処分が下る?
ルドルフの家族を保護したことで意外な方向に進みます。
城に戻ったアーレイはルドルフに連絡を入れた・・。
アーレイ)「ルドルフ聞こえるか」
ルドルフ)「どうしたアーレイ」
「あの捕虜は無理だな」
「そうか、こちらも扱いに困っている」
「帰還運動が盛り上がっていないのだろ」
「ああそうだ。家族がデモを行っているぐらいだ、数も100人ほどでニュースにすらならんよ」
「引き取りには来るのか?」
「一応な、総統も判断に迷いがある、帰還させても金の無駄遣いだと批判を気にしている」
「ここにきて日頃の行いが裏目に出たか」
「ああそうだ、いっそのこと途中でいなくなってもらうのが1番なのだが、方法を思いつかん」
「なら、クーンでが引き取る代わりに補償金を支払うなら角はたたないかな?」
「それ良いな!よしそれで行こう。アーレイ頼めるか」
「もちろんだ手伝うよ」
「それでだ、身代金の金額はどうする」
「そうだな2倍要求するよ。君が値切って通常価格でまとめた事にすれば良い」
「簡単に言うな」
「がんばれ」
「人ごとだな」
「人質いるから」
「お前なー」
「嘘だよ、ちゃんとした額を提示するよ、それとみんな元気だよ」
「・・・・」
もう既に敵同士の会話ではなくなっている2人・・。
ーー
ディスティア諜報部。
部長)「おい、ルドルフのマンションに待機している部員の定期連絡が来ないぞ」
部下)「変ですね、全く繋がりません」
「交代は昼だがすぐに様子を見に行け」
「わかりました」
そして向かったそのマンションのドアをドンドンと叩くが反応が無かった。
諜報部員)「返答がないな、んっ?鍵は開いているな」
レバーを下げると扉が開き、そのまま中に入る諜報部員。
諜報部員)「な!」
そして中を見て愕然とする諜報部員。
諜報部員)「何も無い・・・・どうゆう事だ」
慌てて走り回り、外から部屋を確認する。
住民)「あー、そこのユニットは今朝早く抜いて行ったよ」
諜報部員)「本当か?抜いたのか」
付近の住民が慌てて走り回っている諜報部員に声をかける。
住民)「ああ、振動で飛び起きたんだ、全く迷惑なことをしやがる」
諜報部員)「そうか、わかった」
諜報部員は慌てて部長に連絡を入れる。
諜報部員)「大変です何もなくなっています。付近の住人の話では今朝早朝にユニットを抜いたそうです」
「それなら、早く足取りを追え!」
「わかりました」
数十分後。
諜報部員)「ダメです。コンテナヤードで確認しましたが、認証コードは違うコンテナに交換してありました」
部長)「探したのか?」
「今探していますが数が多すぎるのと、防犯カメラが保管庫の中には無いので確認ができません」
「出入庫の確認は?」」
「もう500個以上出入りしていますので見当もつきません」
「完全にやられたな」
「はい、令状が無いので作業を止める訳にもいかず数は増えるばかりです」
「仕方ない戻ってこい」
「はい」
ーー
ディスティア総統府。
執事)「総統、御子息が面会に来ています」
セオドール)「わかった通せ」
ティファ)「入ります!」
「ティファ、久しぶりだな」
「親父久しぶり」
「それで、用件は?」
「教会から連絡が入った。会長の安否を知りたいそうだ」
「うーん、それは秘密事項なのだが絶対漏らすなよ」
「ああ、わかっている」
「捕虜収容所で問題を起こした。現地に教会の手の者を送り込んで視察中に奪還しようと戦闘になった」
「それで、助かったの」
「結果失敗したんだが、会長は取り調べの最中に記憶を覗かれた際、突然おかしくなっていま廃人らしい」
「わかったよ、アーレイの仕業か?」
「ルドルフの報告だから一応は信用できると思う、あいつも撃たれているし」
「それで親父、そのルドルフを始末できないか?」
「何故だ、有能な准将だぞ」
「それが困るんだよ、獣人に対して平等に接するから教会が思うように動けない。規律が乱れるとか、個人的な理由で差別するなとか言って邪魔をする」
「教会がやり難いのはわかるが、あそこまで有能な指揮官だからなそうはいない。はい、そうですかと切るわけにもいかんのだよ」
「噂で聞いたけど、家族が失踪したんだって」
「ティファ!何故知っている」
驚くセオドール、それもその筈ルドルフの家族失踪は極一部の人間しか知らない重要情報だからだ。
ティファ「そりゃ手駒はいるからね、そのくらいの情報は入るよ」
セオドール)「ふん、貴様も偉くなったんだな」
「考えたんだけどさ、人質を取られたルドルフは脅されたら何をしてくるかわからない、今のうちに処分したほうがいいんじゃ無いの?」
「確かにそれは困る、誘拐したのはデルタのアーレイらしいからな」
「じゃ、尚更危ないよルドルフは」
「誘拐の意図が見えんのだよ、捕虜の交換も常識的な価格で交渉している」
「身代金を横領して山分けとかは?」
「それは無いな、デルタにいる影の報告だとそのまま国庫に入れたそうだ」
「それなら、もっとでかいことを考えているのかもよ」
「例えば?」
「クーデターとか、アーレイが裏で協力したら結構現実的だと思うけどね。俺ならそう考える」
ティファは嫌らしい思考の持ち主らしい、それは常にその脅威を疑っているからだ。
セオドール)「なに、ルドルフを脅して使うのか?」
ティファ)「それもできるし、万が一クーデターが失敗しても家族の安全は守られる」
「言われてみればその線もあり得るな、だが確証がない、お前は証明できるのか?」
「ないね、けど状況から言ったらアーレイ達を手引きしたと考えてもおかしくない」
「ああ、侵入経路が不明のままだ」
「あの綺麗な王女も入国したんでしょ、写真見たよ絶対おかしいって突然現れるって。どうやって潜り込んだのさ、誰かが手引きしないと絶対入れないよ」
「そうなんだ、何故簡単に入れたのかわからない。手引きしたなら簡単に入れるか・・・」
この時点でカルネ国が裏で協力しているとは気づいていなかった。
ティファ)「親父、面倒だから次回デルタに行って帰りに事故を装って船ごと破壊すればいいじゃん。それか交渉決裂して戦闘になって捕虜ごと消されったって事にすれば丸く治るって」
セオドール)「ティファ、捕虜に関しては国籍放棄が決まりそうだ」
「えっ?帰還させないの」
「下士官に対する問題行動が多すぎて、戻ってきても重い処分を下さないとダメなんだよ。このまま連れて帰ると更に問題が大きくなる。この前の大騒ぎ覚えているだろ」
「ああ、あれか・・・・」
「予想以上に士官に対しての反発が大きい」
「じゃ、尚更ルドルフは消さなきゃ。下士官の信頼をこれ以上得ると取り返しがつかなくなるよ親父」
「なに、下士官の捕虜解放に尽くした士官としてか?」
「そうだよクーデターを起こすにしたって下士官が協力しないと出来ない。今回の捕虜解放で知名度と人気が鰻登りだ。これで最後の仕上げに残りの士官を処分すればまた上がる」
「もしかして下士官達のルドルフのに対しての評価は高いのか?」
「そりゃ下士官達の強い見方だって評価だよ。個別の報告書を見てもみんなルドルフを褒めている。彼の下で働きたいと志願兵が1番多いよ」
「そうか仕方がない。早めに危険な芽は摘み取るか・・・」
「それがいいよ、最後だから反抗的な下士官も一緒に処分すれば?」
「そうだな、それはいい考えだ」
「じゃ、お前人選は任せた」
「わかった」
ティファの口車に乗せられ、良い策を思いつかないセオドールは丸投げしてしまう。
ーー
ティファの執務室・・・。
ティファ)「よし!これが成功すれば教会にでかい顔をできる。おい!反抗的な下士官のリストを出せ」
秘書)「はい、これになります」
「よし、パイロットと副長、護衛に適した奴を選んでくれ」
「わかりました」
ーー
城の近くまで飛んできたベクスター。
アーレイ)「ポコ、着陸したら君はベクスターの整備を頼む、アデールと難しい話をしなきゃならん」
ポコ)「わかったナノ」
ポコを離したのは捕虜に関する秘密の話が多いからだ。
アーレイ)「アデール戻ったよ、全然ダメだねあいつら」
アデール)「わかりました、囚人達はどうなさいますか?」
「ああ、非常食を上から落としてあげて、適当でいいよ」
「畏まりました」
「それと、あいつらをクーンで引き取る事になりそうだけど大丈夫、勿論、協力金の形で身代金は取るつもりだけど」
「えっ?それは国籍を与えるのでしょうか」
「引き取れば身代金が出るから、ぶっちゃげどこの国でも良いんだけどね」
「アーレイ様、国籍はクーンで構いません!」
「本当にいいの?」
「はい、街中の放り出したら面白い事になりますよ、身代金も頂けるのでしたら尚更」
「そうだね、武器がなければ勝てないし、任せても良いか?」
「はい、身代金をもらう手前これくらいは問題ありません」
「アデールはあの士官達はどうなると思う?」
「解放するときに働き口を紹介するつもりですが、まともに働かないと思います」
「窃盗を繰り返すと?」
「そうですね、捕まって徐々に数を減らすと思います、獣人達は彼らに絶対従いませんから」
「そうか、ありがとう」
最悪な事を考えアデールに協力を貰ったアーレイ。準備は万端だ!
ーー
ルドルフの執務室。
秘書)「ルドルフ准将、お金の準備ができました。それと今回同行する乗組員の名簿です」
ルドルフ)「わかった、出発はいつ頃になる?」
「明後日出発可能です。今回は引き取りがないので小型の輸送艇になります」
「わかった、今から船を確認する」
「あのまだ、駐屯基地からこちらに向かっています。確認は整備が終わってからになるので、明後日の早朝になります」
「そうかわかった」
ルドルフは乗員名簿を見る。初回は教会、前回は暗殺者、あまりに酷い人選だったので、確認を始めたのだった・・・。
ルドルフ)「今度の同行者はやけに下士官が多いな・・」
名簿に載っている10名の名前を片っ端から検索し始めと、なにも不審な所は無いが士官に対する態度の評価が低い下士官ばかりだと気がつく。
ルドルフ)「全員低いな・・・・。ちょっと話を聞いてみるか・・・」
流石にルドルフもセオドールに対し疑いの目を向け始めた・・。
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