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強制的な冒険譚 魔法が消えつつある世界にて  作者: 川理 大利
第1章 3部 セントラへの旅編
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採石場跡内部へ

 1314年 4月22日 13時55分


「ようやく終わった……」


 突然シナンはそういうと机に突っ伏した。


「何が終わったんだ?」


「資料の解読がだよ」


 どうやらシナンは資料の解読が終わったらしい。何が書いてあったか聞いてようか。


「で、資料には何が書いてあったんだ?」


「分かりやすく簡潔に言うと、この資料が書かれた時点での採石場の広さや深さだな」


「そうなのか。どれくらい広いんだ、採石場って?」


「私たちは、甘く見ていたようだ。採石場というものを。なんせ、王都の建物を作るためのものだからな」


「それってつまり…………」


「ものすごい大きさってわけだ。少なくとも最奥まで1日で辿り着ける距離ではない。ただ、今回の私たちの目的は、質の良い石を集めることだから奥まで行く必要はないだろうな」


 奥まで行く必要はないらしい。そうえば採石場を目指してたのって金稼ぎのためだったな。忘れてた。質の良い石を売ればお金になるだろう。


「それでは、採石場跡へ向かおうか!」


「ああ!」


 シナンの威勢のいい声に俺も気合が入ってくる。石はどれだけ集めれるだろうか。


 建物を出て地上の廃村らしき場所の真ん中にある底が見えない穴の前に立つ。


「これが、採石場跡なのか?」


「そのはずだ。昔は特殊な装置のようなもので登り降りしていたらしい


 この中が採石場跡らしい。昔は降りるための装置のようなものがあったらしいが、今はもうそんなものなどないのだ。そのため中へはかなり長さがある縄ばしごを使って降りようということになった。この縄ばしご偶然とはいえ見つけておいてよかったな。


 縄ばしごの先端の紐を地上の建物に括り付け縄ばしごを下に降ろす。縄ばしごの長さが足りるかどうかは分からないが、下の地面まで届いていることだろう。かなりの長さがあったしな。とりあえず俺から降りてみることにする。


「俺が先に降りてみるから下まで降りることができたら声かけるよ」


「分かった。安全確認よろしくな」


 一歩一歩足を一段下におろしていく。下の高さが分からないというのはかなり怖いものだ。下手したら落ちて死んでしまうかもしれない。


 縄ばしごは思ったより安定性があるようでそこまで揺れることはない。落ちるかどうかは地面につくまで分からないが。足を滑らせないかぎり落ちるなどといったことはないだろう。それにしてもまだ下につかないんだな。もうせいぜい50歩は足を下ろし続けただろう。


 降りていくうちにだんだん周りは暗くなっていき、完全に暗くなった頃ようやく足が地面についた。シナンに教えなければ。


「下までついたぞー!」


「縄ばしごの長さはどうだ。足りたか?」


「長さはちょうどいいくらいだー!」


「分かった。今降りるからな」


「あっ、そうだ松明と同じくらいの棒とかあったら持ってきてくれ。下は真っ暗だ」


「分かった」


 地上とかなり離れているためだろう。大声で話さないと声は届かない。


 その後しばらく経ってようやくシナンが降りてきた。


「遅くなってすまない。これが棒だ」


「あぁ、ありがとな」


 松明と同じくらいの長さの石でできた棒だ。よし、この長さならちょうどいいぐらいかな。それにしてもいったいこれはどこに落ちていたのだろう。


「大変だったろ、この棒を探すの」


「大変だったかと言われれば大変だったな」


「まぁ、これを持ってきてくれたおかげで光が灯せるからな」


「光?」


「そうだ、光だ。こうするってわけだ」


 そう言い、俺は魔法を発動させる。火の魔法よりも光の魔法のほうがいいだろう。イメージを持ちながら言葉を唱える。


「暗闇を照らす光よ、石の棒の先に灯れ!」


 ポッとただの石の棒の先にかなり明るめの白い光が灯る。これで、質の良い石探しがだいぶ楽になったな。


「なんだ、今の。まさか魔法か?」


 かなり驚いたという顔でシナンは俺に聞いてくる。


「あぁ、そうだ魔法だ」


「魔法は私にも使えたりするのか?」


「素質しだいだな、でもお前は頭いいから使えるんじゃないか? 大事なのはイメージらしい」


「そうなのか。使えたら便利だろうな」


「なにごともやってみないと分からないさ。とりあえず石を集めて地上に戻ってから使えるかどうかやってみようぜ」


「そうだな」


 やはり、誰もが魔法を使ってみたいと言うな。そんなに魔法は使ってみたいものなのだろうか。俺には分からない。


 さて、早速石を集めてやると思ったが石などどこにも転がっていない。かなり小さい石は転がってるな。ただこの大きさだとお金にはならないだろう。


「それにしても、かなり小さめの石以外なんにも無いぞ」


「もっと深くへ行かないと大きい石は無いかもな。そうえばラナー、採掘するための道具とかって無いよな?」


「持ってきてないな」


「そうか。あれば持ってくるべきだったな。資料に書かれてたんだが、採石場の深い場所では稀に宝石も採れることがあるらしい」


「なに、宝石も採れるのか?」


 俺の問いにシナンは頷く。


「でも道具がないと無理だな。とりあえずは石を拾いながら、採石場の奥のほうへ進んでいくしかない」


「分かった!」


 奥深くへ行くのは少し怖いが、お金のためなら仕方ない。とりあえず石を拾いながら歩いていこう。それにしてもこの石、本当に価値あるのだろうか……。

読んでくださりありがとうございます。


次の話では、ここまで書かなかった話を書きます。変な描写とかになったらすみません。

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