書いてあったが耐久試験はクリアしているから」
「・・・・・・」
「早く試したいだろ、だがなまだ当分飛べないぞこれは」
「仕方がないか・・・もうB整備どころじゃない、ほぼC整備だわ」
「諦めろ」
「ああ」
整備士)「アーレイ少佐、費用はB整備ですが、内容は結局C整備になったので、C認証を取ります」
アーレイ)「ありがとう、せめてもの救いだね」
「ええ、整備に時間が必要ですが、上がれば当分簡易整備で飛べますよ」
ーー
報告の為、陛下の元に出向くアーレイ。
アーレイ)「ジェフ陛下、ただ今戻りました」
ジェフ)「コーネリアは元気にしていたか」
「ええ、相変わらず総統とラブラブでしたよ。長男のウィルソンがもう歩いていました」
「そうか、一度見に行かねばな。そうだ新設計のインターセプターの試験飛行がてらに行かないかアーレイ」
「はい?陛下が乗るのですか?」
「いや、私はベクスターでいいよ」
「陛下、ベクスターはまだ整備中です。インターセプターはまだ試作段階のやつですよね」
「そうだ、君のコンセプトを踏襲した全く新しい発想で艦艇設計部が作った力作だよ」
「わかりました。ブライン国の海賊退治に使って良いですか?」
「実戦テストか?」
「闇テストです」
「お前も悪よのー」
「いえいえ陛下程では、はい」
陛下の日程を急遽調整したが、結局10日後出発することになる。それでもベクスターはまだまだ先だってよ!
そして10日後・・。
アーレイ)「陛下、出発しますお乗りください」
ジェフ)「おお、このベクトランは?」
「これは追加注文した機体です。昨日、納品したばかりなので急遽交換しました」
「そうか、私が最初に乗らないと他の物が遠慮するからな」
「はい、乗るなら早めが良いと思いました」
「結構、機体の色も内装も随分変わっているな」
「はい、フローレンス王女の指示で変更しました」
「ふーん、君のベクスターと似ているな?」
「ええ、内装の白は嫌いだからベクスターと同じにしてくれと頼まれました」
「なかなか趣味は良い感じだ。黒も悪くないな」
「喜んで頂いて何よりです」
ベクトラン2は機体の色がスティールグレイ、内装は黒を基調に変わっていた。
ーー
ベクトラン2に陛下を乗せ、ラインスラストの大気圏を抜け降下中、影から連絡が入る。
当初の計画通りVIPゲートに着陸と思っていたら、来日予定情報が漏洩したらしく空港周辺に不審者を発見したらしい。
諜報部員)「空港敷地外に怪しい人影を多数確認しました。VIPゲートには降りない方が良いと思います」
アーレイ)「わかった助かる、これから別の所に降りる」
「承知しました、引き続き警戒します」
「初代ベクトランを囮りで後で降ろすね。だいたい1時間後かな」
「承知しました。それまで出迎えはそのまま待機させます」
「頼むね」
ーー
陛下の安全を考慮して総統府に直接向かう。
アーレイ)「陛下、ラインに来たのがバレているので、子供の顔を見たらすぐにデルタに戻ります」
ジェフ)「わかった残念だな」
静止軌道上には支援艦”翠雨”とファーレンハイトが待機している。暴虐はインターセプターと共に海賊が出る空域にステルスモードで既に向かわせていた。
>>
アーレイがデルタに戻った日。
アーレイ)「陛下からインターセプターの使用許可が降りたぞ」
クリス)「おお、あの試作機だろ」
「ああ、量産前に一度実証実験したいんだって」
「わかった、5隻ほど連れて行くよ」
「ああ、そうしてくれ」
「楽しみだ」
「クリス、ブライン国の商業連合が海賊と遭遇した場所のマップを表示してある。暴虐で下調べを頼む」
「わかった」
「暴虐は見つかると追いかけごっこが始まるから、慎重に頼むな」
「おう!任せろ」
>>
ーー
ジェフ陛下の安全を考慮してコーネリアは子供を総統府の客間に連れてきていた。本来ならリュック総統の別荘でゆっくり会うつもりだった。
執事)「デルタ王国国王ジェフ・オブ・ボールドウィン・デルタ御成です」
客間に入るジェフ陛下。
ジェフ)「コーネリア久しいな」
コーネリア)「お父様、お久しぶりです」
「どれ、早速ウィルソンを抱かせてくれ」
「ウィル!おじいさまですよ」
ウィル)「じー?」
コーネリア)「そうよ、おじいさま」
ウィル)「ンキャ!キャ!」
ジェフ)「おお、可愛いな。よしよし」
1時間後。
アーレイ)「陛下、ベクトランの準備が出来ました。デルタに戻りましょう」
ジェフ)「そうか、もうそんな時間か」
「はい、長居は無用です」
「わかった。それでスパイを炙り出すんだろ」
「はい、両方のベクトランを使用して、攻撃する実行犯を捕まえにいきます」
「わかった」
「コーネリア今話した通りだ。残念だが帰るよ」
コーネリア)「ごめんなさいお父様。来日情報が漏れていたなんて思いもしませんでした」
ジェフ)「今度、アーレイの悪知恵を借りるが良い。スパイを掃除してくれるぞ」
「その時はお願いします」
「それではまたな」
「お父様、お元気で」
デルタに戻る方法は静止軌道上待機しているファーレンハイトを呼び出し、高高度から船内に直接転送、ベクトラン2に乗り換えてデルタに帰すつもりだ。
ジェフ)「アーレイ上手くいくか?」
アーレイ)「ええ結構厄介です。総統府内は盗聴されていますし、デルタの作戦本部にもスパイが入り込んでいます」
「そうなのか?」
「はい残念ですが、今回の陽動作戦の情報を元にスパイを見つけます。ベクトランには影武者を乗せました。攻撃されても大丈夫なのですが、不時着した時相手を騙すためです」
「用心深いな」
「ええ勿論です」
「それでは駐機場に移動しましょう」
アーレイはベクトラン2のパイロットに指示を出す。
アーレイ)「上がるとすぐにミサイルが飛んでくるて思うから、引きつけて迎撃してくれ」
パイロット)「わかりました」
「相手に2回以上撃たせてね」
「了解しました」
アーレイ)「陛下それでは転送します」
ジェフ)「うむ」
「シュン!」
アーレイと陛下は一瞬でファーレンハイトに転送され、艦橋に向かう。
副長)「ジェフ陛下入りまーす」
全員、陛下に向かって座ったまま敬礼をする。
ジェフ)「続けてくれ」
副官)「はっ!」
アーレイはファーレンハイトから細かい指示をだすつもりだ。
アーレイ)「それでは作戦を開始する」
艦長)「了解、べくトラン両機に命令を発令します」
副官)「ベクトラン各機、速やかに移動されたし、α、βチーム指定の位置まで降下開始」
兵士)「了解!」
ーー
ベクトラン2が離陸すると、すぐに地対空ミサイルが飛んでくる。わかっていたから迎撃も簡単だった。
わざと近距離まで飛んでくるのを待ち、船首のビームで落とす。こうすれば、遠距離からは被弾したように見えるのでゆっくり上がればまた撃ってくる。そうして正確な発射位置を割り出しそこを強襲する予定だ。
パイロット)「北西に約2キロの方角から飛んできました」
アーレイ)「了解、既に強襲艇を向かわせている」
「第2段飛んできます。正確な距離わかりました北西に2.2キロです」
「了解、座標を送ってくれ」
「はい」
「βチーム強襲地点の座標を送った、後は頼んだぞ」
βチーム)「了解!」
同刻、VIPゲートに初代ベクトランの着陸を試みる。高度2000m、ゆっくり高度を下げていると、郊外から2発のミサイルが飛んでくる。高度を上げながら回避。これを何度か繰り返して正確な発射位置を割り出す。
アーレイ)「αチーム聞こえるか?」
αチーム)「聞こえていた。待っていたぞ」
「南西に2キロと北東に3キロの位置からミサイルが上がってきた」
「こちらでも確認した」
ベクトランから攻撃回避の連絡が入る
パイロット)「回避完了、これからまた高度を下げる」
αチーム)「了解、サクッと潰すよ」
アーレイ)「頼むな」
ベクトランが高度を下げると、またミサイルが飛んでくる。
パイロット)「南西に2.4キロの地点より発射確認」
副官)「映像来ます。移動しながらシャトルより発射された模様」
遅れて2発目が飛んでくる。
パイロット)「北東に3.1キロより接近」
副官)「映像で確認、ビルの窓から発射確認」
アーレイ)「よし、強襲部隊頼んだぞ」
βチーム)「おう!」
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