第2話 扉の向こう側
自分が殺されると知った僕は、必死に隠れる場所を探していた。
そして、やっと見つけた場所は.....
葬式は何事もなく終わった。
坊さんが僕の顔を見て、「私は関係ないからな」と封筒を手に取ったことで、もう逃げられないところまで進んだことが理解できた。
全員が火葬場に移動した。
僕の殺される場所はきっとここなんだと思ったら、居ても立っても居られなくなった。
どこかに逃げよう。
でも、どこに逃げればいい?。
トイレに行くふりをして、僕は火葬場の中を歩いてみた。
隠れられる場所があればいいけど...不安で吐き気がしてきた。
えずいている僕の手を取り、優しく声を掛けてくれたお兄さんがいた。
「逃げよう」
「どこに?」
「君が殺される必要はない。
ぼくがみんなを説得するから、その間ここに隠れているんだ」
「...でも」
「見つかったら殺されるから、絶対に声を出しちゃいけないよ」
僕が隠れるとすぐに鉄製の扉が閉められた。
「誰にも見つからないように、鍵を掛けるから安心して」
ガチャリと重い音がして、扉に鍵が掛けられた。
そこは暗く冷たい部屋だった。
少し腐った肉の臭いとカビの臭いがした。
だんだんと目が暗闇に慣れてきた。
部屋の中央には台があり、誰かが寝ているように見えた。
「誰かいるの?」
小さな声で聞いてみた。
返事はない。
返事があるはずがない。
そこに寝ているのは、これから火葬される遺体だからだ。
ここで遺体と一緒に、生きたまま焼かれる運命を、その時の僕は知らなかった。