准将転職!
まさかの転職
ディスティア総統府。
セオドール)「おい、ヘルムートを呼べ」
秘書)「はい少々お待ちを」
ー
ヘルムート)「総統お呼びでしょうか」
セオドール)「あの作戦の進み具合はどうだ」
「はい、隕石群をコントロールする推進装置の設置は順調です」
「他は?」
「大型宇宙ステーションの建造はまだ無理です」
「何か問題がるのか?」
「作業員と予算不足が深刻です」
「作業員はカルネに募集をしたんじゃないのか?」
「はい、それなりの数を出して貰いましたがまだまだ足りません。追加をお願いしたのですが、これ以上カルネも出せないそうです」
「あそこは数だけは多いだろ、もっと増やせないのか?」
「無重力化での作業ですので熟練工員が必要で、一般人を起用しますと事故ばかり起こすのです」
「そうか、アーヴィンも空爆を受けて人手が出せんからな、まあ良い、多少の時間がかかるのは仕方が無い」
「そう言って貰えると助かります」
「アーレイの奴め、建造ドックと整備用のドックに狙いを定めて攻撃しやがって」
「はい、新型艦もアーヴィンにドックを貸しているのでなかなか建造できません」
「カルネに売った戦艦はどうなっている」
「9隻はすでに送りました。1隻エンジントラブルで修理中です」
「ドックを使わせていないだろうな」
「はい、船体が悪いわけではないので、現在海に浮かべて修理中です」
「わかった、あの船全てを1000億で買ってくれたからこっちは助かったよ」
「そう言えばの残りの捕虜は見捨てるのですか?」
「助けるのは無理だ。議会に報告書を提出したが、あの内容じゃ連れて戻さない方が良い」
「そんなに酷い内容なのですか」
「そうだ、あれを無罪にしたら暴動が起きる。向こうで下士官に対する対応が酷すぎた、無謀な命令で何名も死んでいる」
「はぁ、困りますね。最近士官の差別問題が表面化し始めています。一度引き締めた方が得策化と」
「分かってる、教会の手前そんなに強く出来ない」
「総統、批判覚悟で発言しますが、下士官に対する態度だけでも変えてください。それだけでも効果が有ります」
「わかった君の意見を尊重しよう。ルドルフも消えることだし、これ以上の刺激は反乱を招くからな」
「ルドルフが何か問題でも起こしたのでしょうか、あんなまじめな士官が!」
「ルドルフの家族が失踪した。多分アーレイの仕業だ」
「なんと、ディスティア国内で家族を誘拐したと」
驚愕の表情に変わるヘルムート。
セオドール)「事実だ、彼らは何かしらの方法で入国し出国していた」
ヘルムート)「その時、アーレイは見つかったのですか?」
「あいつは表に出ていない、王女を使って誘拐した。ルドルフはアーレイに弱みを握られている。何をするかわからないから処分する」
「・・・・何かしら要求があったのですか?」
「無いから困っているのだ誘拐の意図が見えない。一番に思いつくのがルドルフを使ったクーデターだ」
「それは流石に考えすぎでは」
「それがだなルドルフは下士官の信頼が厚い、クーデターを起こす際に下士官たちは喜んで協力する筈だ」
「言われてみればそうですね。残念です」
「ああ、私もだ・・・・」
ーー
輸送艇内部、
マドック)「アーレイ少佐、この輸送艇はジャンプするとコアが暴走しますよ」
アーレイ)「何で来るとき暴走しなかったの?」
「これですね、ディスティアに”座標”を入力すると”暴走”するようにプログラムされています」
「なるほど、それなら証拠が残らない訳だ」
「はい、爆発してしまえば航行システムは壊れて復元できませんし、フライトレコーダーにも走ったプログラムは記録されませんから証拠がのこりません」
アーレイ)「なるほどね〜、ルドルフ准将、今聞いた通りだ。それでも乗って帰るか?」
ルドルフ)「・・・流石に悩むよ」
下士官A)「俺はクーンに残ります」
下士官B)「俺も残りたいです、国に残したの家族が心配ですが・・」
結局、乗って来た下士官達は残ることになったが、クソまじめなルドルフはまだ悩んでいた。
アーレイ)「それで、君は残るのかな?」
ルドルフ)「ここに残って何をすればいい、俺は軍人だ今更、他の職業は無理だ」
「デルタ軍に入れば?」
「はぁ?君は何を言っている」
「経験者歓迎だよ〜、待遇について話し合おうじゃないか!!」
「・・・・・・・」
しかめっ面のまま動かないルドルフ。
アーレイ)「やっぱダメか・・・」
ルドルフ)「俺はディスティアに忠誠を誓った士官だ!いくらアーレイ少佐の頼みでもデルタは受け入れ難いだろ」
「そう?”俺”の第9艦隊”なら歓迎するよ」
「あれは君の艦隊なのか?」
「そうだけどなにか?」
「少佐で総指揮官なのか」
「何か問題でも?俺が”昇進”断っているだけで事実上”准将”扱いなんだよ」
「ジェフ陛下の苦労が少しわかったような気がしたよ」
「ありがとう」
「褒めてないし」
「チョットこっちに来てくれ」
「なんだ?」
「良いから早く」
アーレイに急かされ隣の部屋に入ると・・・。
ルドルフ)「ワンダ!」
ワンダ)「あなた!」
引き寄せ合うように二人は抱き合う。
ルドルフ)「お前なんでこんな所にいるんだ!カルネじゃなかったのか」
ワンダ)「わたし今、アデール様の秘書をやっているの」
「何故最初に出て来なかったのだ?」
「アーレイさんが呼ぶまで出てくるなって言われて、この部屋で待っていたわ」
「そうか、だがなぜ秘書を」
「だって働かないと食べていけないでしょ、あなた!」
「そりゃそうだが」
「アーレイさんみたいにお金をいっぱい持っていれば別よ」
ルドルフ)「アーレイそうなのか?」
アーレイ)「まあね」
ワンダ)「あの白い船乗ったでしょ、アーレイさん個人所有よ」
ルドルフ)「そうだが、軍が経費を持つんじゃないのか?」
アーレイ)「全ては無理だね。基本整備料は持ってもらっているけど、それでルドルフどうする」
「・・・わかったここに残る。だがデルタ軍は勘弁してくれ」
「わかった、それじゃ”駒”も揃ったことだしクーンにも戦艦を配備するか」
「おまえにそんな権限有るのか?」
「まあね、フローレンス、アデール呼んで貰える?」
フローレンス)「はい、只今!」
ルドルフ)「えっ?呼び捨て・・」
アデールが入室し扉が閉まり、アーレイの元に跪く。
アデール)「アーレイ様、お呼びでしょうか」
ルドルフ)「えっ?何で?何が起きている?」
アデールの態度の豹変ぶりに驚愕しているルドルフ。
アーレイ)「うん、デルタの戦艦を入れ替えるから中古船で悪いんだけど、クーンに配備して貰えるかな」
アデール)「はい、資金もありますし。獣人達も切望しておりましたのでこれを機会に増強致します」
アーレイ)「ありがとう。総指揮官は目の前にいる”ルドルフ統合幕僚長”に任せる」
ルドルフ)「えっ?」
アーレイ)「頼んだよ!元准将」
ルドルフ)「俺が統合幕僚長って制服組みのトップじゃねーか!ディスティアで言うなら提督だぞ」
「そうだよ、君は新しい艦隊編成を任せるには適任者だからね。ここにはまとめ役がいなくて困っていたんだよ。提督って呼ぼうかな」
「アーレイ、君はアデール女王より上位なのか・・・・」
「そうだよクーンの支配者だ」
ブン!威圧をルドルフに向ける。
ルドルフ)「ウググ・・・なんだこの威圧は!!」
威圧がキツく苦い表情になるルドルフ。
ワンダ)「あなた!!」
ルドルフ)「ワ、ワンダは平気なのか・・」
「はい、私は許されました。子供たちもです」
「何だと!」
アーレイ)「ルドルフ選択しろ配下になれとは言わん、少しだけ俺に従え」
ルドルフ)「くっ!わかったよ」
「楽にしろ」
「はぁはぁ・・・君は一体何者なんだ」
「ただの異世界人だよ。星団をまとめる為に頑張っているだけだ」
「フハハハ!」
呆れて高笑いをするルドルフ。
ルドルフ)「君は変な奴だと思っていたが、ここまで変だと笑うしかないな」
アーレイ)「だろ手伝え」
「わかった。艦隊は任せろ」
「残りの下士官達も雇ってやれよ」
「そうするよ」
ーー
ガチャ、スタスタスタ、部屋からワンダが出てきた。
下士官)「あ、あの女性は確か・・」
遅れてルドルフ、アーレイ、フローレンスが部屋から出てくる。
フローレンス)「ルドルフ准将の奥様ワンダさんはアデール女王の秘書ですので、女王に代わりに皆さんの話を聞くことになります」
下士官)「本物の准将の奥様ですよね、ディスティアから失踪したと聞いてますが」
ワンダ)「ええ、そうです。ディスティアから抜け出し此方ににお世話になっています」
ルドルフ)「俺もまさかここ、クーンにいるとは思っていなかった・・・」
下士官)「新聞に小さく失踪したと書いてありましたが、なぜここで秘書を」
ルドルフ)「初めに行っておくが俺は指示していないぞ、アーレイ少佐が勝手に誘拐して連れてきた」
下士官達)「ジー」
なぜかアーレイにみんなの視線が集まる。
フローレンス)「アーレイ少佐どうぞ」
アーレイ)「それでは皆さん。あなた達の今後についてお話ししましょうか」
下士官)「ルドルフ准将は結局どうされるのですか?」
ルドルフ)「私は・・・クーン精霊王国軍。総司令官、トップの提督に任命された」
「はい?マジですか?提督ですか?」
「そうだ、新しい艦隊を率いる事になった」
「私たちはその艦隊に入れるのですか?」
「君たち次第だ。獣人のクルーが殆どだそれでも大丈夫か?」
「勿論です。お供します准将!」
「よし、皆まとめて艦隊に配属する」
「あ、有難うございます」
下士官)「アーレイ少佐、気がかりなことが・・・」
アーレイ)「残してきた家族か?」
「はい、そうです」
「ディスティアから連れて来ればいい」
「宜しいのですか?」
「国籍を変更しても構わない」
「わかりました。ただ連絡が取れないのです」
「そこは問題ない。協力者経由で連絡出来る」
「有難うございます」
「ただ、すぐに引っ越しは無理だな」
「そうですね、熱りが冷めるまで必要なものだけ送るしかないです」
「協力者の所に一時保管して少しずつ運べばいいよ」
「助かります」
「礼は不要だクーンの為、星団の為に働いてくれ」
「了解しました!」
フローレンス)「アーレイ様、ジャクリーヌ様から緊急連絡が入りました」
アーレイ)「わかった。別室で話す」
ルドルフ)「おい、アーレイ!ジャクリーヌってカルネの大将軍のか?」
アーレイ)「そうだよ、それが?」
ルドルフ)「君と繋がっているのか」
アーレイ)「そうね、知り合いだからね」
ワンダ)「あなた、私たちが脱出する時にその名前の方にお会いしました」
ルドルフ)「まさかカルネで・・・」
ワンダ)「はい、リゾートホテルのオーナーと紹介されました。まさかそこまで偉い方だとは存じ上げませんでした」
「なるほど、カルネに協力者がいるからディスティアに簡単に入れたのか」
「そうだよ、あそこは獣人の国だ。俺に従う」
「どこまで斜め上なんだ君は・・・」
「じゃ、後ほど」
涼しい顔で退出するアーレイ。
ーー
アーレイ)「ジャクリーヌどうした?」
ジャクリーヌ)「あの戦艦が1隻エンジントラブルで動けないのです。何をやってもダメでして、現在海に浮かんでいます」
「はぁ、そりゃ大変だな。手伝うことがある?」
「エナジーボールの精製不良が原因で動かないようなのです」
「ディスティアに請求すれば?」
「それが・・・コアを破壊された船が修理に押し寄せて、コア自体がが不足していまして」
「あっ、ワリィ俺のせいだ。なんとかするわ」
「助かります」
話が終わり、ルドルフの所に戻ったアーレイ。
アーレイ)「悪いね、話しは終わった」
ルドルフ)「ああ、こちらも済んだ、残るは懸案の捕虜についてだ」
アデール)「アーレイ様グリーンカードは如何しましょう」
アーレイ)「まだ、発行しなくていいよ、ルドルフ准将、多分、輸送艇を送れば奪取してくる」
ルドルフ)「そうだな」
「そのまま乗せれば?」
「残りはどうする」
「カード発行はする」
「俺は少し気が引ける」
「わかった俺が説明するよ、だから1人で行く」
「頼んで良いのか?」
「任せろ、悪戯してやるから」
「・・・・・・」
アーレイの説得でルドルフはクーンに残る事になった。そして問題の捕虜と対峙する事になった。
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