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魔法についての説明

 客間に通された俺は、そこで魔法についての説明を受けることとなった。


「さてと、それじゃあ魔法について詳しい説明をしようか」


 これからリンネさんが、魔法についての詳しい説明をしてくれるそうだ。


「はい」


 それなりの、誠実さを見せていかなければ信用は大切だ。


「まず、魔法っていうのは、そもそも誰でも使えるものなんだよ」


 誰でも使えるだと?もしそうなら、なぜ使うことができなかったのだろう。


「でも、今となってはほとんどの人が使えなくなってしまっているんだよね」


「いや、使い方を忘れてしまっていると言った方がいいかな」


 使い方を忘れてしまっているとはどのようなことだろうか。


「でもね、以外と魔法は目に見えないところに存在しているんだよ」


 目に見えないところというと、いったいどんな風に?


「たとえば、不思議な現象の類は大体人がたくさん集まって生まれた魔力の波によって起きるものなんだよ」


「まぁ、例外もあるにはあるけどね」


 例外とは、何だろうか聞かないことにしておこう。


「そうそう、言い忘れてたけど君の学園の学園長さんも魔法が使えるんだよ」


 なに、学園長が魔法を使えるのか。それは初耳だ。


「学園長さんは、国内でもなかなか有名な魔法使いだったんだよ」


「でも、魔法が忘れられていくにつれて人前で魔法を使うような人は減っていったからね。学園長さんが魔法使ってるのは見たことないでしょ?」


 確かにないだろう。いや、まてよ学園長室の扉をノックしたときに扉の横の壁の中から聞こえてきたように思えた声、あれこそ魔法を使っているのではないだろうか。


「いや、魔法だと思われるのは一度だけ見たような…………」


 しかしそうなると、ここまで話を聞いてきて気になることが出てきた。


「あの、1つ質問いいですか?」


「質問?いいよなんでも聞いてね」


「なんで、今魔法は消えつつあるんですか? 便利そうなのに…………」


 その質問に彼女は、まるで重い口を開くかのように答え始めた。


「それはね、魔法というものが大変便利なものでありながら、大変危険なものでもあるからだよ」


 彼女は、指の先に火を灯しながらなおも答え続ける。


「例えば、魔法だけでこんな風に火を起こすこともできるんだよ便利でしょ。でもその起こした火で人を殺すことだってできてしまうんだよ」


「こんな点をもつ魔法だから、魔法を使う人々による強盗や殺人などといった事件が何件が起きた」


「そこで、魔法は見放され敬遠されていったんだ」


「その例として王都で最も色濃く現れているのが移動魔法陣だね。昔は、王都にはもっと多くの移動魔法陣が設置されていたんだよ。でも魔法反対派の人により100個ほど壊されてしまって今の数になったんだ」


「魔法反対の風潮が広まる中で拍車をかけるように起きたのが急速な技術力の発展だよ。それにより人々は魔法を使う必要などなくなった」


「そのようにして、魔法というものは忘れられていき気がつくともう消えかけていた」


「今は、まだ移動魔法陣などのようなものも使われているけどそのうち使われなくなるだろうね。そうなると王都ではもう完全に魔法の存在は忘れられおとぎ話上の存在になるんだろうさ」


 少し言葉を詰まらせながら語りづける。


「聞いた話によると隣国のアクレ皇国ではもう魔法が消えてしまったらしいよ」


「まぁ、こんなとこだね。今魔法が消えつつある理由は」


 なるほど、納得できる理由だ。

 要は、時代の流れが原因ということだな。


「他には、何か聞きたいことはある?」


 他に聞きたいことといえば…………。


「魔法を使うことによる悪影響とかってあるんですか?」


 単純にこれだ。悪影響があるというなら習得することが嫌になってしまう。


「悪影響はね、有名なものだと魔法を使うと疲れるということくらいだね」


 疲れるというのは、いったいなぜ疲れるのだろう。


「疲れるとは、なんでですか?」


「魔法の源は、体力なんだよ」


 体力というのは、運動などをするときに重要となってくるあれだろうか。


「体力を魔力に変換させその魔力を使うことによって魔法を発生させることができる」


 なるほど、体力が魔力量に関係するということだろうか?


「運動すると疲れるでしょ? まぁ、つまり魔法というのは体力を使っているのと同じことだから、運動することと実質的には同じなんだよね」


「もちろん、使う魔法によって魔力の消費量 は異なるけど、どんな魔法を使っても多少は疲れるんだよ」


 つまり、魔力は体力量によって変わり運動するのと同じように疲れるわけだ。


「人は、誰でもごく僅かに体力を魔力に変換させるということを無意識のうちにやっている」


「でも、君の場合はその無意識でできる魔力が膨大すぎるんだよね」


「そもそも、魔力が少ない人は門の横に取り付けられてる呼び鈴なんか鳴らせるわけないんだよ」


 あの呼び鈴は、どうやら魔力に反応して押すことができるものらしい。


「だから、私はびっくりしたんだ、これほどまでの魔力の持ち主がこの時代にいるのかと」


 俺はこの時代にしては相当珍しいらしく無意識に作られる魔力の量が多いということだ。


「この魔力量だと、魔法を習得するのにそんなに時間はかからないと思うよ」


「それじゃあ、魔法のことはだいたい説明し終えたからそろそろ習得訓練に移ろうか。訓練場に移動しようか」


 どうやらこれで説明は終わりのようだ。


「はい!了解です」


 それにしても、薄々気づいていたがどうやらリンネさんは魔法のことになると人が変わるようだ。


 いよいよ、俺の魔法習得訓練が始まろうとしている。どうやら俺は適正があるらしいので、できればすぐ終わらせたい。なんせ明日から旅にでなきゃいけないんだから。

できるだけ、魔法に自由度を持たせたいと思っていたらこうなってました。

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