第7話 出会い
今回の話は、長くなりそうなので二つくらいに区切ろうと思います。
一方で.....
人族即ち、人間の王様の話をするとしよう。
おう!俺は、ゼウス神聖王国の国王、ジュピタ・ユノ・ゼウスだ! え? 若いって? ハハハ! 嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか! これでも、妻と息子一人娘二人いるんだがな。
今、俺達王族は、バハムート神皇国に向かっている。何故って? そりゃあ、俺達人族が敵対しているシヴァ魔皇帝国との戦力差を埋めたいってのもあるが純粋にどういう種族なのか知らないのだ。ただ今まで中立状態だったから話をしたいという文面を書き手紙を送った。正直受けて貰えるとは思ってもみなかった。だが、返ってきた返事が《喜んで!》の一言だった。
最初は、疑ったさ。しかし、嘘もないことが分かった。話をする日時が記されていたからだ。
しかし、現実も甘くはなかった。会合場所がバハムート神皇国だった。そこに行く為には絶対に護衛が必要だ。何故って? 『死線の森』があるからだ。あそこの森は、冒険者ランクAのやつらが七人構成で挑んでやっとの余裕が出来るくらいだ。
しかし、こちらに頼れる騎士団長様がいる! 名をシャンス・シルトという女性騎士だ。 団長だから男だと思っただろう? しかし、女性だ。黒髪のストレートで武人みたいな堅物なんだぜ。 しかも、加護持ちだ! 娘二人も持っているが説明は後程だ。
どういう加護だというと、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・フォルトューナの加護
世界一、幸運の持ち主の証であり、不運は訪れないが、机の角に小指をぶつけるくらいの不運はある。因みにこれはフォルトューナのイタズラである。死の間際に直面した時、幸運値が限界突破し、生存確率が百パーセントになる。
顕現する武具または防具『矛盾』
性能は、『矛』は、たとえ適当にふるったとしても敵の急所に当たり、『盾』は、敵のどんな攻撃だろうと防ぐ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いや〜、王の権限でステータスを覗けるがいつも思うことは加護持ちは良いな〜!
俺も欲しい! って思っちまうぜ! そろそろ身の回りに注意しなきゃな。
それはそうとして、今はさっき言った、『死線の森』にいるんだがな! もちろん、騎士団長だけではなく、その他に十人くらい連れてきてる。 流石に一人だけってのは気が引けるからな。ということで現在までの話は終わり!
「お父様、まだ着かないの?」
「ん? ああ、多分半分過ぎたくらいだと思うぞ」
「え〜!? 早くここから出たい! 怖いんだもん!」
この二人は、俺の娘だ。アテナとディアナだ。二人特徴はそうだな...髪の色と目の色が逆なだけだしな。
騎士団が戦ってる時は父親として守らねば!
だが、娘守って俺が死んだら本末転倒だしな。
「陛下!」
「どうした!」
「前方、数十メートル先に巨大な魔物が!?」
「何ぃ!? お前達だけで討伐できるか?」
「いえ...あれだけの大きさは初めてなので防御が精一杯かと...」
「そうか...乗馬が上手い奴連れて来い!」
「っ!? 分かりました!」
しょうがない、防御は騎士長に任せて他の奴らも防御で、足の速いやつが助けを呼びに行ってもらうしかない!
「陛下! お呼びでしょうか!?」
「よし、お前は馬に乗って、助けを呼んできてもらえないか?」
「しかしっ!? 陛下をお守りするのが私達の仕事ですがっ!?」
「助けを呼ぶのも立派な仕事だ! 行って来い!」
「っっ!? わ、分かりました!? 必ずや助けを呼んできます!?」
頼んだぞ!!
私は、陛下直属の騎士団の団員のヨト・ソーグスというものです。私は、いや僕は王国の学園を卒業してすぐにこの騎士団に入れた。成績と実績それと、足の速さ、馬の乗りこなしなどで採用された。今まで僕は、この技術が、得意でもなんの役に立つのかが分からなかった。だって、騎士って守るためにいるんだもの。
足の速さは要らないと思ってた。
しかし、その考えも今日までだ! 助けを求めて走るのも立派な仕事だと陛下が言ってくれた! だから、その期待に応えなければ!
「ハァ...ハァ...ハァ...ハァ...」
どれくらい馬を走らせただろか、焦ってるせいか時間の流れが遅く感じる。 まだか、まだか、まだか。お願いだ、誰かーーー
「貴方は、ゼウス神聖王国の騎士団の方ですね?」
「えっ!?」
リュートとキキョウがヨトと接触する、小一時間ほど前・・・
「ゼウス神聖王国の人達ってまだ来ないの? 母さん」
「そうねぇ、もう着いてもいい時間帯のはずなんだけど...」
う〜ん、おかしい。こういう場合、ラノベだったらどういう展開だったけなぁ?
盗賊? いや違うな、この森にいるわけないな、人がとてもじゃないほど生きられる場所じゃない。
盗賊ではなかったらなんだ? キキョウに聞いてみるか。
「キキョウ、ちょっといいか?」
「なんだ、リュート?」
「こういう場合のラノベの展開ってどんな感じだったか分かる?」
「あれじゃないか? 人には勝てなさそうな魔物が出てたりして」
「っ!? それだぁ!? (索敵魔法的な感じで魔力操作で...出来たっ!?)」
丁度、二キロくらい先で耐えてる! お母さんに説明してキキョウと助太刀に行くか!
「母さん!? やっぱり襲われてる!」
「えっ!? 誰が何に?」
「王国の人達が、デカい魔物に!? 助ける為にキキョウと向かっていい?」
「分かったわ! 行ってきなさい! お父さんには私が伝えとくから」
「ありがとう! 母さん! キキョウ行くぞ!」
「おう!」
絶賛、助太刀に行こうとして魔法使ってダッシュ中。
普通に考えてみれば俺ら、まだ五歳の子供じゃん。
よく母さん「分かったわ!」とか言えたもんだな...
まぁいい、今は人助けが最優先だ!
ん? 一人だけでこっちに向かってくる人いるな。
「キキョウ!」
「なんだ?」
「こっちに向かってくる人と接触したい」
「おーけい、行って話でも聞いてくるか!」
そして、さっきに戻る。
「貴方は、ゼウス神聖王国の騎士団の方ですね?」
「えっ!?」
「もう一度聞きます。騎士団の方ですか?」
「え、あ、は、はい! 私はヨト・ソーグスと申します。陛下直属の騎士団の団員です。」
(お〜! テンプレの騎士団! いいね〜!)
「僕達は、援軍だと思ってくれればいいです。」
「は、はいっ!? こ、子供?」
「そりゃ、びっくりしますよね〜」
「おい、リュート。早く連れてってもらおうぜ」
「おっと、そうだね。すみません、ここまで来てはなんですけど、残ってる人達のもとに僕達を案内してもらえますか?」
「しかし、君達だけとは...」
「ああ! そこは心配なく、後から他の者達の来ますよ。(嘘だけど、テヘッ!)」
「・・・分かり、ました。では、ここに!」
そう言うとヨトさんは、自分の後ろに乗ってくださいと言わんばかりに。
「大丈夫ですよ。自分達は走っていけますから。」
「えっ!? 本当に大丈夫ですか? 置いていっちゃいそうなんですけど...」
「さぁ、行きましょう!」
(ほとんどリュートが喋ってくれたおかげで早く行けそうだな。)
空気化してたキキョウであった。
少しの距離を走っていると、
「見えました! あの魔物が陛下達に牙を剥いています!」
(なんか、すごい見た事あるやつだな)
(デジャブと言うのだろうか、リュートや俺が普段から狩っている蛇の魔物のデカいバージョンじゃねえか!)
「分かりました! キキョウ、行くぞ! 」
「おう!」
「「ぶった切る!!」」
と言ったものの、
「って、剣持ってきてねぇ!」
「本当だ!もう、木の枝に魔法付与して武器にしちゃえばいいんじゃね? エンチャントほにゃららみたいな」
「おーけい、んじゃ木の枝を木から拝借してと」
ポキッ! パキッ!
「そんじゃ、魔法でやってみるか」
「リュート、ぶっつけ本番だが出来るか?」
「出来なかったら、殴るまで!」
「いや、魔法あるだろ!」
『付与・炎刃』
『付与・水刃』
すると、リュートには炎の、キキョウには水の、木の枝を柄に見せた炎の刃がある剣と水の刃がある剣になった。
「なんだ!その魔法は!」
ヨトには、知らない魔法のようだった。びっくりしてる顔してるもんね。
「よーし、上出来だね」
「イメージさえしてれば、出来るということだな」
「よし、準備万端だね。行くぞ!」
「おっしゃ、やってやるさ!」
まずいな、優秀な盾役がいるけど、体力と精神力ともに疲れてる。一気にケリをつけた方が良さそうだな。
「リュート、すぐに終わらせるぞ! 首を斬る!」
「おうとも!」
ダンッ!!!
と俺達は地面を蹴り、魔物の首元まで文字通り跳んでいき、、、
「「セイッ!!!」」
と大丈夫かな? 手応えはあったが、あ! 首落ちてきた。良かった良かった。
「案外すんなりいけたな、リュート」
「そうだな、キキョウ」
「な、何ィィィィ!!」
うわ、びっくりした! 誰だ、叫んだの。いたいた、王様っぽいな。
「おい! 君達がやってくれたのか!」
あ、話しかけてきた。答えないと、
「あ、はい。ヨトさんに案内してもらってすぐに魔物が見えたんで、ジャンプして斬りました」
「おい、リュート、端折り過ぎだ。」
「陛下〜! 助け呼んできましたよ〜って終わってるーー!!」
「ヨトか、よくやったぞ。だが、なんで子供なんだ!うちの娘と同じくらいの子じゃないか!」
「へ、陛下! 落ち着いてください。 僕達は援軍ですみたいなこと言ってたから大丈夫かなって連れてきたんですから、なんかすごい魔法も使ってましたし」
「むっ! そ、そうか分かった。すまんな」
「いえ、大丈夫です! 驚かれるのは無理もないかと」
ヨトさんと王様が話をしていると周りにいた騎士達も王様のほうへ寄っていった。
次話は、出来るだけ早めに投稿したいです。
ですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです。