フライアウェイ学園
さぁ、読んで騙されよう。
今日も普通の学校生活が・・・始まるはずだったのに・・・。
灘木亜友里
朝、学校に登校して、違和感を感じた。
それは、私の所属する2−4以外の生徒がいない事・・・。
もしかして今日は休みだったのかな?担任による連絡ミスなのだろうか?
同級生のみんなもそう思い始める。
しかし、不思議とみんな帰ろうとは思っていなかった。
それは急すぎる事態だったから。
どうするのか誰も決めれず、みんな何となく残ってしまったのだ。
その所為で、恐ろしいゲームが始まってしまった。
朝のHRに来たのは、全く知らない女の先生だった。
いや、もしかすると先生ですらないかもしれない、でも、その人は自ら自分を先生だと言った。
「おはようございます。みなさんは他のクラスの人がいなくて違和感を持っている人がいると思いますが、特に気にしないでください」
むちゃくちゃだ。何を言っているんだろうこの人は?
その先生はいきなり出席を取り始めた。
全員で30人。男が18人で女が12人。
全員がいることを確かめてから、先生は一言言った。
「みんなには、あるゲームをしてもらいます」
何かの冗談だと思った。
このフレーズはほとんどの人が知っているものだ。
こんなふざけた冗談など、今は笑える人間などいない、
「ハハハハハ!!先生!ちょ!マジそれ受けるんですけど!!」
・・・・いや、まぁ、例外はいるものよ。
「出席番号12番、黒羽音恩くん、うるさいから死んでね」
突如、先生は懐から銃を取り出して撃った。何の躊躇もなく。
音がうるさく響いた後、あのナンパ大好きな音恩君の顔が真っ赤になっていた。
「きゃぁあああ!!」
亜鹿ちゃんの悲鳴が聞こえる。
「だっせ!何してんだヨ!これだからナンパヤロウは馬鹿なんだヨ」
なぜか池波君が馬鹿にしているけど・・・きっと動揺しているのよ。うん。
「辛っ!先生これ!げほっ!タバスコ!?でばぁあ!!」
な、なんで音恩君は生きているのよ!!てかタバスコだったの!?
「さて、一人減っちゃったけど・・・ゲームは続くよ」
いや、減ってませんよ先生?
それでも先生は話を進めた。
「レオナルドデカプリオを今でも知っている人って少ないわよね?」
先生、100%その話題今いりませんよね?
「ここの電子ボードに私達からの『指示』が表示されるわ。その『指示』をクリアしていけば、あなた達は無事お家に帰れるわよ・・・でも、死んじゃう子もいるから・・・気をつけてね?」
なんか特に難しそうなルールは無かったし、なぜそれをするのかも教えてくれなかったけど・・・私達は大変な事に巻き込まれてしまったことに間違いは無いようだ。
そのまま先生は電子ボードを置いていくと、教室を出て行ってしまった。
教室内は沈黙で埋め尽くされていた。
「オイ狼!喉が渇いたからジュースかってこい」
「はぁ?要弧〜、お前この空気読めよ?ここは一応真面目な顔をして黙っているシーンだろ?」
「ねぇねぇ!麗治さん!ゲーム楽しみですね!」
「それよりも授業して欲しいよ・・・ただでさえ数学が遅れているって言うのに」
「なによ〜、麗治は頭いいから勉強しなくていいんでしょ?それとも嫌味?」
特に沈黙でもなかったけど、今の子は黙る事ができないから仕方ないのよ。うん。
そんな騒がしい中で、いよいよ電子ボードに『指示』が映し出された。
『誰か一人の心臓をみんなで踏む事』
なんて最悪な指示なの?外道だわ!
みんなもその指示に憤りを覚える。無理も無いわ、私達はまだ子供なのよ?それなのに・・・こんなの間違っている!
「亜友里ちゃんの今日のパンツはピンク色で〜す」
「カシャ」
下から聞こえるシャッター音と変態で有名な古道修介の声、ニックネームはしゅう君。って。
「何しているのよこのド変態ガァアアア!!!!」
私はついキレて下で私のスカートの中を盗撮したしゅう君を踏んだ。
「てめぇしゅう!今の状況をよく見ろよ!」
「この変態め!お前馬鹿だよ!誰かが死ななきゃいけないんだぞ!?」
「女の子に盗撮なんて最低!謝れ!」
「貴様には死がお似合いだ!」
「後でその写真売ってくれよな!」
みんなが口々に罵声を浴びせながらしゅう君を踏みつけた。春時君は変な事を言ったから留学生のシェナちゃんに殴られていた。
みんなが踏み終えたころ、電子ボードから音がした。
『ミッション、クリア』
固まる同級生達。
「・・・あぁ、じかに心臓を踏まなくてもよかったんだな」
天才の沖田で有名な麗治君が説明をしてくれたお陰でみんな納得した。
ていうかこれでよかったんだ。
だが、すぐに次の指示が写される。
『誰か一人を見殺しにしろ』
な!そ、そんな!今度こそ誰か死んでしまうわ!
見殺しにしろなんて!これを考えた奴は最低よ!腐ってる!
「・・・ところでさ・・・見殺しって事は・・・手を加えちゃいけないって事か?」
晶君がふとそんな事を言った。
そしてみんな固まる。私も固まる。
「・・・・どうすればいいの?」
みんなの気持ちが一つになった。
「これってさ、つまりは自虐って事かな?」
羊ちゃんが提案をする。なるほど、要するに自殺をさせるということね。
「でも待てよ?ナイフも無いし。ここは一階、飛び降りる事すらできないぞ?」
彰桜君、ニックネームはしょう君、が問題を定義する。
どうやら手も足もでないようで、みんなが頭を悩ます。
「ったく、みんな怖い顔しちゃっテ、ここはオレのギャグで盛り上げてヤルゼ!」
池波君が何を思ったのかギャグをするなどと言い始めた。
「行くゼ!・・・・昨日、ジャックが妻のメアリーに言われたんだ。『あなた!浮気しているでしょ!』『おいおい、何を言っているんだ?するわけ無いだろ?』『嘘よ!マイケルの妻のジェニファーと浮気しているんでしょ!』『な、なぜそれを?』『だってマイケルは私と不倫しているから何でも教えてくれるのよ!』・・・だってさ!あはははははははは!!!!」
教室は今までに無い沈黙の底に叩きつけられた。
いまさら池波君のフォローをする子もいなければツッコミをしてあげる子もいない。
事実上池波君はみんなに見殺しにされた。
『ミッション、クリアー』
池波君とクラスメートの間に距離ができたけど、池波君は一切気にしていませんでした。
『次が最後の指示』
なんと、電子ボードには予想外にも早く最後の指示が表示された。
今度も、みんなでうまく乗り越えられるだろうか・・・。
『来週の月曜日までに課題を全部提出する事』
『そ!そんなぁアアアア!!!!』
クラスメートの大半の子が悲鳴をあげた。
「無理だ!そんなこと・・・くそっ!汚ぇぞ!!」
「悪魔!鬼!地獄に落ちちゃえぇええ!!!」
「バーカバーカ!!!そんな事やってられっカヨ!」
「私達は!絶対に負けないんだから!!」
「ちくしょぉおおお!!絶対に出さないで生き延びてやるぅうう!!!」
「・・・・ねぇ、もう帰ってもいいわよね?」
私はアホらしくなって帰る事にした。
「じゃあね〜亜友里ちゃ〜ん、気をつけてね〜」
最後は終始マイペースだった由貴が挨拶をしてくれた。
ふざけた人たちばっかりだけど、私、みんなの事、大好きだよ。
「じゃあ〜亜友里ちゃんのパンチラ写真欲しい人〜」
「うぉおーー!くれくれくれ!!」
「オレもオレも!」
「私もほしぃ!」
とりあえず私はダッシュで教室に戻った。
すまん、完
登場人物について詳しく知りたかったらATURA作品を読んでね!続編を書いて欲しかったら祈っててね!文句があったら社会に文句を言ってね!
やっちまった感はある。でも悔いは無い。