佐々木カナの夕方
「...死にたい」
これは私の口癖でもあり、本心でもある。
同じ事の繰り返しだ。なんでこんなに面倒なのだろう。
全て面倒くさい。具体的にこれが面倒とか考えるのももはや面倒くさい。
全て投げ出したい。なのにそれができない。
面倒なんだ。考えるのも行動するのも。全てが面倒。面倒だから死にたい。
でも死ぬのは難しい。痛いし苦しい。
交通事故にでもあって都合よく死ねないかな。
自殺する自信はないしとても面倒くさい。
今日はなにをしよう、考えるもの面倒だ。
そんな事を考えながら、今朝方にポストから取ってきたチラシの束を見た。
その束の中に異様な空気を放ってる封筒を発見する。
大きく"義務"の文字が印字されている。
「義務ねぇ…。」
封を開けて中身を確認する。
- 初めまして 突然ですがこの手紙が届いた方は4月26日までに下記の場所までお越しください。
来られなかった方は国家義務の放棄と見做し処罰がくだされますのでご注意ください。
緯度..... 経度.....
また国家機密のため、上記の内容は他言しないようお願い致します。
何かご不明点がありましたら公衆電話より下記の番号へおかけください。
#*-*##-23#*
以上 -
「国家義務の放棄…。何か考えるのも面倒だが。」
滲み出る胡散臭さがすごい。ていうかなんだその番号。
意味がわからない考えるのも面倒だ。と言いたいところだがしかし興味がないと言えば嘘になるだろう。
試しに緯度と経度を調べてみる。
なにも無い、というかこれ地上ではない気がするのだが本当に大丈夫か?これ。
それに4月26日までって書いてあるが今日は何日だったけか。
カバンの中から手探りでスマホを見つけ出して日付をかくにんする。
「あと3日しかないじゃないか。」