力の使い方。
フローレンスと別れ、動き出すアーレイ。
フローレンスと別れアーレイは一人で酒を飲んでいたが、気持ちを切り替え次に向けて行動する事を決める。
アーレイ)「ここで寂しく酒を飲んでいても多分君は怒るよね。早く起こしてくださいって!」
<<そうそう、早くお願いしますね。寝て起きたら結婚式ですからね!>>
アーレイ)「わかったよフローレンス」
そう彼女が喋る姿を想像すると思わず笑みが溢れる。
アーレイ)「ふふ、うんそうだね頑張るよ」
アーレイは朝一番に出かけ、ジェフ陛下との面会許可を求めた。
執事)「陛下、アーレイ様から面会の知らせが届いております。お通しますか」
ジェフ)「ん?早いな、ああ、いいよ」
「畏まりました」
数分後、アーレイはそのままジェフの私室に通される。
アーレイ)「おはようございます陛下、フォーレストのウィン女王に会いに行きたいので紹介状を書いて下さい」
ジェフ)「アーレイ、開口一番それか?昨日フローレンスと別れてもう動くのか?」
「はい、それが彼女を早く起こせる1番の方法ですから」
「今日、一日くらい喪に服さんのか?」
「死んだ訳ではありませんし、くよくよしているとフローレンスに怒られそうです」
「まあ、それは確かにそうだが」
「逆の立場だったらフローレンスも同じ行動を取ると思います」
アーレイのヤル気に満ちた目を見て陛下は思う。
「。。。(ふむ、信頼しあっているのか・・・」
ジェフ)「わかった少し待て!」
アーレイ)「はい」
「スラスラ」とジェフは一筆滑らせ、書き終え執事に渡すとすぐに封書に入れ溶かした蝋の押印を押される。
ジェフ)「これを持て、フォーレストのエルフは扱いがちと大変だぞ。ウィン女王によろしくな」
アーレイ)「ありがとうございます、それでは行ってまいります」
「頼んだぞ」
「失礼します」
アーレイが部屋を出て行くと・・・。
ジェフ)「はて、彼奴はフローレンスの事を真剣に心配しておるようだが」
アイシャ)「陛下、アーレイは仲の良かったフローレンスを早く起こしてあげたいのですよ」
「アイシャ、君は何か知っているのか」
「愛し合っているかは知りませんけど、相性は良いみたいですわよ」
「何故そこまで知っている!」
「女の勘ですわ、ほほほ」
口角を上げるアイシャは口に手を当て笑いジェフを見つめる。
ジェフ「。。。。(絶対何か知っているなアイシャ」
アイシャ)「。。。。(ふふ、これ以上は絶対喋りませんよ!」
目を合わせる2人は、お互いの思考を読み合っていた・・。
ーー
紹介状を受け取ったアーレイはクリスと共にフォーレストに向かう。ゲートから出てくるべクスターはそのまま大気圏に突入。そしてフォーレストの空港に降り立つアーレイとクリス。
侍女)「アーレイ様お待ちしていました」
先に連絡を受けたハーフエルフの侍女がアーレイを待っていた。すぐさま迎えのシャトルに乗り込み女王が待つ城に向かう。10分程で城に到着し約束の時間まで客間で待つ事になった。
クリス)「アーレイ分かっていると思うが、ここは女王がトップの王国で、王様は飾りで殆ど権限が無い」
アーレイ)「なんだ、王様はヒモみたいな感じか、女王のウィンって癖があるの?」
「まあ、悪く言えばそうだ、今回、君は初見だから強気に出るだろうね」
「それって凄く嫌な感じだな」
「俺的には波乱の予感しかしない」
「わかった、出来るだけ大人しくしてるよ」
「たのむよー」
侍女に呼ばれ、謁見の間に入る。
ウィン)「わたしが女王のウィン・アブ・モルダー・フォーレストよ、よろしくねアーレイ」
アーレイ)「始めましてウィン女王様、アーレイ・ウェブスターと申します。お会いでき光栄です」
「それにしても貴方派手に活躍していますね。私も会えて嬉しいわ」
「ウィン女王様に挨拶が遅れた事を、この場を借りてお詫び申し上げます」
「あら、素直ねあなた」
「多少活躍しないと、一兵卒には会って頂けませんから」
「素直と言うより率直ね。奴隷の少女を連れてきた時に挨拶に来ればよかったんじゃ無いの?」
「あの時はジェフ陛下の出頭命令が出まして数時間しか滞在できませんでした。すみません」
「それじゃしょうがないわね。ところであなたはクーンに相当入れ込んでいるようね」
「そうですか?使い易いから使っているだけです」
「えー、フォーレストは使い難いって言いたいの?」
結構早口で高圧的なウィン。
アーレイ)「女王、貴方も率直ですね。フォーレストに荒事は向きませんので遠慮していただけです」
ウィン)「あら、以外に冷静ね」
「フォーレストには大事な役目がありますから」
「それで、ここにきた理由は挨拶だけじゃ無いわよね。ボールが必要なの?それともハーフエルフと遊んでいくの?」
「はい実は、友人の船を助けたくて、エナジーボールを分けて頂けないかと?」
「そうなの、友達なの?」
怪訝な表情でアーレイを見るウィン。勿論黒のオーラはシャットダウンしているので気がついてない。
アーレイ)「はい、私の協力者です」
ウィン)「もう少し詳しく教えてくれないと出せないわよ」
「女王、人払いをお願いしたいのですが、これから先の話は聞かれると相当まずいです」
「なに?ここじゃ言えないことなの?わかったわ、それでは客間に移動しましょう」
「助かります」
客間に移動すると護衛以外誰もいなかった、そして広めのテーブルに座り、お茶を出され一服するとウィンが切り出してくる。
ウィン)「それでアーレイ、その友人とは誰なの?」
アーレイ)「カルネ国のジャクリーヌ将軍です」
「!!なんですって!!それって敵国よね」
「はい、”建前”は敵国です」
「建前?」
「裏で取引してデルタとは交戦しません。ジャクリーヌ大将軍を窓口に族長と秘密協定を結びました」
「あなたがやったの?」
「はい、そうですね。結果的にそうなりました」
「何でそうなるのよ」
「要約すると”奴隷解放作戦”の時に知り合いになり、その繋がりが今の現状を生んでいます」
「それで、なんで欲しいのよ」
「簡単に説明しますと、アーヴィン軍の船を大量に壊したので、エナジーボールの供給が追いついていないのです」
「はぁ〜、その件ね。アーヴィンから修理補修用の大量注文が入ってきたのよ。あなたが原因ね」
「ええ、わざと船を半壊させたので」
「何か企んでいるの?」
「企んでいるのはディスティアの方です」
「それでどのくらい欲しいのよ」
「戦艦1隻分です」
「あら少ないのね」
「ええ、ディスティアから購入した戦艦に搭載されたボールが、精製不良が原因で動かないのです」
「あら、うちのボールかしら?」
「多分違うと思います。戦艦内部で精製できないと言うことはフォーレストの物ではありません」
「そうね、ボールは分けてあげてもいいけど・・・」
ウィンは顔を少し上げアーレイを下に見るような態度を取る。
アーレイ)「誠意を見せろと、情報ですか?」
ウィン)「貴方、察しがいいわね?けどお金って言わないの?」
「エルフは金銭を送っても、さほど喜ばないでしょ」
「そうね、貴方が私の欲しい情報を持っているかしら?」
「先程の話もそれ相当の情報だと思うのですが」
「・・・・・・」
「まだ足りないと」
少し意地の悪い表情をするウィン。
ウィン)「そうね」
アーレイ)「それでしたら”黒の精霊”の情報は如何ですか?」
「噂で出現した事は知っているわ」
「カルネの戦艦に出現して、司令官を殺しラインスラストから撤退させた。その後の足取りは不明」
「結構詳しいわね私も詳細はしらないのよ。けどそのくらいの情報じゃ足りないわよ」
「付け加えるなら、アデール女王の力が弱まり勝手に出撃した挙句、”死の騎士”に襲い掛かろうとして立ったまま死んだ指揮官。そして即座に副官が謝罪し撤退をして許された」
「えっ貴方、現場にいたの?」
「ウィン女王は鈍すぎるな、なあクリス」
クリス)「おい!俺に振るなよ!」
ウィン)「貴方それ暴言よ!」
アーレイ)「君より上位だとしてもか?」
「まさか、貴方がそうなの!」
「アデールとジャクリーヌの感は良かったよ」
不敵な笑い顔のアーレイ。
アーレイ)「あんたは駄目だな平和ボケがすぎる」
ズズズ、アーレイの周りに黒いオーラが噴き出してくる。
ウィン)「あ、あ、あなたは」
立ち上がり後ずさりするウィンはアーレイから漏れ出る黒いオーラをに恐怖を感じ慌てふためくが一寸遅かった・・・。
アーレイ)「平伏せ!ブン!」
ウィン)「ギャー!息が息が・・んぐっ」
クリス)「アーレイやり過ぎるなよ」
アーレイ)「わかっている」
フッ、威圧を弱めるアーレイ。
ウィン)「はぁはぁ」
完全に血の気の引いた表情のウィンは怯えている。
ウィン)「も、も、申し訳ありません。黒の精霊様」
平伏したまま謝罪を行う。
アーレイ)「楽にして良いよ」
ウィン)「はい、ありがとうございます。申し訳ありません黒の精霊様」
威圧から解放されたがウィンの顔色はまだ悪い。
アーレイ)「俺は黒の精霊じゃ無い、死の騎士だ」
ウィン)「黒の精霊様は?」
「今変わるよ」
アーレイから黒い霧が現れブラッドに変わる。
ブラッド)「久しいなウィン、黒の精霊アレックス・ブラッドフォードだ」
ウィン)「はい、最後にお会いしたのは150年も前です」
「もうそんなに経つのか・・・」
「黒の精霊様に名がついたのですね雰囲気が変わりました」
「アーレイから名を貰って進化したのだ」
「左様でございますか、しかし何故今なのですか!アデール様の死期が近いのですか」
「そうだ、それもあるがアーレイが器としての適性があってな憑依した」
「適正・・・だからアーレイ様は死の騎士なのですね」
「俺が前面に出ると大変な事になるからな」
「わかりました、それではボールを用意すればよろしいのですね」
「あとはアーレイとやってくれ」
「畏まりました」
ウィン)「アーレイ様、黒の精霊様が憑依されているのですね」
アーレイ)「まあね、勝手に憑依された」
ブラッド)「おい!」
ウィン)「それではエナジーボールをご用意します。運ぶ方法は如何致しますか?」
「カルネに送って貰えるかな」
「・・・・わかりました(困」
少し困り顔の女王。
アーレイ)「どうした、こっちで運んだ方が良い?」
ウィン)「我が国の輸送船は数が少なく、できればお願いしたいのですが」
「わかった、部下のポコを送るから指示してくれ」
「わかりました。そのポコ様はアーレイ様の僕でしょうか」
「まぁ、そんな感じだ。信頼はしている」
「わかりました、ありがとうございます」
「ウィン女王」
「アーレイ様、呼び捨てで構いません」」
「クーンは軍の増強を決めた、デルタの戦艦を20隻払い下げたよ」
「まさかフォーレストも強化しろと?」
「いや、フォーレストは増強しない方がいい」
「そうですか」
ほっと、胸を撫で下ろすウィン。
アーレイ)「君らは戦う事に向いていない、エナジーボールの提供国として中立に近い形をとって今まで通りやってくれ。ただしクーンにも燃料を供給してくれよ」
ウィン)「わかりました、星団法に基づき供給致します」
「提案なのだが、防空に力を注いでくれ」
「はい、現在機材の更新を進めています。もっと強化した方がよろしいでしょうか?」
「そうだね、本格的にディスティアを攻略する前に増強した方がいい」
「アーレイ様はこの先どうなさるのですか?」
「勿論、星団統一を目指している」
「・・・・誰も成し遂げれない統一ですか?」
「中立国が増えてきている今がチャンスだ」
「わかりました、何か必要なことがあれば協力します」
「頼むね」
話が済むとブラッドは黒い霧になりアーレイに取り込まれ、城をあとにするアーレイとクリス。
クリス)「それにしても、出鱈目な力だな」
アーレイ)「ああ、使い方を間違えると大変だ」
「けどその力を殆ど使わないよな」
「前にも言ったけど俺は自分の力でなんとかしたい、少しは使うけどね」
「程々か」
「そうだよ」
今回の一件でウィンはアーレイの良き協力者?なり、戦艦の燃料問題も解決したのだった・・・。
宜しければブクマ、評価お願いします。
次の回から新章に入ります。




